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私は空が好きだ。
しかしそれは最近のこと。
昔は特に興味はなかった。
それが今では、学校に行く前に一枚、学校終わりや塾に行く前に何枚か写真を撮るくらい好きになった。

なぜ自分が空を見上げるようになったのか、きっかけを思い出したので書き残しておく。

数年前、学校の校外学習で紙漉き職人の方のもとへ行った。
紙漉きの体験をさせてもらい、褒められた記憶がある。
その後見せてもらったのは
布で作ったかのような紙の作品たち、
思わず誰かに手紙を書きたくなるような便箋。
そして、部屋の3分の1を覆うほど大きな空色と白の混ざり合った紙。その紙は本当に空そのもののように感じたことを今でも鮮明に覚えている。
その紙を眺めていると、その職人さんは
「君は、空を見るかい?」
といきなり私に問うた。
「少し?」
と答えると
「この紙はこの街の空だ。君の街の空はまた全然違う。他の街の空も全く違う。空を見なさい。」
と言った。
その時、空は世界で繋がっていてそれも隣町の空と私の住んでいた街の空がそんなに違うとは思えなかった。
でも、そう言われてから帰って見た空はなんだか青の色が、雲の柔らかさが、空気が違う気がした。

それから、毎日のように空を眺め
他の街に行っても空を眺め
旅行先での写真も空を収めることが多くなった。

空を見ることで何か利があるわけではない。
心が休まるかと言われると何か違う。
でも、空の美しさに心を奪われているくらいが人生ちょうどいいと思っている。

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