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【横浜F・マリノス】前半戦総括第二弾「新戦術0トップの成功と変えない"こだわり"の謎」

ごあいさつ

はじめまして、居酒屋fやんと申します。
この記事では一般サッカーフリークス兼マリサポの筆者がnote執筆の練習がてらサッカーに関して思ったことをつらつらと書いていく雑談記事になります。
記事の内容は個人の意見や感想が入りますので、ご了承のうえで読んでいただければと思いますm(__)m
皆様の意見や感想も大歓迎なので、ぜひ居酒屋の雑談感覚で読んでやってください。

前回までに執筆した2記事をいったん削除して再投稿しました

再投稿した記事

大きな変化0トップの導入

始めた当初はこんなにも多くの反響があるとは思わず、とても喜ぶと同時に少し困惑もしています笑
そのレベルで色々な人に見てもらえてこれからも楽しんで読んでもらえる記事を書きたいなと思いました!
さて、早速内容に入っていきたいのですが、前半戦では色々なことが起きましたが、皆さんの中で最も大きな変化はどれだったでしょうか?
私は0トップの導入だと考えています。

0トップとは

0トップとは何ぞやという方のためにまずは一般的な0トップの解説から入りたいと思います。
0トップ(偽9番)とは端的に言うとトップ(9番、ストライカー)の選手が低い位置まで下りてきてビルドアップに参加する戦術のことです。
図を記載します。

0トップ

普通こんなにきれいな攻め側2-4-4守備側4-4-2にはならないと思いますが、例として見ていただければと思います。
0トップはこのように本来相手のディフェンスラインにいるべきでトップあるの選手が低い位置まで下りてきます
それゆえにトップがいない状態つまり0トップといわれています。
本来ストライカーである9番の選手がストライカーのポジションを放棄して下がるので、偽9番ともいわれます

この戦術のメリットは2つあります。

  • 中盤で数的有利を作れる

  • WGとSBの一対一の状況を作れる

1つ目の中盤で数的有利を作れるこれは盤面を見ればわかりやすいと思います。

トップの選手が降りてきた分、ボランチ2+トップ2対ボランチ2状況を作ることができます。
え、ならずっとこれやっておけば良いのでは?と思うかもしれませんが、そう簡単じゃないことがサッカーの面白いところです。

2トップが降りてくるのなら、相手のCBも当然2トップを自由にさせないように一緒に下りてきます
そこで作戦プランBです

CBが降りるということはその背後に広大なスペースができます。
そのスペースを両サイドのWGが狙います

そうすると、両WGと相手のSBの1対一の状況を強制的に作ることができるので、WGの質で上回ってSBをはがせればロングボール1本で1点もののシチュエーションを作り出すことができます。
※ブライトンと三笘さんが完璧なお手本を見せてくれているので参考にどうぞ(笑)

デメリットとしては、トップの位置に選手がいなくなってしまうので、どうしても速攻の際にPA内が手薄になってしまうことや、9番の選手のタスクが通常よりも増えるので負担や依存度が高くなりがちです。(現状ロペスが怪我したら厳しいのが現実です…。)
後はやはり各所で一対一が発生するので、相手の選手を一対一ではがせる個人の力がないと、この戦術はそもそも効果的に機能しない場合があります。

このように0トップは選手の質で相手を上回っていれば、常に後出しじゃんけんを相手に強いることのできる、攻撃では理論上最強の戦術の1つしてサッカー界では有名です。
優勝したシーズンのリヴァプールはこれで無双してましたね!
※以後中盤で有利を作るプランプランAWGが相手SBと一対一になるプランプランBと呼びます

0トップ戦術プランAとロペスの覚醒

マリノスが0トップを導入し始めたのは4/22神戸戦からだと記憶しています。
しかし、導入直後からうまくいっていたわけではありません
その理由は偽9番を担っているロペスのスタッツにヒントがあると思います。
以下SportsNaviさんが公開しているロペスの試合ごとのシュート数のスタッツです。
まずは神戸戦から新潟戦まで

  • 神戸戦:3、1ゴール

  • 名古屋戦:1

  • 鳥栖戦:4

  • 京都戦:0

  • 新潟線:1

神戸戦、鳥栖戦では複数回シュートをしていますが、ハイライトを確認すると、押し込んだ状態でのシュートセットプレー奪ってショートカウンターといった0トップの起点づくりが関係のないシチュエーションのものが多く、残りの試合はシュートが1本か0本の試合もあり、4試合の間ゴールなしと沈黙してしまいました。
※それぞれのハイライトはこちら

