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吃音の発症について(Q &A)

おはようございます。いわたコトバのそうだん室の言語聴覚士岩田です。
今日は「吃音の発症」についてのご質問に答えていこうと思います!

【小学1年生 男の子】

今年小学生になる息子がいますが、吃音があります。3歳くらいの時に吃音が突然始まりました。
そのころに「しっかりとした教育をしないと!」と思うあまり、厳しく叱ったり、習い事を始めたりして子供の生活環境が大きく変化してしまいました。この時期に、子供に大きなストレスを与えてしまったことが吃音になってしまった原因でしょうか?

吃音について

突然の吃音の発症にとても不安に思ったことと思います。吃音は突然発症することがほとんどなのでとても驚かれたかと思います。

しかしまずは、吃音は子育てやしつけ、生活の変化は吃音の発症とイコールで結ばれるものではありません。

他によくある誤解として「厳しく叱りすぎてしまった」「習い事を始めた」以外にも、「兄弟ができた」「幼稚園が始まった」「頭を強くぶつけた」「預かり保育が始まった」などと吃音が発症を結びつけてしまうことはよくあります。

それは吃音の起きやすい時期(2歳〜4歳)は、赤ちゃんだった頃から子供にどんどん成長する時期であるためです。
しかしどんな子供にもそういった大きな変化が起きています

そのため「何か大きな出来事🟰吃音」と結びつけてしまいやすくなる時期でもあるんですね👍

たしかにそうしたストレスや生活の変化が吃音に全く無関係とは言えませんが、発症の原因として本質的ではありません。

吃音の子供だけがストレスに弱く、人一倍感受性が強いわけではなく、健常児にもそういう子はたくさんいます。

吃音の原因と対応

吃音の原因は、遺伝的な要素が大きいことが分かっています。
親子で身長が似てくるようなもので、吃音の症状が出やすい体質が受け継がれることがあります。しかし、家族に吃音がなくても子供が吃音だったということもたくさんあります。

吃音の原因は、遺伝的8割で環境的要因2割と言われています。

しかしこの「環境的」という部分で大切なのが、「環境的
🟰子育てや家庭環境」というわけではないということ!
遺伝的な要因はだんだん分かってきたけど、発症にはそうではない部分もある。そうではない部分を環境的要因とよんでおこう」というものです。
早い話、環境的要因の正体はまだ分かっていません。

まとめ

吃音は、親の子育てや家庭環境が直接の原因ではないため、習い事や子育てなどと吃音はある程度分けて考えましょう
「吃音が始まったから習い事をやめるようか」や「子育て方法を変えなくては」と思う必要はないと思います。

また吃音をよく知らない人から「吃音の原因は母親にある」とか「子育てのせい」とか言われてもそれは全く根拠のない話なので聞き流してしまっていいと思います。
いわたコトバのそうだん室でも吃音についての相談を受け付けていますのでお気軽にご相談くださいね♪

吃音については過去の記事やYouTubeでも少しお話ししているので見てみてください!↓

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