中日ドラゴンズ 来季クローザー論
はじめに
今季ドラゴンズには1つ大きな穴が空いた。
そう。9回の絶望「ライデル・マルティネス」の別れである。
8年間在籍し、ドラゴンズの9回を任され毎度のようにスコアボードに0を刻んでいた彼が来季からは読売ジャイアンツに4年総額50億円超の破格な規模での入団となった。
ドラゴンズも彼の移流を阻止すべく歴代球団最高額である4年40億を提示し誠意を示したが願いは叶わなかった。
今回は元ドラゴンズの9回を担っていた
ライデル・マルティネス。
彼への想いを込め、今までの経歴、
そして彼の穴を埋める存在を紹介しよう。
前提 ライデル・マルティネスとは
まず今までのドラゴンズのクローザーとして活躍したライデル・マルティネスについて紹介しよう。
・現在に至る経歴
キューバ国内リーグ時代
キューバのピナール・デル・リオ州出身。
この地区は野球が盛んで、ソフトバンク「リバン・モイネロ」やWBCメキシコ代表「ドヤ顔キャッチ」でお馴染みシアトル・マリナーズ「ランディ・アロザレーナ」(亡命)などが同地区におり、地区でチームが分けられるキューバ国内リーグではかなり知名度の高い選手が多い。
WBCなど国際大会ではキューバ代表として選出。
NPB経歴 〜激動の7シーズン〜
2017年オフ
2月26日 ライデル・マルティネス 中日入団 背番号211
2018年
4月19日 支配下登録を勝ち取り背番号は97に変更された。キューバ代表での抑えでの経験からクローザー登板。
7登板 0セーブ 防御率6.65
2019年
6月11日 vsオリックス戦来日初セーブを記録
43登板 14セーブ 防御率2.66
2020年
契約更改で2年1億2000万の契約。10月2日 vs横浜戦球団最速記録となる161km/hを記録した。同月17日には24イニング連続奪三振(セリーグ新記録)を樹立。
43登板 8セーブ 防御率2.66
2021年
本格的に抑えに就く。23セーブ、防御率2.06を記録。契約更改で2億3年契約で残留し、背番号は92に変更
49登板 23セーブ 防御率2.06
2022年
球団歴代三位となる28試合連続無失点を記録初のオールスターゲームに出場し、第2戦に登板。56登板 39セーブ 防御率0.97自身初のセーブ王獲得2023年第五回WBCキューバ代表に選出。5月6日 vs巨人戦で通算100セーブ達成。
2年連続オールスターゲーム出場。161km/hを記録。NPB記録歴代3位となる36試合自責点0、歴代2位タイとなる44試合連続自責点0を記録
48登板 32セーブ 防御率0.39
自身初となるセーブ王獲得
2023年
第五回WBCキューバ代表選出。
5月6日 vs 巨人戦で通算150セーブ達成。
オールスターゲームに出場し自己最速161km/hを計測。
NPB記録歴代3位となる36試合自責点0、
NPB歴代2位タイとなる44試合連続自責点0記録。
48登板 32セーブ 防御率0.39
2024年
プロ野球史上19人目、育成選手初となる通算150セーブを達成。
WBSCプレミア12キューバ代表選出。
60登板 43セーブ 防御率1.09
2度目となるセーブ王獲得
中日ドラゴンズ退団
2025年
NPB最高額年俸となる推定4年総額50億円超の契約で読売ジャイアンツ入団。背番号92。
この凄まじい経歴を見るだけでどれだけの名選手であるか分かるだろう。それだけでは無い。
ドラゴンズ愛
彼は経歴ではなく凄くドラゴンズに対する忠誠心が存在したのもファンに好かれていた要因だろう。
24年での移籍市場ではドラゴンズの選手との別れで涙を流すシーンも見られ、ファン、選手と共にライデルマルティネスはドラゴンズと相思相愛であったといつまでも確信している。
本題 ドラゴンズの9回担う投手は誰だ
本題に移ろう。
今回は前回より
更に成績や指標を織り交ぜながら考えていく。
・清水達也