この時期ロペスは偽9番のやり方に悩んでいたんじゃないかなぁと思います…。
しかし、ガンバ大阪の試合以降ロペスは覚醒します。
まずはガンバ大阪戦以降の4試合のロペスのシュート数を紹介します。

  • G大阪戦:3

  • 福岡戦:4、2ゴール

  • FC東京戦:4、2ゴール

  • 柏戦:2、2ゴール

ガンバ大阪戦以降安定して複数回シュートを打つことができています。
この好調の要因は偽9番として起点になりながらフィニッシャーにもなれるようになったからだと考えています。
そんなガンバ大阪戦の代表的なシーンを紹介します。

2023/5/20ガンバ大阪戦20:12~永戸のスローインからロペス落としてエウベルが右へ展開

このシーンは永戸が降りてきたロペスめがけてスローインを投げて、ロペスが落としたボールをエウベルが松原を経由して右のヤンへ展開します。
注目してもらいたいのは、相手のCBがロペスのマークを放棄してポジションに残ったことと、左サイドでロペスが降りてきたことにより4対3の数的有利ができていることです。

つまり、0トップ戦術プランA条件がそろっています
ハイライトを確認していた時、こんなにもお手本のようなシチュエーションがあるのかと興奮してしまいました笑
この後どうなったかというと、ヤンは松原と連携して右サイド崩し、その間にロペスは全速力でPAの中にポジションを取ります

2023/5/20ガンバ大阪戦20:40~ヤンが松原にパスして松原がロペスめがけてクロス

いる…ちゃんとPAにロペスがいる…( ;∀;)
このシーンでは惜しくも得点にはなりませんでしたが、シュートがなかなか打てず苦しんでいたロペスも、偽9番として覚醒得点が入るのも時間の問題になってきます。
ハイライトを見るとより理解が深まると思います1:45~くらい


そして満を持してアビスパ福岡戦を迎えます。
ついにロペスは偽9番として起点になった後ゴールを取ります

2023/5/28福岡戦7:40~永戸が降りてきたロペスにパス

サイドで追い込まれた永戸が降りてきたロペスにパスを通します。(地味にパスコースほぼないのに繋いじゃう永戸変態過ぎないか…笑)
この時相手のCBは降りるロペスについては行きますが、かなり距離がありました
このチェックの甘さがすべてを分けました。

0トップ戦術プランA発動です。
パスが通ったことにより慌ててロペスをつぶしに行きますがもう遅い。
サポートに来た上島にロペスがボールを落として前進、ヤンにスルーパスを出します。
その間ロペスはPAに全力疾走(ここ重要笑)。
最終的にヤンのクロスに起点になったロペスが合わせてゴールです

2023/5/28福岡戦7:48~ヤンからのクロスにロペスのヘッド

何がすごいってこれ、手前に西村、中央にロペス、ゴール前にエウベルって3択用意されてるんですよね、お手本のような崩しとPAの侵入だと思います。
ここ3試合の連続複数得点はこのようにロペスが偽9番のコツをつかんだことが大きいのではないかと私は考えています。
※アビスパ福岡戦のハイライトはこちら0:55~くらい

0トップ戦術プランBとエドゥのロングパス

とはいえ、ロペスといえど相手のCBにみっちりマークにつかれると厳しいものがあります。
現に柏戦ではPKと得点になったヘディングシュートの2本しかシュートが打てませんでした。
しかし、0トップにはそんな時必殺のプランBがあります
皆さん今シーズンこんなシーンを何度か見たではないでしょうか?

