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森氏の後任は誰に!? 「構造的な課題」を解決するためには後任の選任過程に「透明性のあるプロセス」が必要と、武藤敏郎事務総長自ら認識しておきながら、選考委員会委員長を御手洗冨士夫氏にした理由説明せず!!

(IWJ編集部)

 2021年2月12日、森喜朗氏が、東京五輪・パラリンピック組織委員会の会長辞任を評議委員・理事会合同懇談会で表明した。

 その後の記者会見で、元大蔵・財務事務次官、日本銀行副総裁等の経歴を持つ武藤敏郎事務総長は、後任会長の選任は「透明性あるプロセスで」が必要であり、「説明責任」を果たすとしたが、会長を決める選考検討委員会を設け、その委員長には、御手洗冨士夫名誉委員長に決定したと唐突に発表した。選考過程について、何一つ「説明責任」は果たされず、その選考過程も「透明化」されていない。

 森氏が「密室人事」で、川淵三郎氏を次期会長に指名した際に、森氏は川渕氏の背後にいて影響力を行使し、「院政」を敷こうとした疑いがある。こうした点を踏まえて、IWJが御手洗氏選任のプロセスの「不透明」性について質問したが、武藤事務総長は質問内容にまったくとりあわず、御手洗氏選考の過程についてはまったく無回答だった。

 会見後にIWJは高谷正哲組織委スポークスパーソンに再質問したが、「誰が何を発言したかは言えないが、御手洗氏が推薦され、本人が了承、参加者も賛同」という、ほとんど意味をなさない内容であった。

 「構造的な課題がある」からこそ、「選考過程の透明性」を確保する必要があると自ら言いながら、後任人事の最初の第一歩目からすでに「不透明」である。

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▲森喜朗氏の後任会長の選考検討委員会委員長に決まった御手洗冨士夫名誉委員長。なぜ彼が選考されたのか、その過程はまったく何も明かされない。(画像=Wikipedia、OIST)

後任会長選任は「透明性あるプロセスで」としながら、選考検討委員会委員長には唐突に御手洗名誉委員長を決定!! 選考課程は「説明責任」を果たさず、「不透明」なまま! またしても「密室人事」!

 2021年2月12日、東京五輪・パラリンピック組織委員会の評議委員・理事会合同懇談会の冒頭で、森喜朗氏は組織委員会会長を辞任することを表明した。

 懇談会後、組織委員会は記者会見を開いたが、森氏が登場することはなかった。

 かわって、かつて大蔵・財務事務次官、日本銀行副総裁等を務めた武藤敏郎組織委専務理事・事務総長が記者会見に出席し、懇談会では、森氏の辞任、「ジェンダーイークオリティー」(なぜか男女平等とは言わない)の推進方法、会長後任手続きについて話されたと説明した。森氏の発言が不適切であったとした上で、「構造的な課題もあって、会長退任だけですべてが解決するわけではない」という意見があり、「広い視点」から議論が交わされたという。そう言いながら、その中身はなぜか明らかにしない。

 後任会長の選任手続きについては、「国民にとって透明性のあるプロセスでなければならない」と強調し、「説明責任」を果たすことが必要であると述べた。そのために、組織委員会は次期会長選考を目的とした選考検討委員会設立を決定し、「男女半々」、「アスリート中心」で「国・都・JOCの関係者」からメンバーを起用するとした。

 この選考検討委員会を中心に、現在の理事会の中から会長を決めるということである。しかし、その選考検討委員会のメンバーをどう決めるのか、まだ選出方法やルールも明らかでないうちに選考検討委員会の委員長だけが先行して決められてしまった。選考検討委員の委員長は、12日の懇談会の中で決定し、御手洗冨士夫名誉委員長(キヤノン代表取締役会長兼社長CEO)が指名、承認された、というのである。あまりに唐突であり、文字通り、「選考過程」だけでなく、選考の「理由」も「ルール」も「手続き」もすべて「不透明」である。

※この記事はIWJウェブサイトにも掲載しています。
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