甘い静かな時間 18
きらくんと資格試験に合格するまでは会わないと約束をした。
「でも、calmeは今まで通り来てよ
お客さんとして」
と、彼が言った。
「うん、もちろん、あのお店は大好きだから行くわよ」
と言うと、ちょっと暗い顔になった。
「きらくん?どうしたの?」
中々返事をしない。
どうしたんだろう
私、何かまずかったのかな
と思っていると
「あの・・やっぱり朝倉さんとも来るよね・・」
と、俯きながら低い声で言った。
そっか、さっき言ってたもんな
夫と一緒のところがいやだって
心乱れるかな
と、思いながら
「ごめんね、もし夫がcalmeに行こうって言ったら、私には止めれないわ」
「そんなことをしたら、必ず何で?って聞かれるし・・」
と言うと、
「わかってるよ、そんなこと・・・」
と少し怒り口調だった。
私は困ったな
どうしてあげればいいんだろう
と思うと辛くなって下を向いてしまった
そんな私に彼はハッと気づいて、さとみの言葉を思い出したようだ。
「あやちゃん泣かしたら分かっているでしょうね」
「あやちゃんはあなたのことがほんとに好きなのよ、だから胸が苦しいっていってるのよ」
という言葉を。
おれ、あやさんのこと困らせてるじゃないか
ちゃんとあやさんを信じないと
と彼は思った。
「あやさん、ごめん、おれやっぱりこどもだな、
大丈夫!ちゃんと朝倉さんとも来て!
おれ、絶対大丈夫だから
おれに見せつけてよ、二人の仲がいいところ
そしたら、頑張れる笑」
そう言って彼は私に精一杯笑顔を見せた。
でも、私は彼がかなり無理しているのもすごく分かった。
つらい思いさせてる
どうしたら安心してくれるんだろ
私の気持ちがきらくんでいっぱいになっていること
どうすればわかってくれるんだろ
と思っていたら、私は自然に体が動いていた。
私は、彼の顔にそっと近づいて、目をじっと見た。
「え?あや・さん・・?」
彼は驚いて固まってしまった。
そして私は
「私を信じて」
と言って、私からキスをした。
やっぱりきらくんの唇、マシュマロみたい
このまま時が止まってくれればいいのに
と思いながら、丁寧に優しく長いキスをした。
ゆっくり離れた私は、自分の大胆さにびっくりしていた。
もう、自分からしたのに、顔が見れない
きらくん、よくいつもあんなに冷静でいられるな
と思ってしまった。
そして私はそっと彼を見た。
彼はまだ黙ったまま、どこ見ているのかわからなかった。
しばらくすると
「あやさん、大胆」
と一言言って、にっこり微笑んだ。
いつものきらくんの笑顔だ
でも、彼の言葉に一気に恥ずかしくなってしまって、顔を上げれなかった。
「あやさん、ありがとう
初めてあやさんからキスしてくれたね」
そういう彼に私は
「きらくんに私の気持ちどうしたらわかってもらえるかなって思ってたら、自然に、キスしてた・・・」
と、下を向きながら応えた。
「あやさんって、不思議」
という彼に
「なに?」
「凛として憧れてしまう女性ってイメージなのに」
と、言った後
私の耳元にきて
「今みたいに、急に大胆になる
早くもっと大胆なあやさんみたいな」
と、ささやかれ一気に血が逆流する感覚になった。
でも、いつものきらくんに戻ってると思うと、ホッとした。
でも、その顔でのぞき込むのは罪だと言ってるじゃない!
可愛すぎる
と私は、心臓が飛び出るくらいドキドキしていた。
そして彼は
「あやさんの気持ち、しっかり受け止めたよ、もう大丈夫だから」
と、微笑んだ。
この次の日、夫が
「明日久しぶりにcalmeで食事しようか」
と言ってきた。
私は一気に緊張が走った。
「そうね、カフェばかりだったし」
と、胸の鼓動が張り裂けそうになるのを抑えて、冷静に応えた。
「じゃあ、決まりだね、何食べようかな」
と、夫はとっても機嫌がよかった。
私は、冷静な気持ちでいれるかな
またきらくんを、つらい気持ちにさせてしまわないかな
と、不安になっていた。
そして、
出来ればお休みでありますように
と願った。
to be continued・・・
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