【鑑賞日記】キース・ヘリング展を観に行った
「キース・ヘリング展 アートをストリートへ」 @森アーツセンターギャラリー
自分にとってキース・へリングといえば、”あの絵柄のアーティスト”のイメージで、これまでも何度となく展覧会に行っていた記憶なのですが、この記憶がいささか怪しくて、彼の作品があまりにも日常の中にあるために展覧会に行ったという勘違いをしているのかも。
とまあ、それくらいにキース・へリング作品は世間にあふれているわけです。たとえば日本の超メジャー某アパレルメーカーのアートTシャツとかね。うん、確かに自分も1枚くらいは持っているかも。
ただそれってTシャツでアートを身に着ける楽しみはあるんだけど「なんとなくオシャレだしね」という気楽な感覚がアートの受容としてどうなんだろう、軽すぎはしない? という内省もあったのですよ。
が、今回の展覧会で、ヘリング自身が「アートに触れる機会を大衆に」という思想があってそれが今も生き続けている証だよね、ということに思い至り、自分の考えの浅さを反省しました。
作品のイメージが世間にあふれているにもかかわらず、あるいはだからこそ、ヘリング本人のことは知っていなかった、というのもあり。
活動期間が10年程だったということには驚きでした。
早逝の作家であることは知ってましたが、本当に短い期間だったんだ。
また、彼はグラフィティアートからアートの世界に入ったと誤解していたこともすごく恥ずかしかった。アカデミーを経由してのサブウェイドローイングだった。とか。
そもそも生きていたとしたら自分と同時代の(正確にはちょっと上の世代の)アーティストだったことにも驚き。もっと若い世代かと思ってました。
てなわけで今回、作品群を俯瞰して鑑賞できたことで、いろいろな思い込みで捉えていた不明がクリアになったのはよかった。行ってよかった展覧会でした。