アラサーは酔っている
今日は地元の隣の隣の市で趣味の団体の飲み会。
アラサーはお酒しか飲んでいないので酔っている。
楽しかった。ありがとう。
今日は正直朝から鬱で気分が乗らなくて、
ミニスカートを履いて買い物に行っても美容室に行っても全然気分が上がらず最悪だったのだけど、
でも知ってる人達とお酒を飲んで爆笑して、
博物館の館長さんと酔ってずっとお喋りしてたら、
気がついたら終電の時間になっていた。
わたしはかなり酔っ払っているので、
何を話していたのか忘れているところもあるけれど、
でも来月遊びに行くところのオススメスポットとか、
わたしが案内をぜひお願いしたいスポットとか、
いろんな話をできて楽しかった。
わたしより30歳も年上の博物館の館長さんと2人で、
わたしが中学生の頃にこんな場所があったのを誰かが教えてくれたらよかったのにとか、
40年前のドキュメンタリーとその時代を行きていたおじいちゃんの意見のギャップがすごすぎたこととか、
解体される前にあそこを見たかったとか、
マニアックなことをずーっとお喋りしていた。
館長さんは酔っ払いのわたしの話をちゃんと聞いてくれるし、
今日は名前まで呼んでくれて嬉しい。
こんなに酔っていても好きなことの話は案外できるもんなんだなと思う。
わたしは今年の春に行きたいとお願いしたら、
夏に本当に連れて行ってくれたお礼もきちんと理事長に言えたし、
これからやってほしいこともほとんど言った。
わたしはヲタクだからアイデアだけはあるのだ。
お願いだから市に許可を取って、
来年はわたしやみんなを連れて行って。
じゃないととても個人では行けない場所なのだ。
わたしは変な女だ。
自分が産まれる前に栄えた街のことを調べて、
まち歩きをしたりドキュメンタリーを観たり、
当時住んでいた人に話を聞いてみたりする。
でも不思議と同じような興味を持つ人もいて、
山奥の博物館でみんなで泊まりの女子会をしようなんて盛り上がったりもする。
わたしはずっとこういう世界にいたい。
好きな人に会えないとか、
明日は1日働かなきゃいけないとか、
そういうの何も無くなって、
わたしも「明日〇〇さんにそのこと聞いてみよう」
とかそういう世界にいられたら良いのに。
どうしてわたしは明日1日、
好きな人もいないリネン工場で働くことになっているんだろう。
できればわたしも山奥の博物館に行って、
おじいちゃんが現役のときの話を聞いていたい。
さっき館長さんにお願いすればよかったのかな。
お願いしたら連れて行ってもらえたのかな。
じゃないと地元にいたってそんな話してくれる人はいないんだもの。
わたしはただただ働くのみ。
関係者はいいなぁと思う。
ヲタクの世界があまりにも心地よすぎて、
わたしは酔った頭でずっとここに居られたらいいのにと思った。
働くだけの現実になんて戻りたくないもの。
わたしはずっと変な女でいたい。
「なんでそんなこと知ってんの?お前まだ産まれてないじゃん」って。
そんな話をできる変な女でいたい。
変な女でいるときは、
わたしは他のことは考えないでいられる。
好きな男に相手にされない可哀想な女じゃなくいられる。
わたしはできればずっとそういう女でいたいのに。
でもきっと来年の春までまち歩きはないんだろうな。
冬は長い。
わたしが遊んでいる街は、
わたしが住む地方よりもさらに田舎の街なので、
とにかく冬が長いのだ。
早く春にならないかな。
全然派手じゃないわたしがギャルと言われるような、奇特な飲み会がまたすぐにでもあったらいいのにと、
退屈なアラサーは思う。