【鑑賞日記】壬生狂言 秋の公開を観に行った
壬生狂言 秋の公開 @壬生寺
壬生狂言を観るのは2年ぶりでした。思ったよりも観に行ってますね。それでも失念していることも多くて、その際たるものが公演の時間感覚。
ひとつひとつの演目がだいたい1時間くらいの長さでした。
そんなに長かったっけ? 30分くらいじゃなかった? あとで数年前の記録を確認したらやっぱりそのくらい長かったようです。
演目は全部で6つが予定されており、単純計算で6時間。
公演予定時間が13時〜17時30分という公式はいったい…
「炮烙割り」
見どころはクライマックスの焙烙の崩落。一気に焙烙を舞台下に落としていきます。その様子に観客からはワーッと歓声が上がるし土埃も上がります。
自分的にドキドキしたのは崩落を崩すシーンではなく積み上げるシーン。幼少の演者?お手伝い?が舞台の縁に焙烙を積んでいくのですが、ついうっかりをやらかしてしまいそうで気が気ではありませんでした。
奉納された炮烙が割られることで奉納者は厄除開運が得られるという信仰があるそうで、この演目だけを観終えて帰るひとが数名いて、やはり芸能であるとともに宗教行事でもあるということをあらためて感じました。
「土蜘蛛」
渡辺綱と平井保昌が蜘蛛との戦いに臨むときに、一息で羽織を脱いでタスキを掛ける所作がかっこよく、あちこちで感嘆の声が上がっていました。
何度もくりかえされる蜘蛛の糸の攻撃。蜘蛛の糸が袖に引っかかるせいか、なかなかきれいに飛ばなくて苦労しているのが面白かったです。
最後に観客に向けての攻撃は見事にきまりました。
蜘蛛の糸も持っていると厄除けになるそうで、そこかしこで白い紙糸を手繰っているひとがいたのはそのせいかと思いました。
「賽の河原」
この演目を観たのははじめて。
亡者?が終始震え続けているのですが、たぶん子どもであろう演者がなんともがんばって震えている感じの仕草で、観ていてほっこりし、また応援する気持ちになります。
「山端とろろ」
定番の滑稽ばなしですね。
店の主人と奥方が寝入るシーン、2人の距離の近さににちょっとドキッとします。狂言での演技って隠喩的だから。
クライマックスの全員がとろろで転びながら舞台をはけていくシーンは最後の最後までやりきる感じがなんか微笑ましいというか狂言らしいというか。
このあと、演目は「蟹殿」「棒振」と続くのですが、自分はこのあとの時間都合があってここで残念ながら退席しました。
ノンバーバルな芸能については以前から関心があり、そういう視点からも壬生狂言をはじめとする大念仏狂言には強く惹かれています。たぶんこれからも観にくるんでしょう。
そのときは、壬生寺だけじゃなく、清凉寺や千本ゑんま堂、神泉苑で観たいかなあ。