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処世術・仕事術 リスクに鈍感じゃ困ります!

日本人はリスクに鈍感だと思います。
これは日本が長い間平和で、
日本人は安全がタダだと思っていることと関連がある。

未だに、ヤバイ国に進出したまま、戻ってこない企業もありますからね。

そんな国に社員を派遣して、いざとなったらどうする気なんだ?
お金より、社員の命が大事だろう!

しかし、リスクに鈍感という点では、実は、私も大きなことは言えません。
今回は、その体験談と、その反省です。

9.11のテロがあった時、私はスペインに出張していました。

日本からスペインは直行便がないため、チューリッヒ経由で行きました。

9月11日の午前中打合せを行ない、
先方の会社の人とランチに行って戻ってきたら「ニューヨークでテロがあったらしい」と言われました。
「インターネットで見てみたら?」と言われてPCでネットの画面を見せてもらいました。

PCには、貿易センタービルに飛行機が衝突する例の映像が映っており、
「これまるで映画じゃないか、本物なの?」などと話しているうちに、
テロは本当だと分かりました。

そして、その取引先のスペイン人のオネエサンが私に言います。
「あなたの飛行機は明日でしょ?飛ばないかもしれないよ」と。
「何で?だってテロはニューヨークじゃない ・・・」と私は全然気にしませんでした。

翌朝飛行機は無事に飛んだので、私は、来た時とは逆のルートで日本に戻りました。

「大丈夫だったじゃないか!」と思っていましたが、
それから数日後、世界中の空港が閉鎖され、飛行機は全然飛ばなくなりました。

世界中の航空会社がテロを警戒した結果です。
あと数日ヨーロッパにいたら、
私はヨーロッパで足止めを食らって、ひどい目にあっていたはずです。

実害こそ被りませんでしたが、
あのスペイン人のオネエサンの方が先見の明があったのです。

私は、その時、この後何が起こるのか、全く予想できませんでした。
しかし、彼女は直感的に「ヤバい」と思ったんでしょう。
この直観力が大事なんです。

ヨーロッパは昔から戦争ばかりしています。

徳川260年の間、日本は一度も戦争しませんでした。
しかし、ヨーロッパは戦争ばかり。
国境が変わるのなんて全然珍しくなかったし、
国が消滅したり、二つの国が一つになったりと、日本とはまるで違いました。

こういう歴史を経てくれば、リスクに敏感になるでしょう。

リスクは事前に予知することが大事です。
将来が危険かどうかを予想する能力なので、
危険な状況におかれた経験があるほど、それだけリスクに敏感になります。

ヨーロッパで事務所のトイレを使いたいと言ったら、
鍵の束を渡されたことが何度もあります。
トイレには鍵がないと入れない・・・徹底していますよね。

しかし、問題は、私のことより日本のことです。
私のリスク感覚が鈍くても、困るのは私だけ。

でも、政治家のリスク感覚が鈍いと、困るのは日本国民であり、
日本企業です。

これが、いまの日本で一番大きな問題だと思う。


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