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【鑑賞日記】CLAMP展を観に行った

CLAMP展@国立新美術館

CLAMPは、自分にとっては不思議な漫画家です。嫌いではない、というかとても好きな作家なのですが、マンガも(アニメも)最後までたどりつかず未完となるのです。
理由があるわけではないのに、途中で追うのをやめてしまう作家なのです。

たとえばいちばん最初に手を出したレイアースは、面白いと思っていたのに3巻あたりでとまっています。
ANGELIC LAYERやちょびっツも1、2巻でストップ。カードキャプターさくらもかなり強く推していたのに…  いついか読もうと思って読んでないパターンです。

なので今回の展覧会でそのへんの理由がみえてくるといいなあと思ったのですが、やっぱりわかりませんでした。そらそうか。

さて、時代ごとに並んでいる展示をみて。

CLAMPの画業を見ると商業誌デビューが1990年頃。作風も当時の流行の絵だし、そうやってすこしずつ自己のオリジナリティを獲得していくんだよなあ。

なんてことをまずは感じたのですが、その考えはあっという間に打ち消されました。

同時期に描きはじめた作品では、すでにいまのCLAMP的な絵なのです。

ようするに作品ごとに作風を微妙に変えているということなのでした。展覧会の解説にもそう書いてありましたよ。でもひとってそうそう絵柄を簡単に変えるなんて普通はないじゃないですか。これにはちょっと驚かせられました。

これってたぶんCLAMPが4人体制での作家集団で、しかも作画担当が複数人もいるからこそなのでしょう。そしてそのうえで誰が描いたとしてもCLAMPらしさは変わらず残る。凄いと思いました。

会場ではカラー原画のほうに観客は集中していました。それはそれで凄いとも思ったのですが、第2幕以降のモノクロ原画のほうがCLAMPらしさを紐解くことができるのでは、と感じました。

美麗で装飾的なコマ割が、印象的で大胆な構成なのです。今回展示されたものが特にそういうものを集めたのかもしれませんが、見開きを前提としたコマ割をしていることが明確です。
このような装飾デザイン的なコマ割であることが、もしかすると読みづらさになって最後まで読みきれない理由なのかも。とも思いましたが、それはちょっと想像が過ぎるでしょう。

なお、XXXHOLiCコマ割だけは他と比して非常にシンプルな構造になっており、作品ごとの作風を画面構成もコミで構築するという、ひとつの戦略、差別化、チャレンジングなこだわりがあるんだろうなあ、と思いました。

ところで、CLAMPは4人で構成された創作集団ということは誰もが知るところとですが、本展ではそにれについての言及はほとんどありませんでした。もうちょっと創作秘話的な説明があるのかな、と思ったのですが。

あくまでも作品それ自体を観て感じろ的な展覧会だということなのでしょう。

それもまたCLAMPのこだわりなのかも、と思いました。

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