選挙の立会人をしてみた話【インドア目線】
鳥取県在住なので参議院選挙は「合区」のなかにいました、イザワです。
先日の選挙から少し経ち、
この時期特有の力みが抜けたようなタイミングで、選挙のことを書いてみます。
(ホンネはこの投稿をするかどうか迷っていただけ)
先日の選挙で、
僕は地元の投票所の立会人をしてました。
町の役場から立会人の募集が出ていて、
それに目をつけた父が、地区の代表者に僕を推薦した、という経緯です。
気が付けば履歴書が送られていた…
なんてジャニーズ的なストーリーがこれから待っているワケでもないのですが、
自分としても「なんとなく面白そうだな」気分で引き受けてみました。
「立会人」といっても、いくつか種類があるようで、
僕が引き受けたのは、
「投票立会人」というものでした。
(役場から正式に任命証ももらいました)
その仕事は、当日会場で説明された中から
いくつか挙げますと、
・正しく投票されているかを、
役場の人間以外の立場としてチェックする
(紙の持ち帰りがないか、など)
・不在者投票の票を、責任者が代理で投票箱に入れるのをチェックする
・投票箱が開票会場に持ち込まれるまで、同行して見届ける
などなど、特に立会人に難しい仕事や頭を使う作業が待ち受けてるワケではありませんでした。
●投票立会人の1日
朝6時30分、自分の地区の投票所に行くと、
近所の地区から来た、ほかの投票立会人
(ずいぶん歳上)の方がいました。
僕はこの相方さんと、休憩や昼食(支給あり)
を交代で取りながら、立会人をしていくことになります。
立会人の仕事は19時30分頃まで続いたので、
ほぼ一日仕事。
そのため地区単位で募集をかけても
なかなか手を挙げる人がいなく、
相方さん曰く
「当番制でやるのも検討しないとな…」なんて一幕も。
投票所といっても、
公民館を借りての小さな箱だったこともあってか、
受付として同じく椅子に座り続けていたり、
選挙規約のようなものが書かれた分厚い冊子を手にした役場の方々と、
談笑や質問をしたりしながら、時間を過ごしました。
(公民館の冷房はガンガン利いていたので、羽織るものが必須でした。)
5月から実家に戻った僕ですが、元々外に遊びに出ないタイプなので、
僕がお留守にしていた約6年、
地元の人々の間に何があったのか、肌感覚で掴めていません。
小1だった子供が中学生になるくらいの期間ですよ…。
しかし立会人の仕事上、
この1日で投票所に来る近所の人、先輩後輩などの顔を久々に見ることができ、挨拶させていただきました。
なかには僕や相方さんの机を、
投票受付だと思って券を渡される方もいたので、
随時、受付のほうに案内し直したりしました。
(…にしても、そんなにスタッフ顔してますかね僕…。)
●雑感①:高齢者ドライバーについて
投票会場に来られる高齢者でも、車を運転してで来られることは珍しくありません。
ちょっと前まで、高齢者ドライバーの免許返納云々のことで、
ネットや若い人を中心に騒ぎがあった記憶がありますが、
投票所に半分以上は車で来られていたし、
車を運転していた半分近くは高齢者でした。
選挙という自分の意思を示す日に、
この光景を見てしまうと、
一重に「返納を…」といえない現実がそこにはあります…。
また、うちの町の人口規模的に、
これから投票所の数が増えることはまずないと思うので、
これからもっと、
行きたくても行けないやないかい!なんてことがおこってしまう。
これは胸が痛むトピックのひとつでした…。
雑感②:誰のための1票なのか
投票率の低さが一つの話題になった今回の参議院選挙でしたが、
僕が会場に出入りする有権者を目にして気になったのは、
投票率から逆算した「投票しない有権者」の存在ではありません。
子供を連れて投票所に来たり、
投票箱に入れるのを子供にやらせてあげたりしていた、
「まだ選挙権のない人を抱えている有権者」。
彼らにとっては、自分の1票ではあるけれど、
子育てのことや、子供が大人になった時のことなどを想像して、名前を書く。
そして、私がこのパターンなのですが、
「選挙権はあってもできない人を抱えている家族を持つ有権者」です。
私も、アルツハイマー持ちの祖母と暮らしています。
祖母は字は読めるし、TVのニュースを見てリアクションをしたりするけれど、
目の前の道具の用途や、目的地までの場所のルート認識をするときに、
こちらの斜め上の発想をしてくれることがあります。
祖母には本人なりの意思はあると思うのですが、
「投票」できるのかの言われたら…
かなりのグレーゾーンでありました。
以前、ワークショップのトークテーマを運営メンバー間で決めるとき、
外国からの
「自分の人生は自分のもの」という考えが
日本に広まってから、
家族など肉親の繋がりが薄まり、
皮肉にも自殺も増えてしまっている…
と、ある運営メンバーからの話が上がったのを思い出しました。
自分の意思、自分の1票は、
結局は自分以外の誰かの未来をも決める、ということを、
僕は投票所で考えずにはいられませんでした…。
いや、それは選挙に限った話ではなく、
名字の変わった同級生からの連絡を見ると、
今でもフラッシュバックしています…。
~終~
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