読書『ダブル・ジョーカー』柳広司著
このスパイ組織D機関シリーズは、前作の『ジョーカー・ゲーム』と同様に章ごとに主人公が変わっていきます。
D機関のメンバーは(D機関内での名前すら偽名の設定だけど)偽名で登場します。記憶力の良い方なら前篇でのキャラクター描写と比較して、誰がD機関のどの人か分かるのかも知れませんが、私には誰の話か分からず、そのまま読みました。
とにかく面白い。
収録されている6話の中で1番好きなのは【柩】です。このストーリーには、敵目線からの結城中佐の過去の話も盛り込まれています。そして、真木さんが…。
また、【眠る男】は、前篇に収録されている【ロビンソン】を別の視点から描かれたストーリーでした。
必ずしもハッピーエンドが約束されているわけでは無いのですが、D機関メンバーの秘めた能力・魅力に惹かれます。本当にこんな人達が身近に居たら…とあり得ない想像をしつつ、知り合えても気を許してもらえないんだろうとちょっと悲しくもなるのです(笑)
収録されている6つの話の主要登場人物は以下の通り。(備忘録)
【ダブル・ジョーカー】書生森島邦雄と風戸哲正陸軍中佐
【蝿の王】脇坂衛陸軍軍医と西村久志陸軍二等兵
【仏印作戦】高林正人通信係と永瀬則之と地元商人ガオ
【柩】情報部第三課課長ヘルマン・ヴォルフ大佐と美術商の真木克彦
【ブラックバード】石油プラント工場のオーナーマイケル・クーパーとその娘婿の仲根晋吾、そして外務省二等書記官の蓮水光一
【眠る男】サム・ブランド英国陸軍伍長とアンクル・ニック
また、続篇を読むのが楽しみです。