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【鑑賞日記】D'après une histoire vraie-本当にあった話からを観に行った

クリスチャン・リゾー「D'après une histoire vraie—本当にあった話から」@京都芸術劇場 春秋座

KYOTO EXPERIMENT 京都国際舞台芸術祭 2024のプログラムのひとつ。

ドラムとダンスという組み合わせによる舞台ということで、ロック的なものを想像していたのだけれど、そうではなかったのでした。

普段街なかに普通にいるようなTシャツにジーパン姿のダンサーたちが、まずはじめは無音のなかで、続いて抑えた調子のドラムをBGMに踊りはじめます。ダンスをはじめます。
それはダンスという作為/振付を感じさせる踊りというよりは、身体がひとりでに動き出してしまう。そんな感じのダンスです。

ドラムもはじめはきちんとしたリズムを刻むようなものではく、現代音楽的にも思えるもので、このパフォーマンスはきっちりと心地よいダンスとミュージックではないと思わせるのでした。

ドラムが奏でる音はいくつものタイプの異なる音楽を描きます。
それにあわせたダンスは、その音に合わせつつ、しかし、しっかりとコントロールされた動きというよりはラフな高揚感をもった踊りが繰り広げられています。
ダンサーたちは手をつなぎお互いを振りまわす円運動であったり、手を離して舞台上を大きく移動したりというラフなダンスを展開します。それはまるで分子が自由に動きまわる様子のようでもありました。
ラフといっても舞台上を行き来するダンサーが接触するようなミスがないのはやはりプロダンサーということでもあり、そういう振付なのだろうなあ。

総じて感じたのは、これはコンテンポラリーとPOP、あるいは大衆的なダンスのちょうど中間あたりの振付だなあということです。
コンテンポラリーというよりは、ドラムの高揚感を表現したダンスという言葉のほうが適切なのかも。

観終わってみれば、不思議な高揚感が残る、そんな舞台公演でした。

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