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【鑑賞日記】ミュージカル『ゴースト&レディ』を観た

劇団四季「ゴースト&レディ」東京公演 @オンライン配信

東京公演千秋楽を配信で観劇しました。

実は原作は未読なので予備知識がほとんどなく、だからこそ新鮮に楽しむことができました。

まず結論的な感想ですが…  ものすごくよかった… ここまで心を揺さぶられるとは思っていませんでした。
ラストは思わず涙がこぼれてしまいましたよ。涙腺が緩くなったといえ、マジ泣きするとは。

それもこれも、熱くて切ない富士鷹ジュビ、じゃなくて藤田和日郎節が炸裂していたから、とか書けばおさまりよい感想なのでしょうが、そこまで考察分析できるような観劇者ではないのでないので、これは戯言レベルですね。

ただ、異形の存在とのバディストーリーということで「うしおととら」をちょっと思い出したりはしました。

物語そのものについては原作ありきなので、このミュージカルがどこまでオリジナリティが加味されているのかは分かりません。そもそも前述のとおり原作を読んでいないし、さらには史実についても知らないのです。
だから、ストーリーについての感想は控えておきます。

ここで記しておきたい感想は、演出の妙について、です。

登場人物がゴーストという存在ということで、非常にケレンに満ちた特殊効果を使用していたのが特長的でした。

たとえばグレイが壁に消えていくシーン。照明の効果もうまく活用しながらまさに溶けていくような演出で視覚的にも感情的にも強いインパクトを感じました。

また、人が死んで霊体が離れいくシーンの演出も、たぶん、ザ・たっちの「幽体離脱」だと思うのですが、あたかも霊体が抜け出していく様子を表現していました。

ゴーストが宙に浮くシーンもワイヤだけじゃない手法を使っているようにみえました。

などなど、大仕掛けから小技まですごくうまく仕掛けられていました。そしてなにより、それらの特殊効果がわざとらしい演出で悪目立ちすることなく、物語の展開のなかに自然に使用されていて、劇に対してより一層の没入感を生み出していたように思いました。

カーテンコールでは、(千秋楽の高揚感もあったのでしょうか)主人公のふたりが仲良く抱擁し、キスという姿を観ることができました。
これは、役者からのサービス、サービスなのだとは思いますが、自分は物語の余韻が抜けきれておらず「ああ、ふたりはハッピーエンドを迎えることができたんだなあ」と想像/妄想するしかなく、それは素敵なギフトとなりました。

最後に。ビクトリア女王のシーン。もっと重厚で荘厳な感じの登場なのかと思いきや、ものすごくノリノリで濃いい感じで歌い抜けていったよね。ある意味マンガ的な過剰さで、自分としてはものすごくツボにハマりました。

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