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【鑑賞日記】東山魁夷と日本の夏展を観に行った
東山魁夷と日本の夏 @山種美術館
山種美術館所蔵作品による2部構成の企画展でした。
前半が東山魁夷作品群。後半は江戸期から現代までの画家たちの夏を感じさせる作品群と、ぶっちゃけあまり脈絡のある構成ではなかったのですが、そこはあまり気にせず楽しんでね、ということなんでしょう。
東山魁夷の作品では、京都の四季をモチーフにした4連作「京洛四季」がやはりすばらしかったです。
春の曙の具合や夏の川の流れの様子など、東山作品らしい清廉さと静謐さをもって景色を切り取っていました。
自分は秋の紅葉、冬の薄暮の(?)街並みが特に素敵だなあと思いました。
東山魁夷は青色による表現が著名ですが、青だけではなく、それを際立たせるための白の置きかた見事なんだなあと思います(正確には青混じりの白というべきでしょうか)、今回それを強く感じたのは蔵を描いた作品と樹氷を描いた作品で、まさに白と青の情景が、これぞ! という感じ。
一方、大作「満ち来る潮」は金や銀をとりまぜて描かれていて絢爛ですが東山の真骨頂からはちょっとずれているかなあとも感じました。
後半は、ざまざまな夏の風景が並んでいました。自分としてこころにいちばんヒットしたのは歌川広重の「名所江戸百景 大はしあたけの夕立」でした。雨の描きかたと構図の妙がね、実によかった。
山種美術館はさほど大きい美術館ではありませんが、そのぶん厳選された良品をちょうどいい数で展示している印象で、今回もそんな感じ。日本の美を堪能した次第です。