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STが行う発音訓練②(漸次接近法、構音位置づけ法)

おはようございます。いわたコトバのそうだん室の言語聴覚士岩田です。
今日は「STが行う発音訓練」の第二弾です!

前回は「キーワード法」と「後続母音を変える方法」をお話しさせていただきました。↓

発音の練習方法は、原因や年齢、誤り方、誤り音などによって、訓練方法が異なるので、発音が悪いからこれを行えばいいというお話しではありません。

なので今日の話は「へーそんなことをやることもあるんだ」くらいの気持ちで聞いてください。(発音の練習がしたい場合は、お近くの言語聴覚士さんに相談してみてください!)

STがしている発音訓練①

まず構音障害(発音)ってなに?

実は構音障害(発音)は3つの分類に分けることができます。

  1. 器質性構音障害
    先天的・後天的な構音器官の形態異常によるもの (例)口蓋裂 舌小帯短縮症

  2. 運動障害性構音障害
    神経・筋系の病変によるもの (例)脳性麻痺 等

  3. 機能性構音障害
    構音器官の形態や機能に異常がないもの
    というような感じです。

この中でも「発音が悪いんですというお悩みは3の「機能性構音障害」のことが多いです。
しかし原因が1、2の場合は、まずお医者さんなどに見てもらうことが必要になることがあるので注意が必要です。
今日紹介する方法も3の機能性構音障害で行うことが多い方法になります。

では早速、訓練方法を紹介していきたいと思います!

漸次接近法(ぜんじせっきんほう)

これは間違って出してしまっている音を少しずつ修正していく方法です!
例えば「し」の音が誤ってしまう子供の場合、「し」の音に近い「ち」を使って修正していきます。

(具体的な方法)
①「ち」がしっかり言えることを確認する
②少しずつ「ちー」を弱く言っていく
③ささやくように「ちー」を出しながら「し」に近づける
④「し」に近い音が出せるようになる

というような感じです。

構音位置づけ法

構音位置づけ法は正しい舌の位置や操作方法を教えることで音を習得していく方法です。
例えば、「さ行」が「か行」になってしまうような場合「舌の位置は前じゃなくて、後ろの方」ということを教えていきます。

教室では顔の断面図を使ったり↓(コトリドリル)

コトリドリル(寺田奈々先生)

口の模型を使って確認したりしています!↓

口の模型


いつもなんとなく発音していた音も、視覚的に舌の動きを確認することによって明瞭度が良くなったり、付ける位置を修正しやすくなります!

まとめ

発音練習は原因を明らかにして適切な訓練方法を見極めて、しっかりと細かいステップを着実に登っていくことで改善が期待できる障害です。
発音のお悩みがあればいわたコトバのそうだん室か、お近くの小児言語聴覚士までご相談ください!


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