「みんな仲良く力を合わせて」からどうして「金に汚い」社長が生まれるのか
ある社長は
「みんな仲良く力を合わせて会社を盛り上げよう」
というスローガンを掲げ、従業員に事業運営を任せていました。しかし、その運営業績が下がり始めたときにその社長の本性が現れます。
「ちゃんと運営しているのか?」
と、従業員を次第に問い詰めるようになってしまっていました(前回ブログの経営者と一緒のパターンですね)。
次第に、従業員は陰で
「最低限のことだけをして、仲良く力を合わせているふりだけをしよう」
と考えるようになってしまいました。要は「仲よく力を合わせよう!」と口で唱えているだけで、何か実際に問題が起きても、「私は何も知らないです」といってうまく逃げるようになってしまっていました。
なぜこうなってしまうのか?理由は明らかで、社長が(例えどんなボンクラな社長でも)
「人事権」
と言う絶大な権力を有している以上、従業員と和気あいあい仲良くなんてできないからです。
このもっとも重大な認識が抜け落ちてしまうと、ときに血迷った行動に出てしまうことがあります。
その社長は何を思ったのか、従業員に対して
「あなたの財産の一部を会社再建のために融通して頂けますか」
とまで言いまわったそうです。特に、お子さんのいない従業員に対して重点的に言いまわったそうです。
みんな仲間なのだから、力を合わせてこの業績悪化を食い止めよう!
とでも思ったのでしょう(一番質の悪い無自覚なパワハラですね)。こうして
金に汚い社長の完成
に至ります。
「みんな仲良く力を合わせて」
というスローガンが、金に汚い経営者を創出させた典型例となります。ご参考になれば幸いです。