UD(ユニバーサルデザイン)フォント のはなし
みなさま、こんにちは。
新入社員(営業)の畑中です。
6月6日、今年も関東甲信地方に梅雨入りが発表されました...
梅雨に向けて、大きくて軽い折りたたみ傘と 防水の靴をGETしたので、例年よりは幾分か心晴れやかです。
さてさて、今回のテーマは「 U D フォント 」です。
イワタのUDフォントは、文字の読み手に寄り添い、研究開発されたフォントとして、2009年にグッドデザイン賞(特別賞:ライフスケープデザイン賞)を受賞している、すごいフォントなのです。
2017年には、UDフォントが長年にわたり 広く世の中で支持され 使われ続けていることから、「グッドデザイン・ロングライフデザイン賞」を受賞しました。
それでは、UDフォントについて詳しくご紹介していきたいと思います。
1.UD(ユニバーサルデザイン)とは
UD・・・・すなわち、ユニバーサルデザインですが、一度は耳にしたことがありますよね。
この UDという概念は、1985年にアメリカで発表されて以降、現在の日本における生活の中でも、見ない日はないくらいに かなり浸透しています。
ざっと調べた程度ですが、以下のように さまざまな場所でUDに出会うことができます。
私の思った以上に、当たり前に使っていたシャンプーやトイレのマークなど、UDには日頃からお世話になっていることが分かりました。
今回は、UDフォントということで、なんと、文字/フォントにもUDがあるんです。
上で紹介した事例と同じく、みなさん知らず知らずのうちにUDフォントを見た(読んだ)ことがあると思います。
(少なくとも、前回ご紹介した「ゆりかもめ」に乗ったことのあるかたは、イワタUDゴシックが駅名に使用されていますので、必ず目にしています)
それでは、イワタUDフォントがどのように開発されたのから始まり、デザイン、採用事例などをご紹介していきたいと思います。
2.イワタUDフォントの開発
今では、さまざまな会社からUDフォントが発売されていますが、
日本語UDフォントを日本で初めて開発 (※) したのが、なにを隠そう イワタなんです!
※ パナソニック株式会社(当時の松下電器産業)との共同開発
イワタのUDフォントの開発は、今から18年も前の2004年にさかのぼり、パナソニック製の機器に記載されている文字や、テレビリモコンの文字・数字が一定の人には つぶれて見えたり、細い線が見えにくくなってしまうため、どうしたらよいか という検討から始まりました。
人はそれぞれ、どうゆう文字が見やすい/見にくいといった基準は異なりますが、老化による視力の低下や、近視、遠視、弱視、白内障などにより、「見えにくい」文字が現れます。
また、そもそも形が似ていて まぎらわしい文字もあります。
まだ 世の中に日本語UDフォントがない時代に、「目にやさしい文字」を求めて、どうやったら読みやすく、誤読されにくい文字になるのかを一から研究しました。
結果的には、開発/研究に2年の歳月を経て、2006年 日本初となる日本語UDフォント「イワタUDゴシック」を発表しました。
続いては、UDフォントのデザインの こだわり についてご紹介したいと思います。
3. イワタUDフォントのデザイン
UDフォントの特徴は、「見やすく、誤読されにくい」を第一に考えてデザインされているところにあります。
具体的なポイントを図にして、代表的な5つのポイントにまとめてみました。
いかがでしょうか。
特に ポイント4および5の 明朝体 は 線の太細の差が抑えられ、うろこの鋭さも和らいだことから、すこしゴシック体に近づいたように感じます。
明朝体は もともと、書道における毛筆の楷書体が基となってできた書体のため、縦書きで多く用いられるのですが、UDフォントになることで 横書きでもとても読みやすい書体へと進化しています。
また、2006年に初のUDゴシックを発表して以来、現在では明朝体や丸ゴシック、新聞書体、多言語にも展開されています。
4. イワタUDフォントの採用事例
それでは最後に、イワタUDフォントが採用されている事例をご紹介したいと思います。
イワタのUDフォントは、電化製品から食品、交通機関など 日常生活のいたるところで見ることができます。
一例をご紹介します。
普段わたしが使っている電化製品はパナソニック製のものが多いので、早速確認してみると本当にイワタのUDフォントが使われていました。笑
標識やお店の看板、本、テレビ/映画/YouTubeなどの字幕など、わたしたちの生活は 文字(フォント)に埋め尽くされています。
今回ご紹介したようなUDフォントならではの文字のデザインは、街のあちらこちらで見ることができますので、みなさんも ふとしたときに「これはUDフォントかな?」と観察してみてください!
誰もが見やすいように、考えられて工夫されたデザインなんだなぁと 思い出していただけるとうれしいです。
次回は、イワタの心臓部 「フォント制作の現場」に行ってきましたので、ご紹介したいと思います!!
それでは、今回もご覧いただきありがとうございました!