10分でマルチゲームが創れる「Core」はメタバースの鍵になるか?【#98】
今日のトピックは「Epic Gamesがリードするラウンドで1500万ドルを資金調達したManticore Gamesのゲーム制作システム『Core』」について。
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この記事のまとめ
Manticore GamesがEpic Gamesらから1500万ドルの資金調達
同社の「Core」は制作からゲーム実況まで一挙貫通で可能になる作品
競合他社はマイクラやRobloxとFacebook HorizonやNeosVR、Cluster
ゲームに関するすべてを実現できるプラットフォーム
設立間もないゲーム開発会社・Manticore Gamesは、FortniteやUnreal Engineを開発するEpic Gamesがリードする1500万ドル(約16億円)の資金調達を完了し、「Core」の開発を加速させます。作品のローンチ依頼、同社は既に4500万ドル(約48億円)を調達済みです。
同社が開発している「Core」は、ゲームに関するすべてを実現できるプラットフォームで、Epic GamesのUnreal Engineをベースに作られています。アルファ版ながら、既に様々なジャンルのゲームが作成可能で、バリエーションやテイストも千差万別です。
今回リード投資家となったEpic GamesはFortniteがAppleストアから削除されるきっかけにもなった通り、クリエイターファーストな姿勢を打ち出しており、設立1年で44億円超の開発支援を行う基金などを設立しています。
関連記事:44億円超の開発者支援を実施、フォートナイトのEpic Gamesから【#51】
IPO直後のUnityに通じるビジョン
Manticore Gamesは、自らのミッションを「ゲーム制作とパブリッシングの障壁を根本的に下げることで、ゲームにおける創造性の新たな波を解き放つこと」と述べています。先日ニューヨーク証券取引所(NYSE)に上場を果たしたUnityの理念に非常に近いものですが、Manticore Gamesの考える「ゲーム」の領域は、作ることや遊ぶことだけではなく、今では欠かせないソーシャルや配信といった体験にまで及んでいます。
関連記事:いよいよIPOしたUnityはどんな会社なのか
Unreal EngineはUnityよりも比較的ハイエンド向けの印象を持たれている傾向があるため、Manticore Gamesの「Core」はその溝を埋めてくれる存在になるかもしれません。
充実したクリエイター支援
Coreでは既に100万ドルのクリエイター支援プログラムを発表しており、クリエイターが収益を上げられる仕組みを他にも整備していく予定です。
また、簡単にゲームがつくれるCoreですが、100%無料で制作に関するレクチャーを受講できるCore AcademyとCore Game Dev Bootcampも展開しています。
直近で開かれた「Dungeons & Dragons Design-A-Dungeon Contest」で、は、わずか数週間のうちに150本以上のゲームがリリースされ、実際にプレイヤーたちに楽しまれています。
競合タイトル①:Minecraft、Roblox、Fortnite
ユーザー自身がゲームを作れるゲームの代表格はMinecraft(マインクラフト、マイクラ)です。2009年のリリース以降、世界で最も売れたゲームとして有名で、自動生成されるワールドをカスタマイズすることが可能です。また非公式のMod(※主にパソコンゲーム用の改造データ)も非常に豊富で用意された以上のゲームを楽しむことができます。
また、RobloxはZ世代を中心に遊ばれている作品で、「米国に住む9歳から12歳の子どもの3分の2以上がこのゲームをプレイしている」とBBCの取材に答えています。月間アクティブユーザーは1.5億人にのぼります。
Robloxは、ユーザーが他の人が作成したゲームをプレイできるオープンワールドのゲーム作成システムです。ただしMinecraftよりもさらにプレイヤーが生成するコンテンツに対する自由度が高く、入手したゲーム内アセットを販売することもできます。実際、Robloxによって数千万円の収入を手にするプレイヤーも現れています。
さて、Epic Gamesが手がけるFortnite(フォートナイト)にもクリエイティブというモードが設定されているため、ユーザーは幅広いゲームをすべてフォートナイトをつけた中から遊ぶことができます。
とりあえず入ってその中で見て回ることのできる、プラットフォーム化したゲームはもはやソーシャルとして発展してきました。
これまでのレビューとスクリーンショットが並ぶような無機質なゲームストアから、もっと体験の片鱗が垣間見えるゲームタイトルが並ぶストアにひとつのゲーム自体が変貌を遂げたといっても過言ではありません。
競合タイトル②:Horizon、NeosVR、cluster
Coreは「特定の目的がないゲーム」と言い換えることもできます。その観点において近しいのはゲームタイトルだけではなく、ソーシャルVRプラットフォームです。
これからリリースされるFacebok Horizonは、VR空間で自分の好きなようにアイテムを配置できたり、カスタマイズしたりできるようです。
関連記事:FacebookのVR SNSに日本なラーメン屋も登場? 「Horizon」オープンβ登録開始|今日の「ヤバい!VR」#78
また、NeosVRもVR空間上でゲームを作ったり、アバターをセットアップしたりできるプラットフォームです。ユーザー同士でアセットなどを共有したり、あらゆるファイルを読み込めたりする自由度がかなり高い作品です。
※VRChatやclusterは現状VRChat内ではなく、Unityなどで作成したワールドをアップロードする形式なので今回は除外しています。
マルチバース構想において
Coreは、UCG(ユーザー生成コンテンツ)によるマルチバースを志向しています。今後プラットフォームの拡大によってマルチにプレイできることや、ゲームクリエイターがYouTuberやストリーマーのように生まれてくることが期待されます。
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noteは毎日更新しています。昨日のトピックは「Oculus Questのサイドローディングプラットフォーム『SideQuest』」について。Oculus創業者のPalmer Luckey氏も出資していますが、非正規のストアはクリエイター気質ともまさしく合致するところです。Coreのイデオロギーや規則によって作られる作品の制限が限られないか学ぶきっかけになります。
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過去のnoteはこちらにまとめています。
出典:Epic Games Leads $15M Investment in Manticore Games
会社のみんなとドーナツ食べます。