日本発の「スマートマスク」が日本より先に世界で注目されているらしい。【#22】
今日のトピックは「スマートマスク・c-mask」について。
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この記事のまとめ
Bluetoothでスマホと接続してテキスト入力などが可能
日本のドーナツ・ロボティクス株式会社が開発
価格は3,980円で9月に国内向けに販売開始予定
Bluetoothで音声伝達するマスク
新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大によってマスクの着用は世界的な常識となりましたが、マスクで声がこもったり、表情が読み取りづらかったりと意思疎通が難しいといった問題がありました。読唇術で会話していた聴覚障がい者にとってはさらに深刻な問題です。
そこで日本のベンチャー企業・ドーナツ・ロボティクス株式会社が開発したスマートマスク「C-Mask」が海外メディアを中心に話題になっています。
この「C-Mask」は通常のマスクの上から装着して、スマートフォンとBluetooth接続することによって相手に音声やテキストを伝えたり、電話を掛けたりすることができる模様。さらに自動翻訳機能もついており、8ヶ国語に対応したテキストを表示して円滑なコミュニケーションをサポートします。
C-Maskは今後AR(拡張現実)やVR(仮想現実)にも対応予定とのこと。
詳細は不明ですが、幅広い利用のために音声入力などの学習コストが低い手法が求められています。
VRの表情伝達
VRではHMD(ヘッドマウントディスプレイ)を被ってアバターを操作する場面が多々ありますが、当然ながら目元は見ることができません。通常はコントローラーであらかじめ設定された入力によって表情を示しています。
これを解消する研究のひとつが「Behind-the-Mask: 顔映像が取得可能な頭部搭載型ディスプレイ」です。東京大学学際情報学府の暦本純一教授らが提案しています。赤外線によってface-to-faceコミュニケーションを実現します。
暦本教授の功績についてご存知ない方も、彼が筑波大学准教授でメディアアーティストの落合陽一さんの指導教員(博士課程)といえば、想像に難くないことでしょう。HCI(human-computer interaction)領域において、MITの石井裕教授らと並ぶ、世界有数の研究者です。
東大TV / UTokyo TV 暦本純一「Human Augmentation:人間拡張とその未来」ー公開講座「仮想と現実」2016 (Behind-the-Maskについては33:48~)
さらに同研究室では超音波エコー映像とDeep learningを組み合わせて、声を発さずとも口パクで内容を認識する音声システム「SottoVoce」も発表されています。特に公共の場では音声入力を使うことを躊躇う人は少なくありません。しかしながら「SottoVoce」ならば口パクでも内容を検出してくれます。マスクで口元が隠れる現在の環境下では一層活躍の場が広がるに違いありません。
今回も日本以前に世界で話題となった今回のスマートマスクですが、日本国内の優れた研究事例や商品が新たな話題となる日がいつ来てもおかしくありません。
学会でのユニークな研究事例は、以前のnoteでもまとめています。
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