10-FEETに抱きしめられて。
いつぶりだろうか。
10-FEETを見るのは。
見に行けなかったのは、蔓延した疫病のせいだろうか、それとも苦悩の割りに実りのない日々に満足して非日常を避けていたのかもしれない。
いつぶりだろうか。
フェスへ参戦するのは。京都、太陽ヶ丘に訪れるのは。
僕の脳はダメっぽい、全然覚えていない、何年前とか正しい記憶がない。
そんな時はやっぱりスマホ。僕の脳より確実に覚えている。
10-FEET を最後に見たのは18ー19のCDJ。その時、僕は人目も憚らず大号泣してた。この話はまたいつか。
その時の写真もあるが、何故か記憶の方が鮮明に風景を思い出した。
京都大作戦は2017年ぶりらしい。あの日は雷雨ですごかった。
ホルモン、ロットンからテンフィの流れが神がかっていた。
雨なんか忘れて僕は心が躍っていた。
あーそうですよね。10-FEETってなんだ?京都大作戦ってなんだって人もいますよね。
とりあえずWiKi引用しますね。
↓関西の優しいおじさん達。
この3人が響かせる曲はいつも僕の、そしてお客さんの心を震わせる。
僕が10-FEETに出会ったのは中学2年生の時だと思う。上記の記憶のなさの通り定かではないが。
YouTubeで偶然流れたのが「2%」だった。
PVはすごくふざけてるのに刺さる歌詞に乗れる音楽が流れてきた。
初めてちゃんと聴いたロックなのかもしれない。
すごく心が踊ったのを今でも覚えている。毎日毎日リピートして聴いた。
あの時はただいい曲だってずっと聴いてたけど、20代後半で聞くとなぜか涙が出てくる。なぜ泣いているのか分からない、言葉の意味を知ったのか、いろんな経験をしてきたのか、大人になったのか、単純に涙腺が緩んだのか、今置かれてる立場が辛いのか、分析出来ないが、むしろ分析なんてしなくてもいいぐらい、本能的に10-FEETの音楽に歌詞に救われているのだろう。
今この文章を書きながら久しぶりに見てたが涙腺が緩んだ。緩んだだけ。
京都大作戦の説明も一応しておくと、
10-FEET主催のフェスであり、
とりあえず無数にある夏フェスの開催の狼煙を上げるフェスだと僕は勝手に思っている。
「何を信じたらいいかわからない世の中で、唯一確かなのは音楽がここで鳴っていること」
TAKUMAは自分自身に言い聞かせるように「落ち込むこと、鬱になること、死にたいと思うことがあったら、みんなで一緒に共有したい」「いいライブができたら、ここなら大丈夫だっていう気持ちになれる」と激しく叫び、最後にはまともに歌えないほど声を枯らしていた
10-FEETが中心になり、たくさんのアーティストとスタッフ、観客のエネルギーが結晶となって開催される『京都大作戦』。それは、多様化していった2000年代以降のロックシーンの1つの合流地点であるとともに、日々困難に直面する人々が集い、笑い合い、ほんの少しだけ誰かに優しく、そしてかっこよくなって家に帰れるような、素敵な空間なのである。ライブやフェス、ライブハウスに対して様々な意見が寄せられてきた2年半だったが、今年の『京都大作戦』に参加した全ての人が「やはり、なくてはならない場所だ」と再認識できたはず。これからも『京都大作戦』が最高のお祭り空間であるために、懸命に日々を生き抜き、感じたものを持ち寄りながら、再び10-FEETと顔を合わせよう。音楽を愛する者として、『〜今年こそ全フェス開祭!〜』という願いを抱きしめ続けながら、来年の開催を待ちたい。
10-FEETは緊張と緩和がもの凄く上手い。
緊張と緩和、笑いの公式である。
そして、涙の公式も緊張と緩和である。
勝手に僕は考察をした。
行く日が台風で中止になったり、コロナ禍で中止になったりとついていなかった。
5年ぶり、5年ぶりに僕はあの京都大作戦の門を潜る。
もう興奮でしかなかった。
音楽知識は乏しいが、僕は今感銘を受けていた。
また同じ夢を見て、また10-FEETに涙を流された。
僕の大きな苦悩も小さな成功も全てを肯定された気がした。
「頑張ってんなー
ようやったなー
今日は楽しんでけよー」
大人と呼ばれるような年にもなって泣けた。
とんでもなく嬉しいことだ。
アンテナラスト
おばあちゃんを思い出す。もっと話せばよかった。もっともっと話を聞けばよかった。
僕達は生まれた瞬間から死に向かっている。この事を忘れてはいけないのかもしれない。
もう少し大切に大切にしたい。
あの時のように、ダイブやモッシュも大きなサークルもない、ただ心のなかは常に踊っていて
人が海のように大きくなれたら 人が波のように優しくなれたら
「この悲しい記憶で照らせる 幸せにいつかは会えるかな
ごまかして偽って笑って いい訳とプライドにまみれて
いくら泣いても時は流れて 意地張っては置いて行かれて
Goes on...」goes on歌詞
またいつか隣の知らん人と肩組んで一緒にgoes on歌える日を強く願います。
TAKUMAさんの一言一句が心に響いた
「落ち込むんやったら一緒に落ち込みたい。」
「幸せになりたいな」
誰もが笑顔になる。
故郷ではないけど帰りたい場所がある。
僕はまたこの太陽が丘に来れて良かった。
また来年あの丘で。