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俺たちは山のモノが食べたい!

暑かった夏が終わって秋になると、山の歩き方も変わります。

私が若かったサラリーマン時代、会社の同僚2人と山をノンビリと歩こうという話になりました。
山登りではなく、山麓をブラブラ歩いて、温泉にでも入ろうということです。

季節は晩秋で、落ち葉をかさかさと踏みながら歩くのも悪くないと思いました。そして、南アルプスの麓にある青木鉱泉に行くことにしました。

その日の朝、3人は中央線に乗り、穴山(多分)で下車しました。
そして、そこからブラブラ歩いて青木鉱泉に向かいました。
その内、舗装道路から山道に入りましたが、歩きやすい道でした。

やがて、落葉松(カラマツ)の林に入ると、落葉松が黄色く枯れています。
落葉松はその字の通り、松のくせに枯れるんです。

そのときも、落葉松の林は、全体がきれいな黄色に変わっていました。
少し寂しいけれど、とてもきれいでした。
やがて、青木鉱泉に着き、湯に浸かってからビールを頼みました。

つまみを出してほしいというと、「何もないんですが。。。」とモジモジしながら、ワラビ(多分)をだしてくれました。

なぜか、「山菜なんかで恥ずかしい!」という感じでした。
卑下しているのか、粗末なものだと思っているみたいだった。

我々は、「俺たちは、こういうものを食べたいんだよ!」と言ったものの、
社交辞令だと思われたかもしれませんが、その山菜が美味かった!
我々はワラビをつまみに、ビールを飲んでから晩飯を食べ、翌日満足して帰ってきました。

意外なことですが、山の温泉宿には、山菜などの山のモノは粗末なものと思っている人がいるようです。

海の魚が食べたければ海に行くし、そうでなくても、たいていのものは東京で食べられます。でも、山菜は滅多にありません。

ちなみに、私は最も無駄のない山菜はウドだと思っています。捨てるところがなく、全部食べられます。
コシアブラの天ぷらも良い香りがして好きだし、山菜はどれもこれも美味い!

山には山の幸があるのに、地元の人たちに、そう思っていない人がいるのは意外です。
山の温泉宿で、鯵をだされたことがありますし、タコをだされたこともあります。口には出さないけど、こういうときはガッカリします。

ワラビなどは春に採って、地元の人たちはこれを塩漬けにします。
青木鉱泉で食べたワラビも、こうやって貯蔵されたものでしょう。
どうか自信をもって、「美味しいよ」と胸を張って出してほしいものです。

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