・・・どうしてこんなにバカなの?
って思った。
何度も。
小学校1年生の時、足し算の問題が出た。
リンゴを描いて教えた。
2+3=5
リンゴ2個とリンゴ3個を書いて「全部でなんこ?」って。
本当ただそれだけのことなのに。
彼には伝わらない。
途方に暮れる。。
いったいどうやって教えたらいいんだろう。
これ以上どう噛み砕いて言えばわかってくれるのか。
……なんでできないんだろう。。
普通の子より理解に時間のかかる息子。
なのに、何度やってもまたすぐ忘れてしまう。
彼は、バツをつけられることに、強い抵抗があった。
間違いを消しゴムで消す時に、イライラして紙をぐしゃぐしゃにしてしまう。
鉛筆を投げる。
間違えた自分を叩く。
漢字練習のなぞり書きの所では、なぞるのではなく、筆で書いたような「はらい」や「はね」を『塗って』いた。
私は、ため息がでて、心の中で叫ぶ。
…どうして?
なんでできないの?
…なんでこの子こんなにバカなの?
…ひどいよね。
親なのに。
でもね。そう思ってしまった。
当時の私は、「〜すべき」の世界にいて、宿題は絶対にやるべきだと思っていたし、どうにかまわりに追いつかせなきゃと必死だった。
毎日毎日
息子は泣きながら宿題をやっていた。
そして私も泣きながらやらせていた。
それがたぶん、今も私の心の奥で、黒い塊になって残ってる。
それから数年後、長男は自閉スペクトラム症という診断がでた。
今ならわかるんだ。
どうやって伝えたら、彼にとってもう少し分かりやすかったか。
間違えたからって、バツなんかつけなくてもいいことを。
そして、宿題を全部やらなくたって、死にはしないことも。
でもその時はわからなかった。
他に方法も知らないし、誰に相談したらいいかもわからなかった。
だからたくさん長男を傷つけてしまったと思う。
本当にごめんね。。
その後悔と、当時の自分の苦しさが、今もずっと残っている。
だから私は、教育という分野に、身を置きたいのかもしれないな。
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