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道端の花の名前を僕はまだ知らない
道端を散歩しているといろいろな花に出会う。
街路であったり家の庭であったり、それはさまざまな道端に咲いている。
育てているというよりは、あきらかに勝手に育って勝手に育って咲いている花もあったり。
と、意図的であれ偶発的であれ、花はまちに咲き誇っている。
自分は花に詳しいというわけではないためか、これまで「ああ、花が咲いているな」とくらいにしか思わなかったが、ふと思ったのだ。
「そういえばこの花、いつも咲いているな」
思い返せば春になるあたりから咲いていたような気がする。そして冬になってもまだ咲いている。つまり、ほぼ一年じゅう咲いている。
で、あらためて思ったのだ。
「この花、なにもの?」
いったんそう思うと気になって仕方がない。
というわけで道端でみかける花について調べてみた。
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ひとつめはこの小さな花。複数の色がまるで打ち上げ花火のようである。はじめてみたときキュートな花だなあと思った。
そこここの道端でもみかけるだけではなく、庭先に咲いていたりもする。わりと大きな株になっていて咲き乱れている姿は愛らしい。
すごく特長的な花だったので正体はわりとすぐに判明した。
名前 ランタナ(和名 七変化)
学名 Lantana camara
原産 中南米
あまりにも生えまくっていて、でも昔はみかけなかった花でもあったので、「こいつもしかして…」と思ってはいたが、案の定外来種だった。
庭先でのコントロールができているならキレイでいいけれど、どうやらそういうわけにはなっていないようす。まあ最近みかける花はほぼすべて外来種だよなあ。
花自体は可愛いんだけどね。種に毒もあるとのことで、小悪魔的な? 悪役令嬢的な? そんな印象である。
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こちらも道端でみかける花である。
涼しげなピンク色で個人的にはわりと好き。
ひとつの花がかなり大きめ。樹形は低木で、道路の植樹帯でみかけることも多く、おそらく意図的に植栽されたものだろうと思う。
ただ、こんなことには植えないだろうというところに、ひょいと咲いていたりするので、どういう経緯でそこに居ついたのかと気になっていた。
名前 フヨウ(芙蓉)
学名 Hibiscus mutabilis
原産 中国原産
街路樹としてよく用いられるらしく、自分がみかけるフヨウも街路樹として植栽されたものだろう。そのあと鳥やリスによって種が散布されたのではなかろうか。
なお、フヨウは変種などが多く、この花もただのフヨウなのかどうか、正直自信がない。
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こちらはそんなに多くはみかけない花である。フヨウに似た花形なのだがサイズは小さめで葉の形状も異なっている。
名前 タカサゴフヨウ(高砂芙蓉)(和名 矢の根梵天花)
学名 Hibiscus hastata
原産 南米
はじめてみたときは可愛い花だと思ったけれど、見慣れてくると中心部分の濃厚な赤色や花弁の裏側の赤い筋などがあまりにもどぎつくてちょっと怖く思えてきた。
魔族やヴァンパイアがイキったときのような感じといえば伝わるだろうか。
そんなわけでいまはそんなに好きではない。
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最後の花はこれ。
これだけはいまだに何の花かわかっていない。全然あたりがつかない。
色や形状から一番近いのはラベンダーなのだが、直感的にはあくまでも似ているだけでそれではないと思っている。
そもそも早春から初冬まで咲いているのだ。ラベンダーのはずがないだろう。
とある道端に咲いている花なのだが、実のところ、そこ以外でみかけたことがない花でもある。だからなんでここに生えているのかの推測もできない。
よくながめるとラベンダーとは花のつきかたが違う。葉の形はかなり近いのだけれど。
ラベンダーの近隣種なのかもしれないとは思いつつ、図鑑を何冊もひっくりかえしても判明しない。いったい何の花なんだろう。
あらためて花の名前を調べてみようと思ってもかなりと難しいということが思い知らされた。似ているけれど違っているとか、似ていないけれど実は同種だとか、混乱することばかり。
ただ、調べること自体は楽しかったのも正直な感想である。基本的に研究者気質なのだろう。
まちでみかける花はまだいくらもある。そういう花の名前を知っていくことも楽しい時間の使いかただ。
初出 25年1月4日