ダウン症のコミュニケーションについてのお話
おはようございます。いわたコトバのそうだん室の言語聴覚士の岩田です。
今日は「ダウン症のコミュニケーション」についてお話ししていきます。
ダウン症の言葉の特徴
ダウン症のお子さんの言葉の特徴は、言葉が出てくるのがゆっくりで、お話しを始めても聞き取りづらいことが多いことをご存知ですか?
また、助詞を使って話すのが苦手なことも特徴です。
しかし、視覚的な情報や状況を理解する力は発達していることが多く、言葉の理解は難しくても、目で見たものや状況を捉える力はしっかりしています。(なので言葉の理解が悪くても場面に適した行動はばっちりできることも多いです)
具体的な接し方
1. ゆったり、はっきり、簡潔に
言葉は目に見えないもので、消えてしまうものなので、お子さんにとって聞き取るのは難しいものです。特に、ダウン症のお子さんは一度に情報を覚えておくのが苦手な場合が多くて、たとえば、「さかな」という言葉を聞いた時に、「さか」の部分が頭に残らず「な」だけしか言えないこともあります。そのため、ゆっくり、はっきり言ってあげることが大切で、何度も繰り返してあげることがポイントです。
2. 「言う」よりも「聞く」
子供は言葉を話すより先に言葉を聞いて理解するようになります。言葉が分からないのに、その言葉を話せるようにはならないんです!
なのでお子さんに言葉を話してほしい時は、まずはしっかり聞かせることが大切です。お子さんが「ことばを聞き取る力」を育ててあげることで、自然におしゃべりする力もついてきます。
例えば、公園で遊んだ時に「何をしたの?」と聞くするより、「滑り台してきたね」と具体的に言ってあげたりするといいです。
3. サインやジェスチャーを使う
言葉に加えて、サインやジェスチャーを使うことも効果的です。サインは意味をわかりやすく伝えるのに役立ちます。例えば、車に乗るときには、ハンドルを持つ動作を見せたり、「寝る」ときには両手を頬に当てるサインを使うことができます。
身振りを使うことで、言葉とその意味が関連付けられ、音声の記憶も助けられます。身振りを使うとおしゃべりが減るのでは?」と心配されるかもしれませんが、身振りと一緒に言葉も聞かせていれば、自然におしゃべりが増えていきます。
4. 一回の声かけで言うことは一つ
複雑な内容を一度に伝えようとすると、混乱してしまうことがあります。お子さんにわかりやすいように、ひとつの文章にひとつの内容だけを伝えるようにしましょう。例えば、「今から出かけるからおもちゃはおしまい」と言うより、「おもちゃはおしまい」「出かけるよ」と、短いフレーズで区切ることが大切です。
5. 言葉以外の手段も積極的に使う
言葉だけでは伝わりづらいこともあります。そんな時は、文字や簡単なイラストを使って説明するのも効果的です。例えば、家族のスケジュールや予定の変更を説明するときには、簡単な絵や文字を書いて見せながら話すことで、お子さんにもわかりやすくなります。
これらの工夫をしながら、お子さんの成長を一緒に楽しんでいきましょう。コミュニケーションの中で一番大事なのは、楽しむことです。言葉がまだうまく出てこなくても、お子さんと楽しくやりとりをすることが言葉の発達につながります。
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