ナカノマサト vol.001
アーティストの作品と生活の間にあるzineにターゲットを絞って、その作家のzineの遍歴や個人の記憶にについて雑談をしながら探っていく企画。
今回は雑誌の編集者として働きながら、アーティストとしても活動する『ナカノマサト』に趣味について話を聞いていきます!
ナカノマサト
Twitter:@nakanomst
Instagram : @nakanomst
天使、悪魔をモチーフに人間の内なる精神的な苦しみや恐怖を描く。
最近の展示の様子
ー最近ナカノさんの制作のテーマについてのインタビューはめちゃめちゃ詳しく話してるやつがあるので、今日はそれ以外の過去の話とかを中心に話していければ!でもあんまり作品について人に話したりするタイプでないんですかね?
自分の中では美術は作品に自分の人生を従属させるべきで、捧げる気持ちがないと評価が難しいと感じていて。デザインやイラストレーションは「好き」という気持ちでも作ってもいい。
自分は今、美術とデザイン・イラストの間に身を置いているので、一つを専門的に自分の中から取り出すことは難しくて、あまり積極的に話せてはこなかったですね。
ー初めて会ったのが2020年の0.5のイベントでしたが、そのときのzineが何作目ですか?
あれは2作目ですね! 初めは友人でアーティストの大西くんが主催したzineを交換するイベント用に作ったのがきっかけで、今では4冊ほど作っています。
2作目の『MANDRAKE』1作目と3作目の名前のないものは自分でデザインして印刷業者に頼んだのですが、4作目の『BLUE LIFE』はHand Saw Pressで働いていてアーティストでもあるikikさんと話し合いながらリソグラフを使用して作りました。
今まで制作してきたzine
ー制作と並んでリサイクルショップを巡って熱心に収集している印象がありますが、最近の作品におもちゃが登場したり二つの活動の融合が感じられます。リサイクルショップ巡りはいつから好きだったんですか?
中学生の頃からリサイクルショップに通っていたのですが、最初は服が目当てでした。小学生とか中学生って親から買ってもらった服を普通に着るじゃないですか。でも自分の中でそれがしっくりこなくなってしまって。
どうしたものかと悩んでいたときに出会ったのが、街にいるホームレスの人たち。クタクタでボロボロの布に身を纏い、異様な質感の謎のキーホルダーと企業ロゴのメッシュキャップ。あまりの良さに衝撃を受けて……。
そのどれもが自分にが追い求めていたしっくり感を体現していて、すごく憧れていました。まあ今もなんですけどね。
コレクションの一部
ーリサイクルショップ中学生から通ってたんですが!?めちゃくちゃ早いですね。
中学生の頃は大阪に住んでいて、生駒山を越えて、奈良まで4時間かけてリサイクルショップに行ったりしていました(笑)。最初は古着が目当てだったけど、そういった中でおもちゃとかも買うようになって、現在に至るって感じです。
親が往年のロックが好きで。その影響で自分もよく聞いていたんだんです。彼らの奇抜なファッションって彼らにしか似合わないしっくり感があるじゃないですか。すごく憧れたけど、どこかで自分はロックスターにはなれないって感じたんです。でもホームレスのしっくりくる感じは目指せる、そっちの方がなんかかっこいいって思っていました。
ー他にも影響は受けたものはありますか?
今も常に影響を受け続けているけど、J-POPのアッパーな感じとか、あと地上波の長寿番組とかの狂い具合いが大好きですね。『笑っていいとも!』とか『徹子の部屋』とかよく考えたら狂いすぎてませんか?
最近でもよく2000年代のJ-POPを聴いているんですが、幻影の王道で踊り続けるって言うんですかね?その狂いを味わうためにJ-pop聴いてる節があります。
ー興味関心と制作が遠いようでリンクしている感じがあったのは、そういった目線から物事を考えていたからなんですね!
(続く!)
制作に対するスタンスから、自身が影響を受けたものの話までしてもらいました。次回は狂気について、みうらじゅんという存在について、ナカノマサトについてさらに深く掘り下げていきます。
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インタビュー/文:kaidaaoi
編集:ナカノマサト
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