今年もヲタクライフが始まった
昨日は趣味のイベントで、
70キロ離れた田舎の街に遊びに行った。
ついでに見たかった展示も見に行って、
顔見知りのスタッフさんとお喋りしていたら、
「来月再来月のイベントも、
もう申込みが来始めているから、
早めに申し込んだほうがいいですよ!」
とこっそり教えてもらえたり、
(わたしは週明けに申込もうと思っていた)
地域おこし協力隊の募集の話も聞くことができた。
どうやら前回もなかなか募集が埋まらずに苦労したらしい。
スタッフさん達は、
わたしよりさらに田舎の市に住んでいる人達だけど、
わたしと違って車も運転できる彼女達でさえ、
「やっぱりあの街に住民票を移して住むのは…」
と言うほどの不便な田舎なのだ。
そして現役の地域おこし協力隊の男の子は、
退任後はあの街を去って別の博物館で働くそうだ。
やっぱり3年働いても、
あの田舎の博物館で雇ってもらうわけにはいかないらしい。
わたしも何度も行っている博物館だから、
機械のメンテナンスや建物の電気代とか暖房費とか、
諸々を想像しただけでも、
とても人件費まで回らないのはなんとなくわかる。
「もし誰も来なかったらどうなるんですか?」
とさらっと聞いてみたら、
理事長が博物館に通う回数を今よりも増やすらしい。
「今年から展示場所が増えて、
そこにもスタッフを置きたいので、
もしかしたら皆さんにもボランティアでお願いするかもしれません」
と言われて、
わたしはそれもちょっと楽しそうだなと思ってしまう。
車に戻って母親にその話をして、
わたしが「あの博物館で働けるなんていいな〜!」
とそれとなく言うと、
「あんたが行ったら結構な年になっちゃうんじゃないの?」
と今さら言われた。
わたしは来月34歳になるから、
3年田舎に住んだら、
任期が終わる頃には37歳になっている。
普通に結婚して子供を産みたい独身女なら、
絶対に田舎に行ってる場合ではないだろう。
でもわたしは子供が大嫌いだし結婚願望も無いから、
そういうのは全然気にしていない。
地元にいたところで、
わたしはこの12年ずっと彼氏がいないので、
きっとずっとこのままだろう。
今の生活を続けても、
好きな人がわたしに振り向くとは思えないし、
気晴らしに知らない土地に行くのも良いなと、
ついわたしは思ってしまう。
いつも行っている運送会社に行けなくなってしまうのがわたしは地味に心配だけど。
まち歩きの会場に着くと、
去年の秋毎週のように会っていた、
わたしの理想のご夫婦も来ていて声を掛けられた。
去年他の場所でガイドをしていたおじいさんも、
わたしに声を掛けてきた。
一昨年ここのイベントに来たときは、
ちょっとアウェーな感じでビビったので、
まさか知り合いに会うと思わなかった。嬉しい。
この時期にしか入れない場所で初めての景色を見て、
わたしはさらにヲタクのレベルを上げた。
ここのガイドさん達は、
マニュアルがしっかりある感じがするし、
一昨年とスタッフの顔ぶれが変わっていないし、
何よりもわたしと同年代かもう少し若いくらいの男性達がたくさんいるということは、
同じ田舎でも観光で食べていけるということだ。
彼らはきっと奥さんも子供もいるはずだから。
約3ヶ月ぶりに来た地方で、
地元のお店に行って地元のご飯やスイーツを食べて、
地元のイベントで知識を深めて、
地元の人や他の地域の人達とお喋りしながら情報収集もして、
とても充実した1日だった。
わたしは知らない土地にいるときは、
好きな人に全く相手にされない惨めな女だと言うことをすっかり忘れて、
ただのヲタクになっている。
家に帰ってきて、
今日勉強したことを忘れないようにメモしながら、
「もし地域おこし協力隊の募集が埋まらなかったら、
ボランティアスタッフであの博物館に行けるのもちょっと良いよねぇ!」
と母親に言うと、
「それなら良いんじゃない!
やっぱりあそこに住むのは大変だし、
毎日行ってたら嫌なとこも見ちゃうでしょ。」
と即答された。
いつも否定的な母親が肯定してくれるのは珍しい。
「週末だけならタイミーと変わんないしね!
ボランティアだからお給料出ないし交通費高いから、
その分他で働かなきゃいけないけど。」
とわたしは返した。
タイミーで働くみたいに、
大好きな博物館で働けたら、
どんなに楽しいだろう。
わたしは元々、
週に5日フルタイムで、
同じ職場に通えるような人間じゃない。
毎日同じ職場に行って同じ人達と顔を合わせるのが、
学生の頃から絶望的に苦手なのだ。(社会不適合者)
だから派遣添乗員になってみたり、
今も在宅で事務の仕事をしている。
毎日同じ人に会わなければ、
鈍臭いわたしが目を付けられることもないし、
毎日嫌いな人と顔を合わせなくていいから。
でもタイミーで月に数回行く会社では、
そういう苦痛が無いことがわかった。
むしろわたしの八方美人が良い具合に活かせている気すらする。
わたしは普段家で1人で黙々と仕事をしているので、
外に出て他社に行って人と働くのが楽しい。
だから他のタイミーみたいに、
嫌そうな顔をして働いたりなんかしない。
わたしは月に数回ならただの良い人で居られるのだ。
このテンションで、
好きなところで知っている人達と興味のある仕事ができたら、
どんなに楽しいだろう。
ボランティアでも全然良い。
わたしの週末は基本空いているし、
楽しい予定で忙しくなれば、
もし好きな人の工場の上限に達して、
12月まで行けなくなってしまっても、
わたしは気にせずに済むかもしれない。
今年のわたしはどこに行くんだろう。
少しずつ、
でも着実に趣味の予定が週末に入ってきていて、
わたしはバイト三昧の週末も今だけかもしれないなとひそかに思っている。