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大河ドラマ感想【べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜 第8話「逆襲の『金々先生』」】



【序文】

細見を倍売れば地本問屋の仲間に入れてもらえるという約束を交わした蔦重。

みんなの協力もあって、無事倍売れそうな細見「籬の花」が完成しました。
果たして、蔦重の新細見は倍売れるのか。
そして、蔦重は地本問屋の仲間入りができるのか。


【細見は倍売れるのか】

蔦重は無事細見を全部捌いたと、お稲荷さんのところにいる花の井に知らせにきます。
しかし、まだ本屋の店先に本が並ぶだけ、売れるかどうかはわかりません。
それを花の井は心配しています。蔦重のほうはやたら自信過剰で売れると踏んでいます。。

ここからが勝負です、どうなる!

結果は、蔦重のド派手な宣伝もあって、細見は見事倍売れることができました、いやったー!!
西村屋さんのところの客が全部流れてきてしまって、ご愁傷様です。

約束通り、蔦重は晴れて地本問屋の仲間入りができた・・・ようです。
忘八の皆さんも、「吉原に地本ができる」と宴席を設けて蔦重を祝ってくれました。
酒をしこたま飲まされた蔦重でした。

でも、なんか嫌な予感が・・・。

そんなことを思っていたら、裏では蔦重を快く思わない鶴屋が放免となった鱗形屋をけしかけています。
鶴屋のやつ、蔦重のことけなしまくりです、よほど嫌いなんだな。

なんか、鱗形屋に新しい青本を出させて大ヒットさせる気みたいですよ。
それが例のアレか・・・。


【吉原大繁盛】

蔦重の新細見を買った連中が、瀬川の名跡を継いだ花の井目当てで吉原にやってくる。
蔦重と花の井のおかげで、吉原は大繁盛です。
これで一息つけましたね。

でも、もっぱら花の井目あてで客が来ているので、この大繁盛は彼女のおかげ、蔦重はそう思っているみたいです。
そして、客が来すぎて遊女たちからは不満の声がでます。
花の井もかなりお疲れモードのようです。

客が来なくても困るし、来すぎても困る、どうすりゃいいんだよ。

源内先生と新之介さんも瀬川こと花の井目当てでやってきました。
しかし、花の井は呼び出しのお客が多くて、なかなかやってこれません。

その間に、源内さんは蔦重の色恋沙汰のことを聞き始めます。
しかし、蔦重は恋とか愛とかには興味がないみたいです。つまんねーやつだな!
吉原もんは、遊女に手を出さないようそういう類いのことに興味をもたないように躾られてるんだとか。

花の井を蔦重が身請けしてやったらどうだ、という話になりましたが、あまりその気はないようです。
この分だと、蔦重が花の井と結ばれることはないような気がします。

蔦重のお相手になる人は誰なのでしょうか。

【鱗形屋「金々先生」で逆襲する】

ある日、蔦重が店に帰ると、珍しく次郎兵衛兄さんが青本を読んで笑っていました。
その本の表題は「金々先生栄花夢(きんきんせんえいえいがのゆめ)」となっていて、鱗形屋の屋号の印が!

そう、この本は蔦重が集めてきたネタを鱗形屋がパクって出した本なのでした。
この野郎、意趣返しか!

蔦重のネタがよかったのか、おもしろく出来上がっているそうです。
やられましたね。

【鳥山検校あらわれる】

その頃、吉原には鳥山検校という大富豪で盲目の人がやってきました。
遊女たちが「めしい」と言っていましたが、現代だと差別用語になるんだろうな。

当時、目の不自由な人は「按摩」か「金貸し」しか就ける職業がなかったそうです。
塙保己一みたいに盲目でも大学者になった人もいますけど。
鳥山検校さんは金貸しをやっていて大成功した、というわけですね。

検校さんは、音で相手の表情を読み取ることができるそうです。
そして、遊女たちにいろいろと高価な贈り物をします。
そのなかには本もありました。当時、本は高価だったのです。

花の井が特別に目の不自由な検校さんに本を読み聞かせることになりました。
その本には「金々先生栄花夢」の表題が、そして鱗形屋の屋号の印。
蔦重が手に取っている本と同じものでした。

なんという偶然!

