![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/77310878/rectangle_large_type_2_55cf6c984837a690277d2f3d4d0d2ff5.png?width=1200)
IWJ検証レポート! 「米国が狙った独露間の天然ガスパイプラインノルドストリームの阻止!! その1」~ウクライナ危機の背景には、ユーラシアに安定と繁栄をもたらす欧露間の天然ガスパイプラインでの結びつきを嫌い、仲を引き裂く米国の戦略が! 米国の狙い通り、ドイツとロシアを結ぶ新パイプライン「ノルドストリーム2」の認可が停止に! 2022.4.27
(文・IWJ編集部 文責・岩上安身)
2022年2月24日のロシアのウクライナ侵攻に先立つ21日、ロシアがウクライナ東部2地域(ドネツク州、ルガンスク州)を独立国家として承認した。この事態を受けたドイツは、「対ロシア制裁」として22日、ロシアとの間の天然ガスパイプライン「ノルドストリーム2」の認可停止を発表した。
しかしこれは、ドイツ自身の身を切る制裁だ。ロシア産ガスが来なくなれば、高価な米国産液化天然ガス(LNG)などを買うしかなくなり、ロシアのメドベージェフ安全保障理事会副議長は、欧州の天然ガスの価格は2倍にハネ上がるとさえ述べている。
そもそもウクライナでは、1991年にソ連邦からの独立後、親欧米と親露の間を揺れ動き続けると同時に、ロシアとの間で天然ガスの供給・料金設定等を巡る係争が続いた。ウクライナ側でのガスの無断抜き取りや第三国への組織的転売、ガス料金のロシアへの不払いも発生し、一時はロシア側がガス供給を削減し、欧州各国に影響が及んだ経緯もある。
パイプラインがウクライナを通過している限りその先の西欧への安定的な供給は見込めないため、ロシアと欧州・ドイツは「ウクライナ外し」のパイプラインを3本建設することにした。「ノルドストリーム2」は、未稼働の最後の1本である。稼働すれば、欧露の結びつきは格段に強まったはずだ。
今回の「対露制裁」策、「ノルドストリーム2」停止で、得をするのは誰か? 米国が繰り返す「経済制裁」の目的は、米国の一部に利益をもたらすに過ぎないのではないか!?
詳しくは記事本文を御覧いただきたい!
![](https://assets.st-note.com/img/1651048845445-zt1gDatJtk.png?width=1200)
(Wikipedia、Samuel Bailey (sam.bailus@gmail.com))
ロシアのウクライナ2地域独立承認を受け、ドイツがパイプライン「ノルドストリーム2」認可手続き停止! 自らの身を切る制裁!
ショルツ独首相は、ロシアのプーチン大統領が2022年2月21日、ウクライナ東部の分離独立派勢力が支配する地域を独立国家として承認したことを受け、2月22日の記者会見で、ドイツとロシアをバルト海経由で結ぶ天然ガスパイプライン「ノルドストリーム2」の認可手続きを停止すると表明した。
![](https://assets.st-note.com/img/1651049833258-aG0wJWj4ah.jpg)
![](https://assets.st-note.com/img/1651054461675-mRhqfAIKNY.jpg)
(Wikipedia、The Presidential Press and Information Office)
![](https://assets.st-note.com/img/1651054509079-tCmv71zIxn.jpg?width=1200)
「ノルドストリーム2」の認可手続きの停止は、2021年から続く天然ガス価格の高騰に悩むドイツにとっても、ロシア産の安価な天然ガスをパイプライン直送で安定的に入荷できるという思惑が崩れたことを意味する。さらなるガス価格の高騰につながる可能性があり、対露制裁と言いながら、自らの身を切る制裁でもある。
※この記事はIWJウェブサイトにも掲載(https://iwj.co.jp/wj/open/archives/505188)しています。 IWJは会員登録制で記事や動画コンテンツを公開しており、月額1100円(税込)または年会費1万1000円(税込)の一般会員になると過去2ヶ月間に公開されたコンテンツを御覧になれます。月額3300円(税込)または年会費3万3000円(税込)のサポート会員になると、すべてのコンテンツを御覧いただけます。
IWJウェブサイト(https://iwj.co.jp/)はこちら
ここから先は
¥ 110
Amazonギフトカード5,000円分が当たる
IWJは会費と市民の皆様からのご寄付・カンパを活動費として、新しい時代の「公共性のある情報インフラ」を目指しています。よろしければ「サポート」をよろしくお願いいたします!