  • 左サイドでボールを持ったエドゥから右サイドに張ったヤンへ対角のパス

これ結構な頻度で見る割に意外と成功率高いんですよね。
これが通るならビルドアップって何なんだよって感じるかもしれません。
ただ、私はこの現象も0トップ戦術の効果なのかなと思っています。
代表的な例を挙げます

これは京都戦で惜しくもオフサイドで西村のゴールが取り消しになってしまったシーンです。
ハイライトだと少しわかりずらいのですが、多分相手の最終ラインのCBが降りるロペスを気にして少しラインが乱れているんですよね。
そのすきを狙ってエドゥがロングボールを差し込んだのではないかと。
つまり何が言いたいかというと、ロペスが降りることによってCB裏のスペースができてるのではないかということです。
ハイライトでは全体の配置を確認できないので、この考察は推測の域を出ませんね…笑
ただこのほかにもCBの後ろのスペースへのパスは何度も通っていますし、この成功率の高さはやはり何かしらの要因はあると思います。
もう一つだけ実例を取り上げますが、皆さん記憶に新しい、柏戦のエウベルのスーパートラップゴールです。

配置にするとこんな感じです。
これに関してはハイライトのリプレイがめちゃくちゃわかりやすいの見てほしいのですが(3:36で停止)
ディフェンスラインが崩れてるんですよね、その一瞬のスキを逃さなかったエドゥの判断の能力は本当にすごいと思います。

このディフェンスラインが崩れているは、ロペスが降りてCB3枚がラインを上げたのに、エウベルを気にして右SBがラインを上げきれなかったことが原因なのではないかと推測します。
つまり、0トップ戦術プランBなのではないかと。
後はエドゥがロングパスを選択するのは相手のディフェンスラインが乱れているかどうか、これがロングパスを出すかどうかの判断材料なのではないかと考察します。
このエドゥのロングパスの成功率の高さは非常に興味深いので、後半戦でもじっくり見てみたいと思います。

提言!!ロングボールを多様せよ!!

今回も今回とて長々と語ってしましましたが、ようやくタイトルの内容です。
ここまで新戦術0トップが成熟してきたよーという内容を話してきました、私が提案したいのはもっとロングボールも交えていこうぜって話です。
皆さんはアタッキングフットボールといえばハイプレス足元でつないで押し込んでってイメージかもしれませんが、現状ハイプレスは難しいですし、押し込む時間も以前と比べると短くなっているのが現実です。
これはマスカットのクレバーな面だと私は思います。
現状の戦力で相手の対策をかいくぐり勝利をつかむ
そのためにはやり方を変えることもいとわないのがマスカットやり方だと思います。
そうすると一つ疑問が生まれます
0トップ導入後にマンマークにつかれても頑なに足元でつなぎたがっている印象を受けます。
この理由がなぜなのか本当にいくら考えてもわからないんです…。
結論私はもっとロングボールを多用すべきだと思います。
要は、

  • プランAでCBがロペスに食いつかないなら数的有利を作って前進

  • CBがロペスに食いつくならプランBでロングボールをガンガン蹴る

これを決まり事として、定めておいて相手の嫌がることをとことん突き詰めれば、より戦術の完成度が高まると思います。
マリノスには後出しじゃんけんできるだけのクオリティのある選手がそろってますからね。
もちろん相手も3バックにしたり、中盤の数を増やしたり、色々対策をしてくると思います。
その対策に対してどうするのか?これを考えるのが監督の仕事ではないでしょうか?
アンジェ時代から感じているのですが、マリノスは少し選手のアドリブ力に頼りすぎだと思います。
マスカットになって改善傾向にありますが、一定の決め事があるかないかで選手のやりやすさは変わってくると思います。
ロングボールが相手のウィークなら足元にこだわらずガンガン使っていく、そういうクレバーさは必要だし、マスカットはそれを理解している監督だと思います。
皆さんはどう思うでしょうか?意見を聞かせてくれたらうれしいです。

まとめ

読んでいただきありがとうございました!
今回の内容をまとめると

  • 0トップ戦術の導入は大成功!日に日に精度が上がっている!

  • ロペスは偽9番として覚醒!

  • エドゥのロングパスの異常な成功率は0トップの恩恵…?

  • ロングボールはもっと使うべき!その時々でクレバーな選択を!

さんざんロペスを持ち上げてケンユーさんのダメなポイントを指摘した私ですが、実はロペスも偽9番になれるまでスタメン4試合分くらいかかってるんですよね…笑
彼の名誉のために補足すると、この出場時間で慣れろって方が正直酷だと思います。
次回の内容はまだ決まっていないのですが、守備面での課題と、選手ごとに思ったことをまとめたいなと考えてるので、来週あたりにまた記事を公開しようと思います!
皆さんの感想や意見もまた聞かせてください!
それではまた!!


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