SOUL CATCHER(S)

2022/03/18

夢中になって漫画を読んでいたらこんな時間!noteを書いたら寝るけれど、寝る前に今日読んでいた漫画の話をする。

ジャンプ+で「SOUL CATCHER(S)」という漫画を読んでいた。吹奏楽を題材にした青春漫画。人の心が見える主人公が、指揮者として成功していく物語だ。この漫画、連載当初にちょうど吹奏楽部だった自分は大好きだったなあ。吹奏楽部の同学年の男子と、「今週のソルキャ読んだ?」みたいな会話をずっとしていた覚えがある。

そもそも、吹奏楽漫画の時点でかなりレアなのに、主人公が目指すのが指揮者というのが新しすぎる。漫画にとって「目新しさ」みたいなものはかなり重要だと思っていて、道を切り開く人が大物になっていく。スポ根で言うと、アイシールド21とか、火の丸相撲とか、今までなかなか題材にされなかったジャンル。そんなジャンルを切り開いて、しかも吹奏楽で戦うと言うのは当時の自分からしたら衝撃的で、すごく面白かったなあ。最終的に打ち切り、みたいな感じになってしまったけれど。

そもそも吹奏楽というのは動きがない。吹いている間は奏者はほぼ動かないし、大事なのは音なのだが、漫画に音をつけることは難しい。それを主役を吹奏楽部の中で一番動きのある指揮者にしてしまうということで解決。そして、「普通そんなことありえない」という問題点を「大きな試練」にしてしまうことでストーリーに軸を持たせる。鮮やかすぎる。この設定に目がいってしまうことによって、主人公の「人の心が見える」という特徴を何の解説もせずに当たり前のものとして受け入れてしまう。そして「人の心が見える」という設定のおかげで、動きのない演奏中に心の描写を主人公が見たものとして入れられる。実際に起こっているのはただ楽器を吹いているだけなのに、めちゃくちゃ動きがあるように見える。漫画のすごいところが詰まっている。

作者の神海英雄先生はこの前にライトウイングという作品を描いていて、それもまた名作なので是非読んで欲しい。名台詞が多過ぎて一部界隈ではおもちゃにされているけれど、ぼくは良い作品だと思います。神海先生は心の描写みたいなものを具現化するのがすごく上手い。それはどっちの作品でも見れる。

久しぶりに読んで、あの時の楽しかった気持ちを思い出した。吹奏楽の楽しさって言うより、ジャンプのそこまで人気のない作品について語り合う楽しさだけれど…。また語りますね。

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