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【鑑賞日記】仮面絢爛展を観に行った

仮面絢爛ー中世音楽と芸能があらわす世界ー @神奈川県立歴史博物館

仮面がテーマの企画展なのですが、仮面そのものの説明よりも、それが存在する社会背景、仮面と結びついている音楽や舞踊による政治的利用を中心に構成されていました。

確かにかつては、政は宗教的世界観と表裏一体なもの。仮面の解説という表層から一歩進めた企画は実に興味深い切り口だと感じました。

さて、自分にとって仮面とは、たとえば御霊神社の面掛け行列のような神事由来、二十五菩薩練供養のそれをまずは思い浮かべます。あるいは蘭陵王など能楽の面でしょうか。

本企画でもそういう仮面も展示されていますが、一推し的にフィーチャーされていたのが鬼の面でした。

鬼来迎という仏教劇とそこで用いられる多くの面。異形の面の面白さが非常に興味深いです。
そしてそれ以上に鬼来迎なる儀式は初耳で、そういうものがあるのかという驚きと、まだ観るべき、知るべきものがあるんだという喜びを感じました。

展示では、時代の変化によってお面の本来持つ意味がいつの間にか別解釈というか、その時代や土地に合わせて別の運用に変わっていく事例も説明されていました。ただ、こちらは今ひとつピンとこなかったです。いうほど別解釈ではないのでは? と思ったからでしょうか。

ところで今回、ボランティアによる展示解説に参加してみました。
約45分かけて展示の説明を聞きながら会場をみてまわります。

正直なところ、解説でなければ知ることのできなかった話はありませんでした。ですが解説板だよりの鑑賞だと飽きたり疲れたりして読み飛ばすこともあります。
展示解説だと、うまくペース配分してもらいながら説明してもらえ、見落としや解釈間違いがなくなるんだなあということを実感しました。

展示解説の意義や魅力はそういうところにもあるんだななと思いました。

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