◆3番(佐伯利彦君)
(登壇) おはようございます。西条市民クラブ、佐伯利彦です。
通告に従いまして、一般質問を1ついたします。
キウイフルーツの産地維持に向けた取組について、質問いたします。
愛媛県は、キウイフルーツの生産が日本一です。市内の3つのJAのうち、JA周桑とJA東予園芸ではキウイフルーツの生産に力を入れていて、本市はキウイフルーツの生産の盛んな地域となっています。特にJA東予園芸が2001年ゼスプリ・インターナショナルと栽培契約を交わし、生産を始めた果肉が黄色いゴールドキウイ、通称ゼスプリゴールドという品種については、全国で3か所しか栽培していません。その中でゼスプリ西条として有名になりました。
ところが、2014年、キウイフルーツのかいよう病が発生して伐採を余儀なくされ、生産量は激減し、現在も減り続けています。このままでは数年後にゼスプリゴールドという品種は、かいよう病により壊滅すると言われています。
そこで登場するのが、現在、生産が始まっているサンゴールドという品種です。この品種は、かいよう病に対して抵抗力があり、かいよう病発生地帯でも栽培可能と聞いています。
本年3月、JA東予園芸によりますと、ニュージーランドの生産法人と連携して農業生産法人を設立し、キウイフルーツかいよう病Psa3系統への耐性が強い新品種の大規模生産に乗り出すということでした。年内に丹原地区で10ヘクタールのモデル園地を設け、5年以内に150ヘクタール規模へ広げる計画。かいよう病で大きな被害を受けた産地の再生を目指すということでした。
ここまでの事情は、本年3月19日の地元新聞に掲載されたので、ご存知のかたも多いと思います。
現在は、農業生産法人株式会社イーキウイが設立され、生産に向けた動きが始まっています。農地所有適格法人の資格を取り、用地交渉に乗り出しています。候補地は、耕作放棄地、荒廃園、高齢により農業生産をやめるところ、後継者や担い手のいないところを中心に交渉していると聞いています。
また、生産意欲のある農家においては、地域ごとの園地が面積要件を満たせば、そのグループごとに参加を認めることや、若い研修生や従業員の雇用もされると聞いています。丹原地区の果樹園地帯にとって、良いことだと私は考えます。
西条市として、外国資本の生産法人についてどう考えられますか、見解をお聞かせください。
次に、生産量日本一の維持に向けた取組について、伺います。
農業の世界も競争社会です。今回の事例が成功しなければ、宮崎、福岡、佐賀、大分、熊本、山口と、たくさんのライバルが待っています。日本一を狙っています。既に宮崎県都農町では、今回、株式会社イーキウイと同じく、ニュージーランドの生産法人ジェイス・インベストメンツと提携して日本法人、株式会社マイキウイを立ち上げ、15ヘクタールのサンゴールドの生産を始め、既に今年販売が始まっています。負けるわけにはいかないと思います。愛媛県が日本一の座を守り、西条のキウイフルーツが日本一になってほしいと考えます。
しかし、ただ待っているだけでは日本一にはなれません。市全体で応援する気持ちが必要と考えます。一営利団体を市が応援するのかという声もあると思いますが、大企業や会社、または大学を誘致する場合、土地を確保したり提供までして誘致することがあります。生産法人ジェイス・インベストメンツは、年商260億円の法人と聞いております。会社を誘致すると考えれば、応援することも可能と考えます。
これまでにも県や西条市は、キウイフルーツ生産に対していろいろな施策を行ってきました。1つ目に果樹経営支援対策事業、これは国の基金事業です。2つ目に次世代につなぐ果樹産地づくり推進事業。3つ目にキウイフルーツ生産力強化事業。2つ目と3つ目は県単独事業に市も出資するものです。このほかにもキウイフルーツの最新式選果機導入に対して補助金を出していただきました。かいよう病発生のときには、農薬や消毒剤の提供、キウイフルーツ花粉の検査費用の補助、樹体共済設立の協力援助など、さまざまな面において国や県、特に西条市には、キウイフルーツの産地維持にたいへん力を入れていただいていることに、ありがたく感謝しています。
ただ、この度、株式会社イーキウイが行う樹園地の集約は、かなり大がかりなものだと聞いています。果樹園の基盤整備や農道水路の付け替えなども発生すると予想されます。そういう面での市の協力やご指導もお願いしなければならないと思います。
私も宮崎県都農町に現地視察に行きましたが、巨大な電信柱のような柱を園地に立て、全面を丈夫なネットで覆ってしまうのです。地面はできるだけ平らにならしますが、水田のように水平を保つのではないので、ある程度の高低差はあります。全面をネットで覆うのは、台風を想定して風からキウイフルーツを守るためです。宮崎県も台風の多いところですが、都農町では、そのネットで風速40メートルにも耐えられたとおっしゃっていました。
株式会社イーキウイが生産を始めるには、まだまだいろいろな制約や法律を越えていかなければならないと思います。ぜひ成功して、サンゴールド西条として、日本一に輝いてもらいたいと思います。
次に、市が描くキウイフルーツ産地としての将来像について伺います。
生産法人ジェイス・インベストメンツの説明によると、ゼスプリ・インターナショナルはフランス、イタリア、韓国、日本にキウイフルーツの生産圃場があり、世界で2,000ヘクタールの園地を持っているということです。生産法人ジェイス・インベストメンツはニュージーランドで600ヘクタール、キウイフルーツ3万トンを生産しているということです。ただ、ニュージーランドは南半球のため、6月から12月の半年間しか販売ができません。どうしても店頭からキウイフルーツが消える時期があります。一年中、キウイフルーツを店頭に並べるためには北半球で生産する必要があります。だから日本で生産するのです。
キウイフルーツは、果物の王様である。おいしさ、栄養価、健康食、これに食品の安全性を加えれば、まだまだ世界中に販売できると考えています。食品の安全性をアピールするために国際認証規格を利用することが必要です。ということで、JA東予園芸では、2010年にJGAP、2017年にSQF、セーフ・クオリティ・フード、安全で高品質な食品という意味の頭文字をとってSQFといいます。それの国際認証規格をキウイフルーツ選果場において取得したということです。
何を説明したいのかといいますと、キウイフルーツはまだまだ生産量が増えても販売できるということ、世界市場に打って出ることができる可能性があるということを言いたいのです。まだ実を収穫できるのも数年先で、本格的な生産も始まっていないのに夢みたいなことを言って、と笑われるかもしれませんが、今までこの夢のような話が農業でできることがありませんでした。若者が夢を語れるような農業が、この西条市から生まれ出てほしいという思いで話しています。
もう一つ、夢のようなほんとうの話を言います。このニュージーランドの生産法人ジェイス・インベストメンツの取締役ヤン・ベネスさんは、元チェコスロバキアの人です。15歳のとき、移民としてニュージーランドに渡り、それからゼスプリ・インターナショナルの農場で働き、独立して生産法人ジェイス・インベストメンツを立ち上げ、今年47歳、年商260億円の会社の社長になったということです。
愛媛の頭文字のEをとってイーキウイと名付けられ、この西条市で立ち上がった生産法人が成功して、キウイフルーツの生産が拡大していき、大規模生産のノウハウを身に付けた若者が巣立っていく、そんな姿を見たいのですが、夢の話は置いておくことにして、現在の時点で市が描くキウイフルーツ産地としての将来像について、市のご見解をお聞かせください。よろしくお願いいたします。
以上で質問を終わります。
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