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朔の詩

世界はみんな磨りガラスの向こう側
自分と世界を分かつ
グラスのなかで揺蕩う

滲む世界はいつも自分とは分断されて
磨りガラスの向こう側で聞こえる
かすかな話し声
遠くで誰かの笑い声
すべては磨りガラスの向こう側
私の背後には、
世界はないかと思われる

ゆっくり辺りを見回して
虚無がこちらに微笑みかける
いつもの会話
やあ元気
そろそろそっちに行ってもいいかい
虚無の返事はない
ただしずかに
こちらを見つめるばかり