第二の生⑤　第二、第四金曜日は教育的処遇日で工場作業をしない日だった。朝食を終えたら各人が別れて定位置に座り、本を読み、手紙を書いたりする。

第二、第四金曜日は教育的処遇日で工場作業をしない日だった。朝食を終えたら各人が別れて定位置に座り、本を読み、手紙を書いたりする。談話は禁止、話し声が聞こえるとすぐさま廊下から刑務官が寄ってきて注意される。二度目の注意を受けると減点、三度注意を受けると調査となる。九時をすぎると、「過ちはもう再び」という放送が入る。誰かの更生の物語が読み聞かせられるのだが、更生することへの強制を感じ、好きになれなかった。九時三〇分から一五分間はラジオ体操が流れる。第一でも第二でもなく、座位が中心で居室でできる独自の放送の体操だ。雑居室の受刑者はその放送には合わせず、それぞれスクワット、腕立てなど強度の高い運動をして汗を流す。タオルやハンカチで体を拭くことは禁止されているが、運動後は汗を拭くことが許可された。