君に贈るランキング
髪、歯、喉仏、、歌うような声が降る。続けて皮膚の上を滑る指の感触。
「眼球」
瞼を軽く押して撫ぜた体温が離れると同時に、僕はゆっくり目を開ける。
「…何してるの?」
寝起きでまだ揺らぐ視界、僕に馬乗りになった彼女は、怪訝と僅かな抗議を含んだ僕の問いに、しかし少しもたじろぐことなく堂々と微笑んだ。
「君が私より先に死んだら、形見分けで身体のどこを貰おうかなって考えてたの」
なんて悪趣味な女だ。彼女の腰に手を回し身体を起こしながら僕は思う。
「眼球は無理じゃない?」
「そう?なら