#013 私の履歴書~第2回 先生と予算~
おはようございます!あっという間の金曜日、皆さん、いかがお過ごしでしょうか?最近、読みたい本があったのでKindleと紙で悩んだんですが、久しぶりに紙にしてみました。やっぱり紙の方が読んでる感はありますね。これは!という本は紙で買うのもいいなと思いました。さてさて、本日は私の履歴書シリーズで第2回 大学の先生のお仕事 予算編です。
研究室の予算って、どこからやってくる?
前回のおさらいで、私のキャリアのスタートが大学の先生で、お仕事が全部で3つあると。研究と教育と予算。で、本日は予算について。まずは予算を作るお話。皆さん、大学で研究室に所属されていた経験あると思いますけど、研究に使うお金ってどうやって作っているか、ご存じですかね?色んな方法はありますが、多分、今でもそうだと思いますが、大学から配分される研究費って、本当に最小限なんです。なので研究を行うために予算を作らねばならない。どうしているかというと、いわゆる科研費と言われるような公的なグラントに研究計画を申請して、見事、採用されたら予算が頂けるという構図です。
予算は申請するだけでも大変・・・
私が所属していた研究室の方針は①申請できる枠は全部使う(年齢や職位で応募できる枠が若干違うんですが、それをフルで使えと。)②教授は一切、申請書は書かないので、准教授以下が分担してゴーストライターをする(今だと怒られそうだけど、それが当たり前という雰囲気でした)です。なので、だいたい自分の分で2つ、教授の分で2つ、合計4つくらいは申請書を毎年書くことになります。だいたいね、申請書ってね、そんな簡単に書けないんですよ。秋に申請の〆切があって、夏休みのころから必死になって企画を考えて、文献を下調べして、準備をしておくわけです。直前で教授レビューなんかあったりして、人生で一回しか経験がないですけど、二晩徹夜して書いたりしてましたね。で、結果は自分は若手なので実績がなく、だいたい勝率1割くらいかな。で、教授のゴーストライター分は8割くらいの確率で通るんですよね。これが現実かなと。その他にも学会関連で年会を主催したりすると海外演者の招へいの予算のために、片っ端から助成金の申請書を出したり、まあ、予算づくりって結構、大変です。
予算の支出も。。。
で、予算で言うともう一つ面白いことがあって、支出についても管理が厳しかった。教授以下の先生が学生さん数人を引き連れて研究グループを作っていました。各グループで毎月、先生と秘書さんで試薬の領収書をチェックしてグループごとの支出をチェックしてました。でね、ここからが面白いんですけど、毎年3月に今年度の各グループの投稿論文で受理された数と各雑誌のインパクトファクターを集計するんですよ。それを教授が見てね、「あなたのグループは1インパクトファクター取るのに予算を100万円使ったね、効率悪いね~」とか言われるわけです。この辺、ある意味、会社より厳しかったかもなと。
今となっては・・・
自分自身、この予算関連の仕事を経験できたのは、今となっては凄く良かったなと思っています。真剣にお金と向き合う時間があったことは、いい経験だったなと。一方、研究の発展という意味では科研費も競争で獲得するものになっていますので、若手や新しいことにチャレンジするということへの投資が減ってしまうのは問題かなとも思いました。さてさて、そうこうしているうちに教授が仕事辞めると突然、言い出して、私のキャリアも大きく変わっていくことになります。それは、また次回ということで。ではでは、また!