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歴史番組感想【歴史探偵「葛飾北斎 天才絵師の秘密」】

 今回は、いつもの探偵事務所ではなく、「知恵泉」の店からの放送です。
渡邊副所長だけなぜか、さびしく探偵事務所に残ってました。

 調査内容は「葛飾北斎」について。北斎といえば、世界的にも有名な浮世絵師です。
しかし、その生涯は謎が多くてよくわかっていないそう、そうなんだ。
なんか、絵ばっかり描いていて、すぐ家が散らかるから、何十回も引っ越しいたとか聞いたことありますけど。

 そんな北斎の浮世絵の謎を解いていきます。

謎①:富岳三十六景の「赤富士」と「黒富士」はどこから描かれたのか?
謎②:神奈川沖浪裏の大波、グレートウェーブは一体何なのか?
謎③:晩年の北斎の絵にゴーストライターがいた?

 これら、3つの謎を探っていきます。

 まず、「赤富士」と「黒富士」はどこから描かれたのか。
富士山に詳しい人が設置したライブカメラを駆使して、「赤富士」は静岡県側から描かれたことがわかりました。
朝の早い時間帯に富士山が薄く赤くなりました、綺麗。
北斎の初版摺の赤富士も「薄い赤」だったそうです。
それが北斎の描きたかった富士だったのか。

 「黒富士」は上空から見た富士。ヘリを使って上空から眺めて見ました。
地理学者の人が言うには北斎がホントに浮遊して描いたんじゃないかというくらい正確に描かれているそう。
河合先生は、おそらく北斎はいろんなところから富士を見ていて、頭の中で想像して組み立てて描いたのではないか、と言っていました。

 そういえば、「鍬形渓斎」の江戸の町を上空から見て描いた「鳥瞰図」ってのがあるけど、ものすごく正確で誤差もあまりないんだとか。
当時の絵師の創造力がハンパなかったことがわかります。

 「神奈川沖浪裏」で描かれている、大波ことグレートウェーブは一体なんなのか。
東京湾でアナゴ漁をしている漁師の人に聞いてみると、「三角波」じゃないかと教えてくれます。
詳しく調査するため、東大の波の第一人者の教授に波の再現をムリヤリお願いします。

 波を再現できる研究施設があるので、そこで三角波を再現することに。
しかし、再現が難しいらしくなかなかうまくいきません・・・。
計67回、8時間(!)かけて、ようやく再現できました。
ハイスピードカメラを使ってみると、なるほどグレートウェーブに似ていますね。
さらに押送船の模型を使って撮影、するとアニメーションではと教授が指摘します。

 河合先生によると、北斎はこれ以前に「北斎漫画」を描いていて、すでにアニメーションの技法を描いていた。
だから、神奈川沖浪裏で狙ってやっていたとしてもおかしくはない、とのことです。
大波に押送船が三艘いるんじゃなくて、アニメーションになっているのか。
それははじめて知りましたよ。
しかし、ハイスピードカメラもない江戸時代にこんなの描くなんて、やっぱり北斎はタダ者じゃない。

 最後の謎、晩年の作品に北斎のゴーストライターがいたのでは、という疑惑。
北斎は当時として高齢の90歳まで生きており、絵を描いていました。
しかし、北斎は90歳になってわずかしか生きていないのに、大量の絵が残されている。
これが、ゴーストライター疑惑になるわけですね。

 北斎には「お栄」という娘がいて、絵の才能があり、北斎の絵の手助けをしていた。
お栄の残された緻密な花の絵と、北斎90歳の花の絵の描き方が似ている、ようです。
なので、北斎の晩年の絵はお栄との合作だったのではないか、と思われるそうです。
なるほど、合作でしたか。

 北斎は、いくつになっても慢心せず、常に高みを目指していたようです。
それで、絵がうまくなっていった。
北斎が90歳のとき、「あと10年、いやあと5年生きられれば、真の絵描きになれたものを」という言葉を残しているそうです。
90にして、まだ絵を極めたとは思っていなかったんですね。
もう少し長生きして、絵を極めてもらいたかったものです。

 以前、北斎展見にいったことありますが、また北斎の浮世絵見たくなってきましたね。

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