【鑑賞日記】運慶展 運慶と三浦一族の信仰を観に行った
運慶展 運慶と三浦一族の信仰 @横須賀美術館
地階展示室の一室入口には厚手のカーテンがかかっていて、これが企画展会場の仕切りになっていました。
映像作品の明かりが漏れないようにする展示ではよく見かけますが、企画展会場を区切るための方法としては斬新だなあ、と思いながら中に入ります。
ほう、あるいは、ひゃあ、という声が思わず口から漏れてしまいました。
目の前にいきなり阿弥陀如来坐像がおりました。
もちろんその両脇には脇侍の観音も。
全身、鈍い金色です。光っているわけではないのですが、内なる光を感じ図にはいられない。そんな姿でした。
我々よりも大きいため目線も高い位置になります。こちらを無言で見下ろしているのですが、無言であってもなにかを語りかけてくるような気がしました。だから、息を呑んだのかなあ。
室内にはさらに不動明王像・毘沙門天像もおりましたが、やはり中央にいる如来の存在感が半端なく強い。圧倒的です。何度も見返し、そして部屋を出ては再度戻り、ということを繰り返してしまいました。
ところで、5体の仏像の台座が非常にしっくりくるつくりだったのですが、これって浄楽寺のものなのでしょうか。次に浄楽寺に出向いたときに確認しようと思いました。
今回の企画展は浄楽寺以外からもいくつかの仏像がやってきており、どこにいるのやらと探してみたらカーテン区画の外にいらっしゃった。
清雲寺の観音菩薩は面立ちが独特。つるんとした卵のような緩やかな楕円形のお顔です。
横からみると頬がふっくりとしていて、正面からみるとそれがつるりとした印象を生んでいるようです。
なんか妙に惹かれる顔だなあ。なんかどこかでみたことがある顔だなあ。
そう思いながらみていたらピンときた。
宍戸錠だ!
それに気づくと、さらに親近感が増すのでした。
企画展規模はコンパクトでしたが、実にいい出会いとなりました。