「金々先生栄花夢」を朗読する花の井です。
検校さんも満足してくれたみたいです。


【須原屋を訪ねる蔦重】

あくる日、蔦重は須原屋さんの本屋を訪ねていました。
鱗形屋放免の事情を聞くと、「鱗形屋を助けたのはオレなんだ」と言い出しました、ええっ!
そして、鱗形屋を裏切ったのは手を組んでいた侍だそうです。

どうやら、須原屋さんは鱗形屋と昔からの友人関係があって助けたようです。
蔦重も本当は鱗形屋には潰れてほしくなかったので、それでよかったと言います。

本題に入って、蔦重は須原屋さんに「本を贈りたいやつがいるんで、何かいい本はないですかね」と切り出します。

蔦重は本を買うために須原屋さんを訪ねたのか。
贈る相手はもちろん花の井でしょ。
でも、書物問屋はお堅い本を扱っているぞ、どんな本を贈るのか。


【すれ違う蔦重と花の井】

お稲荷さんの神社で、蔦重は花の井に本を贈ります。
って、電話帳みたいに分厚いなこれ・・・。
なんか、武家の嫁になったときに困らないようにと、しきたりが書いてある本だそうです。

やっぱりお堅い本でした(汗)

蔦重は花の井を身請けする気はないようです。
花の井が誰かいい人に身請けされてほしい、それが蔦重の願い。
花の井は蔦重に気があるのにねえ・・・すれ違う二人でした。

お稲荷さんからは「バーーーーーカ!!!!!」と激しく罵られましたとさ(笑)
蔦重には聞こえないけど。


【矜持を見せた忘八たち】

そしてまたあくる日、蔦重が店番していると・・・鶴屋を筆頭に地本問屋の連中がぞろぞろやってきました。

また嫌な予感・・・。

かくして、二階の座敷で忘八たちと地本問屋たちが酒を飲みながら話し合いをすることに。
この時代はテーブルというものがなく、じかに膳を置いた形になります。

鶴屋が口を開いて、「鱗形屋さんの青本も売れているし、我々は鱗形屋さんを支えていきたい」
「耕書堂さんの仲間入りはなかったということで」とか言い出しやがります。
鶴屋、てめー! 約束を反故にする気か!!

蔦重が反撃に転じて「ここで作った細見をタダで譲ってもいい」と提案します。
後ろ盾になってくれた忘八たちの入れ知恵ですね。
すると、地本仲間のなかには態度を豹変させるやつもでてきました。

すると、鶴屋が他の仲間たちを下がらせ、自分一人で話をします。
こいつの話によると「吉原の人たちを毛嫌いしている仲間がいる、同じ席にも座りたくないと言っている」みたいなことを言い出します。

いや、それはおまえだろ!

吉原のことを散々けなされて黙っていない忘八たち。
親父様がすっと立ち上がり、鶴屋のところへ。
そして、「フフッ」と笑うと・・・いきなり鶴屋の首根っこを捕まえて引っ張り上げます。
あっ、このパターンは!

そして、蔦重の制止も聞かず、二階の階段から投げ落としてしまったのでした!
下にいた西村屋に鶴屋が当たって下敷きになってるし(笑)

忘八たちは江戸っ子らしく啖呵を切って、地本仲間たちを出禁にします。
そして、細見を出版することも禁止に。
渡された(?)小判入りの袋も投げ返しました。

おおっ、金のことしか頭になかった忘八たちが矜持をみせたな!
カッコいいぞ!
しかし、鶴屋に赤子面って・・・。

階下からは鶴屋、西村屋、鱗形屋がすごい形相で忘八たちを見上げています。
交渉は決裂です、蔦重の地本問屋の仲間入りの件はオジャンになりますね。


【終文】

蔦重の地本問屋の仲間入りはまたもならず・・・ということになりそうです。
なかなかすんなりとはいきませんね。
この時代、新参者が業界に入るってのは難しかったのですね。

しかし、これでへこたれない蔦重、次はどんな手を打ってくるのか。

そして次回、検校が花の井を身請けする!?
幼馴染みがいなくなってしまうかも・・・どうする、蔦重?

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諸葛鳳雛@真・歴史探偵
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