守護神候補の1人。まずは清水達也を解剖する。
2017年、花咲徳栄高校からドラフト4位指名を受け入団。
先発としての起用だったが2022年から本格的に中継ぎに転向。
今季は主に七回のマウンドを任され、60登板、3勝1敗36ホールド、防御率1.40を記録
150キロ超のストレートとフォークを武器とし、奪三振率は8.07と三振奪取能力も高い。
前半戦の防御率は脅威の0点代を記録。
WBSCプレミア12に選出され、無死満塁を無失点で抑えるなどの活躍をした。
・松山晋也
続いて守護神候補二人目、松山晋也投手を解剖する。
2022年、八戸学院野辺地西高校から育成ドラフト1位指名を受け入団。
翌年2023年にはウエスタン・リーグでの好投で支配下登録。
デビュー戦の日本ハム戦では三者連続三振を奪取するなど頭角を現した。
今季はセットアッパーとして大活躍。
59試合で2勝3敗、防御率1.33、41ホールドを記録、阪神・桐敷とともに最優秀中継ぎのタイトルを獲得した。
清水と同様、150キロ超のストレートとフォークのコンビネーションがメインだが奪三振率は清水を上回る9.44を記録。また松山の長所はプロ入りから本塁打を打たれていない事である。
その他
来季は清水、松山の二人のどちらかが主軸となり、守護神を務めるであろうが、その他にも守護神を担えるであろうポテンシャルがある投手が数多く存在する。
・根尾昂
長年龍の至宝として期待が掛かる根尾昂。
守護神争いのダークホース的な存在であるだろう。
投手転向時は中継ぎに配置され、154km/hを計測するなど好成績を残したが、
本格的に先発への配置転換が決まる。
結果としては一軍でははっきりしない成績に終わってしまった。
今季は井上監督の意向で中継ぎでの起用。
リリーフとして発揮されるポテンシャルは目を 引くものだ。
・藤嶋健人
守護神争いを語るなら彼も忘れてはならない。
新選手会長 藤嶋健人。
「便利屋」と称されどんな状況でもマウンドへ向かい打者を抑える彼は、今季三年連続50登板を達成した。
本人は守護神に大きな興味を持ち、「脱・便利屋」を掲げ、出力を大幅増加。
その他にも
変則サイド左腕の齋藤綱記 や
転向後覚醒を遂げた剛腕リリーバー勝野昌慶
など、大穴が空いた9回を視野に入れる選手は多数いる。
結論 来季の守護神は?
現状、来季の9回を担うであろう人物は
この2人のどちらかだろう。
清水達也
松山晋也
巷でもこの2人が有力だが1人に絞るとしたら
松山晋也
彼が守護神を担うであろうと予想する。
先程述べた通り、松山は今季最優秀中継ぎのタイトルを獲得した事や、指標に注目しても清水よりも奪三振率や被本塁打数(むしろ0)が優秀である。
更に清水達也には現在不足している先発投手へのポテンシャルを秘めていると考えている。
清水達也は元々先発投手としての意向であり、
指標を見ても、ゴロを打たせる能力が高く、ゴロアウトの総数をフライアウトの総数で割って算出する「GO/AO」は12球団トップクラスである。
他にもストレートの平均球速が150km/hを超える事や中継ぎを経験したことによるストライク率の向上。イニング平均球数も素晴らしい成績を記録。
中日の先発投手事情を考えると清水達也の先発転向はチームを良くする効果があると思う。
松山晋也の守護神配置はライデルマルティネスを超える可能性を秘めた長年稼働できるクローザーが誕生するかもしれない。という事である。
まとめ
長年磐石なクローザーとして稼働したライデルマルティネスの退団により守護神争いの課題が生まれたが個人的意見は松山晋也の守護神配置転換を期待する。
ライデルマルティネスの退団は決して悪い事のみではない。
現在の様にクローザーという位置が空いたため、より様々な選手のクローザーとしての意欲が高まっている。
このような競争がチームを相乗効果による強くするポイントでもあると思っている。
「ピンチはチャンス」。
来季の守護神はいかに…!