アラサー、死ぬな。

昨日は家に帰ってから話す気力も無かった。
わたしはわかりやすいので、
何があったのかは家族も察したと思う。

今朝1人で音楽を聴きながら朝食を食べていたら無意識に泣けてきた。


いつも食後に甘いものを食べてしまうけれど、
今日はなんだか食べられない。食べたくない。
あぁ、これはやばいやつだと思った。

聴いていたのは、
わたしが中学生のときから20年好きなアーティストが1年間だけソロ活動をしていたときに、
ライブで演奏したCD化もされていないちょっとマニアックな曲だ。(なぜかYouTubeに上がっている)
当時わたしは大学受験を控えた高校3年生だった。
このツアーのDVDが出たのが春だったから、
この曲を聴くと大学に受かった春休みを思い出す。
わたしもあの年は勉強漬けで相当キツかったけれど、
この曲を聴いていたら、
推しも突然のソロ活動はとにかく不安で辛かったんだったんだなと伝わってくる。
真っ只中にいるときはよくわからなかったけれど、
16年も経ったら少しは客観的に見れるものだ。
きっと推しもわたしも辛い時期は同じだったのだと思うとやっぱりファンだからちょっと嬉しい。

今日は本業はとても暇だったので、
推しの曲ばかり聴いていた。
20年聴いているだけあって、
推しの声はわたしの耳に馴染んでいるし、
歌声も話し声も顔も曲も彼が書く字もみんな好きだ。
わたしは推しから出る50音もみんな好きだけど、
好きな人とは声の系統が違う気がする。
声が高いのは同じだけど、
好きな人は推しみたいな鼻にかかった甘い声ではなくてもっと澄んだ感じの声だ。

最近聴いていなかったような古い曲までさかのぼって聴いていたら、たまに涙が流れてくる。

わたしはこの曲を聴いていた高校生や大学生のときから、

恋愛の経験値がほぼ上がっていない。


高3の頃も、
わたしは文系クラスのたしか2組で、
好きな人は理系クラスの7組(これは間違いない)だったので接点は全くなく、
いつも廊下ですれ違ったり、
集会のときに何かの間違いで隣に並んだりしないかドキドキしていた。
結局彼とは1度も話すことはないまま卒業したけれど、
当時からわたしはわかりやすいから、
きっと好きバレしていたのだと思う。
1度廊下で彼とすれ違うときにわたしが彼を見たら、
彼はわたしを見ないように壁のほうを見ていた。

当時のわたしは眼鏡に膝下スカートで陰キャ丸出しのひどいブスだったから仕方ないけれど、

あれから化粧をして人並みに見た目を整えて相手が変わっても、

好きな男が見せる反応だけは20年全く変わらない。


やっぱりわたしはそういう運命なんだろうか。絶望。


でも推しの歌を聴いていたら、
わたしはサラダを作りたくなったので作り、
大嫌いな床拭きも済ませたくなったので済ませた。
今週末は泊まりがけのヲタ活なのだけど、
ずっと手を付けていなかった荷造りまで済ませた。
移動中に最近聴いていなかった古い曲も聴けるように部屋のCDを漁った。
ついでに行く街の地図も見つけてきて予習をする。


たぶん自分でも無意識に、

これ以上落ち込まないように身体がいろいろ活動させているんだなと思った。


わたしは普段は午前中はだるくてこんなに動けない。
だからこれはきっと身体がこれ以上落ち込むなと言っているのだ。
推しの声を聴きたくなったところからきっとそれだ。

今週末はヲタ活で、
添乗員時代もこの時期よく通った街に行く。
正直懐かしくてたまらない。嬉しい。
来週末もヲタ活でまたおじさん達と飲みに行く。
再来週とその次の週は推しのライブで遠征する。
7月最後の週末もおそらくヲタ活の予定が入る。

わたしにはこの先も楽しい予定がめちゃくちゃあるのだ。


だから死ぬな。落ち込むな。前を向け。
お金には追われているけれど全部趣味のためだし、
本業は安定しているし副業は楽しい。
咳も出なくなってきて生理も終わりかけで体調だって悪くない。
今わたしの人生で上手くいかないのは、
好きな人とのことだけなのだ。
だからあの人のことで悩むのを止めたら、
わたしはきっと今よりも幸せになれるだろう。
あんな男、早く忘れてしまえばいいのだ。
わたしの人生、他に楽しいことは山程あるのだから。

そんなことを考えながらいつもの運送会社へ行った。
今日好きな人のことを聞かれたら泣き出してしまいそうな危ないメンタルだけど、
わたしはいつも通り働けた。えらい。
ドライバーさんと天気や定額減税の話をし、
いつも通りラップ巻きをしていたら、
やっと来月のここの募集が出た!
チャラい男の子に、
「仕事中に募集を出すってことは、わたし達じゃ嫌ってことかな?」と聞くと、
彼は優しいのでニッコリ笑って、

「新しい人が来たらまた1から教えなきゃいけないから常連さんじゃないと嫌」


と言ってくれる。
これは夢じゃない。
わたしのような冴えないおばさんに、
優しくしてくれて笑ってくれてこんなことを言ってくれる若い男の子が世の中には存在するのだ。

わたしは本当に幸せものだと思う。
朝と違う意味で泣きそうだ。
きっとここに可愛い子が来たら彼は違うことを言うだろうし、
わたしが来月遠征で10日くらい休んだら、
その間に別のタイミーが居座っているかもしれない。
かなり危ういポジションだけど、
今のわたしはここに支えられている。
だからわたしは昨日と違ってご機嫌で帰れるのだ。
明日も来週もここに来れる。
だからわたしはきっと大丈夫だ。そう思いたい。