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「クローン・ウォーズ」シーズン7の見所紹介

「スター・ウォーズ」ファンの間でも難所となっている「クローン・ウォーズ」をシーズンごとに、私なりの見所や楽しみ方と合わせて紹介しています。

昨今、ドラマシリーズでもクロスオーバーの機会が増え、より深くドラマ作品を楽しみたいという方には特にお薦めしたい傑作アニメシリーズです。

なるべく「結末は見てのお楽しみ」という形で物語のさわりを紹介していますが、完全なネタバレ回避にはなっていませんのでその点ご注意ください。

2014年にシーズン6(ザ・ロスト・ミッションズ)がリリースされた後、ディズニー「スター・ウォーズ」の新しいアニメや映画シリーズが次々公開。数年ぶりに「スター・ウォーズ」が盛り上がりを見せる中、ファン待望の「クローン・ウォーズ」がリバイバル・シーズンとして帰還。2019 2020年2月から全12話の最終章が配信されました。

1話から4話の見所

「バッド・バッチ」のアークは「クローン・ウォーズ・レガシー」(未完成エピソードを様々な媒体で紹介する企画)の中でイベントや公式サイトにて2015年に未完成映像や情報が公開されていました。水面下で制作が進められファイナル・シーズンで完成に至り、更に現在は単体でシリーズ化に至っています。

このアークではシーズン3《19話》でシタデル刑務所からの脱出の際に死んだと思われていたドミノ分隊出身のエコーが生きていた事が明らかに。レックスが救出作戦を指揮します。

戦場となっている造船所のある惑星アナクセスは2006年のストラテジーゲーム「Star Wars: Empire at War」で登場した惑星です。共和国が奪還し、帝国に再編されて以降は帝国軍の重要拠点となります。このゲーム、現在もサービス継続中で様々なMODがリリースされています。

「クローン・ウォーズ」においては時系列的にアナキンの最初の対戦相手だった敵将トレンチ提督が最期を迎えます。

ラルフ・マクォーリーの「デス・スターに降下するYウイング」のコンセプトアート。
造船所への総攻撃でこの絵をオマージュしたカットがあります。

5話から8話の見所

5〜8話》は本来シーズン6向けに企画されたアークでした。時系列的には先に紹介した「バッド・バッチ」のアークよりも前の出来事となります。

ジェダイ・オーダーを離れたアソーカのその後の様子が描かれます。
舞台となるレベル1313は2013年に開発中止となったゲーム「スター・ウォーズ1313」からの引用で、お蔵入りになってしまった当時のボバを中心としたプロジェクトの名残の一つです。

このアークも事件の顛末が最終4話に直接つながることや「バッド・バッチ」シーズン1でのクロスオーバーもあり重要度は高めです。

アソーカはシーズン3でパドメに同行し分離主義者のボンテリ母子と接触した際も戦場やジェダイ・オーダーの外側にある実社会に触れて価値感が揺らぐ経験をしましたが、一般市民(下層階級)であるマルテス姉妹との交流においても、あらためてジェダイという組織が機能を喪失し実社会と乖離していることを痛感させられます。

9話から12話(最終回)までの見所

映画(「〜シスの復讐」)も辛いが、この4話もかなり辛い。

9話》からは通常と異なる映画版を意識したオープニングで、最終話までは映画「エピソード3 シスの復讐」とタイムラインを共有して展開します。

「反乱者たち」や「マンダロリアン」に繋がる「マンダロア包囲戦」を軸に「〜シスの復讐」のストーリーの背後で起こっていた出来事として、ジェダイ・オーダー壊滅の事件を補完・補強する傑作4編です。プリクエル・トリロジーを異なる視点で堪能できます。

ちなみに「マンダロリアン」「ボバ・フェット」劇中で取り沙汰される「マンダロア大粛清(あるいは千の涙の夜)」はこのマンダロア包囲戦とは別の出来事です。

直接的な物語への関わりは薄く、把握している必要はありませんがシーズン6とシーズン7の間に放送開始〜完結した「反乱者たち」からのキャラクターや設定のクロスオーバーもあり、情報密度が非常に高いアークです。

これまでの129のエピソードで描かれてきた、マンダロア内戦・モール復活・クローンの存在意義・シスの陰謀・アナキンとアソーカの絆といった大きなストーリーラインがこの4話で終結します。

ここではあらすじ紹介を伏せるので未視聴の方はぜひご自身で体験ください。

なお、シーズン7視聴後は続けて以下の作品の視聴をお薦めします!
・「テイルズ・オブ・ジェダイ」(6エピソードで見やすいです)
・「バッド・バッチ」(実質的なクローン・ウォーズ シーズン8です)
・「反乱者たち」(その後 14年が経過した銀河が舞台)


133話振り返り

全シーズンで登場した惑星一覧です。
銀河規模の大戦争を見事に映像化しました。実写での実現は困難であり、CGアニメという手法を取ったのは正解だったと考えます。本シリーズはスピンオフ映像作品の礎を築きました。CGアニメとはいえとても高いクォリティです。技術的にも第1話と最終話では驚くほどの差が見て取れ、その進化は7月にシーズン2を控えた続編の「バッド・バッチ」でも止まる所を知りません。

1977年の第1作目の「スター・ウォーズ」劇中のルークのセリフのワンワードを起源に、ジョージ・ルーカスとデイブ・フィローニによって実現を果たした「クローン・ウォーズ」ですが、全編を通して映画シリーズよりも深く、多角的に「戦争」「共生」というテーマが描かれました。特にマンダロアの状況には昨今の世界情勢を照らし合わせてみても学びや感じるものがあると思います。

また、当初はベイダーのような強インパクトなヴィラン不在を補うため復活させたのではというバッシングもあったダース・モールですが(確かにあのやられ方で生きていた生命力はちょっと反則的ですが)パダワンのオビ=ワンにあっさり破れ去った鉄砲玉キャラクターではなくシディアスが先陣を任せただけの知略も備えた強敵である事もしっかり描かれた事は個人的に良かったなと思います。

シーズン7では「エピソード1 ファントム・メナス」でダース・モールを演じたレイ・パークが制作に参加しているのも見所です。アクションに要注目。

あとは何よりもアソーカです。彼女も初登場時は「後付け設定」とファンからバッシング対象になっていたのを覚えていますが、情に厚いアナキン・スカイウォーカーの分身/遺産として成長を遂げ重要なキャラクターになりました。
フォースの女官の言葉を借りれば彼女もまた希望を繋ぐ者として選ばれた存在です。予定されているスピンオフ実写映像作品が本当に楽しみでなりません。

『アソーカ』撮影開始!

「クローン・ウォーズ」非公式ガイダンス完全版

これまでの「クローン・ウォーズ」関連の記事をまとめたPDFはガイダンス総合の記事よりダウンロードください。
2023年5月18日現在、「テイルズ・オブ・ジェダイ」などの情報を追加した最新版を頒布中です。