美味いものには美味い酒!
子供のころ家族で外食に行って、オヤジが飲んでいる酒を面白がって飲んでみたことがあります。誰にでもある経験だと思いますが、その酒は恐ろしくマズかった。
何でこんなものを飲むんだろうと不思議に思ったものです。
その時オヤジが飲んでいたのは日本酒でした。
当時の日本人が飲んでいた酒は、日本酒、ビール、焼酎、ウイスキー位のものだったと思う。
今では居酒屋に普通においてあるワインも、世間には赤玉ポートワインしかなかったような気がします。
私が駐在員としてロンドンに赴任した当時は、日本でワインを飲む人は少なかった。ロンドンのワインショップには、驚くほどたくさんのワインが並んでいて、これも私には新鮮でした。
そして、レストランに何度か行っているうちに、酒には食前に飲む酒、食事中に飲む酒、食後に飲む酒があるということも分かってきました。
日本では、こういう分類の仕方はしませんよね。
日本ではずっと同じ酒を飲んでいることもあるし、ビールから始めて、途中で日本酒や焼酎やワインに変えたりと、好きなようにやっている。
これはこれで良いと思いますが、食前、食中、食後と飲むものを分ける方が合理的だという気がします。
なぜなら、空腹時と食事中と満腹時では、味覚は微妙に違うと思うからです。なので、飲むお酒を変える方が、よりおいしく感じると思う。
ロンドンのパブでは、大勢の人がビールを飲んでいましたが、
レストランでビールを飲む人はほとんどいませんでした。
レストランで飲む酒は、最初に食前酒を飲むのが普通でした。
そして、私が最初に食前酒として好きになったのがジン・トニックでした。
しばらくはジン・トニックにハマっていましたが、ある時、
取引先のイギリス人がウオッカ・トニックを注文していました。
どんなものか私も試しに飲んでみたら、こっちの方が好みに合う。
ジン・トニックも美味しいと思うけど、やや甘みがある。
ウオッカ・トニックの方が辛くてあっさり。後味もスッキリしている。
それ以来、ウオッカ・トニックが一番になりました。
しかし、日本のレストランではウオッカをおいていないお店がある。
そういう時はジン・トニックで妥協しますが、美味しい食べものはより美味しく、美味しい酒もより美味しく、相乗効果があることが理想的です。
そして、相乗効果を確認するには、色々なものを食べたり飲んだりしなければなりません。
酒の飲み方においても、経験を積むことが大事だということですかね?