iyoku|心理カウンセラー

臨床心理士/公認心理師/テキストやメディアではわからない、現場ならではの認知症について…

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臨床心理士/公認心理師/テキストやメディアではわからない、現場ならではの認知症についての情報を発信しています。 認知症を孫世代にも知ってもらうこと、セルフケアの知識と実践を広めること、若い世代の心のケアが自分のテーマです。

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孫に知ってほしい"認知症”のこと

はじめまして。 臨床心理士のなつきと申します。 突然ですが、”認知症”と聞いて、思い浮かぶ誰かはいますか。 私は、母方の祖父のことを思い出します。 優しかったおじいちゃん。 子供のころは思いっきり甘えていたのに、だんだん大人になって、大学進学を機に顔を合わせる機会が減り、気付けばなにを話せばいいかわからなくなっていました。 会わない時間の間に、少しずつ祖父が変わっていたことに、私は気が付きませんでした。 祖母が亡くなった頃から、祖父は浮かない顔は多くなり、記憶の

    • 好きなこと、言えますか?

      「大切な人の好きなことは何ですか?」と聞かれたら、すぐに答えられますか? それと同時に「あなたの好きなことはなんですか?」と聞かれたら、すぐに答えられますか? 「好きなことがわかる」っていうのはすごく大切なことです。 認知症になっても「その人らしく生きる」ためには、「楽しい」「嬉しい」を感じられる行動ができるか、そのための環境を作れるかがとても大切なことになります。 「物忘れがひどくなった」ということにとらわれるよりも、「そのとき体験できる好きなことに心を動かすこと」

      • 📚「親の介護、10年め日記。」

        随分更新があいてしまいました。 自分が、noteで、誰に、何を伝えたいんだろう…と悩んでしまい、なかなかどんな記事を書けばいいのかわからなくなってしまいました。 それでも、日々の仕事の中で思うこと、はたくさんあります。 認知症について、いろんな人に知ってほしいと思う気持ちも変わりません。 ほそぼそですが、自分の思うところを綴っていけたらと思っています。 最近、親の介護について描かれたエッセイ漫画 親の介護、10年め日記。 を、読みました。 noteを読むように

        • どんな風に

          どんな風に、認知症について考えられたらいいんだろう?と、気持ちがうまくまとまらない、そんな一週間でした。 認知症を考える、ってなんだろう? 考えていると、生きるってなんだろう?に繋がります。 自分がどんな風に生きたいか。 その「どんな風に」から現実が、遠のいたとき、それを受け入れるということは、果たして容易なことなのだろうか? 難しいけれど、今の自分の気持ちに素直に生きることができたら、一年後、五年後の自分が変わってくるのでしょうか。 シンプルなことが、なにより難

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        孫に知ってほしい"認知症”のこと

          認知症の話4 アルツハイマー村@フランスより

          同業者と、自分が認知症になったら…という話をしていたときの話。 いろいろと話しましたが、「今よりも生きやすい社会になっているといいね」という話にまとまりました。 帰路の途中、そのやりとりを思い出しながら、はっと気が付きました。 「生きやすい社会になってるといいなって、他力本願で他人事じゃん!」 認知症の領域にいて、一般の人よりもたくさん知っていることがある私が他人事のように話していてどうする。 自分のふがいなさに打ちのめされつつ、「認知症になっても生きやすい社会って

          認知症の話4 アルツハイマー村@フランスより

          写真は、二年前に出雲に旅行した際、電車で出会ったしまねっこです。 かわいいのでおすそ分けです。皆様にいいことがありますように! 追伸:アカウント名を変更しました。試行錯誤中です。今後ともよろしくお願いいたします。

          写真は、二年前に出雲に旅行した際、電車で出会ったしまねっこです。 かわいいのでおすそ分けです。皆様にいいことがありますように! 追伸:アカウント名を変更しました。試行錯誤中です。今後ともよろしくお願いいたします。

          認知症の話3 紳士淑女に幸あれ

          印象に残っていることがあります。 今の病院で勤める前は、別の病院の認知症デイケアにいました。 デイケアは、作業療法や歌、体操といったプログラムが中心ですが、ところどころ自由時間があります。 一番自由時間として長いのは昼食後の昼休みでした。 一時間、お話をしたり、少しうとうととしたり(昼夜逆転にならない範囲でですが)、テレビをみたり、自由に過ごしていただきます。 ただ、一時間って結構長いのです。そして、昼食後ってなんとなく一区切り感があって、「じゃ、そろそろ帰ります」

          認知症の話3 紳士淑女に幸あれ

          認知症の話2 感情は残る

          認知症、とはなにかと考えると、やはりみなさん、思いつくのは「忘れる病気」ということでしょうか。 認知症の症状は大きく二つに分けることができます。 1つは"中核症状"。みなさんが思う、物忘れはこの中核症状の代表的なものになりますね。 つまり、中核症状というのは、脳の萎縮などによって生じる認知機能の低下、頭の中の変化のことです。物忘れ以外にも、日付や場所の感覚が乏しくなる、物と物の距離を正しくつかみにくくなる、思い出すのに時間がかかる、言葉が出てきにくくなる、といった変化が

          認知症の話2 感情は残る

          認知症の話1 それぞれの至高の時間

          至高の時間。 自分が疲れた時に気兼ねなくリフレッシュする時間が、きっと皆さんにもあって、それは皆さんにとってとても大切な時間だと思うのです。 認知症を介護する人にとっても、それは同じなのです。 介護をする人(以下、主介護者)にとって"自分の時間を持つこと"がとても大切なことだといわれています。 例えば、介護とは積極的なかかわりがない人々でも、仕事や学校、人間関係、やらなければならない煩雑な作業などが溜まってくると、段々イライラしやすくなったり、気持ちに余裕がなくなって

          認知症の話1 それぞれの至高の時間