ヒーローに憧れる彼が見つけたあの人のためなら頑張れること
今回、お話を伺ったのは普段、出水や水俣で活動する柏木直紀さん。
イワシとわたしでは、久しぶりのメンズモデルでした。
続けていた仕事から離れ、新しい一歩を踏み出そうとしている柏木さん。
そんな彼の普段大切にしていることについて聞きました。
イワシとわたし モデルvol.12 柏木直紀
「柏木直紀です。よろしくお願いします」
―普段は何をされていますか?
「今は、今月(取材時12月)で会社を辞めて有給消化中なので、自分の行きたいところ、好きなところに足を運んで、好きな人に会いに行って、楽しい話をして。そんなことを繰り返してますね、今。好きなものを作って、楽しいことをしています」
―今回、鹿児島醤油を選んだ理由はなんですか?
「醤油って考えたときに、メインで使うことってあんまりないじゃないですか。何かを引き立たせるもので、調味料であって。でも、やっぱり醤油ってものは存在する。その目立たないけどどっしり構えている感じがして。それで選びましたね」
―深い!
「よく考えてみたら醤油ってなんかいい存在だなあって」
―撮影はどうでした?
「緊張しました。でも、かえでさんがいい感じに誘導してくれたんで、超楽しかったです。被写体として一歩前進できた素晴らしい時間でしたね」
「撮影側としてもとても勉強になりました。とてもいい経験になりました。応募してよかったあ」
座右の銘は”I want to be an unsung hero.”
―”I want to be an unsung hero.”はどういう経緯で大切にし始めたんですか?
「割と縁の下の力持ちって言葉が好きで。僕、ヒーローに憧れてて、でも、目立ちたくはないから、なんかないかなあって調べてたら”unsung hero(誰にも気づかれない英雄)”って言葉があって、それからですかね。それを大切にしようと思ったのは」
―目立ちたくないの?
「目立ちたいというよりかは誰かを目立たせたい。目立ちたい人のサポートをしたい」
―それは何かきっかけが?
「もともと生まれたときからそんな感じで、誰かのサポート役をすることが多かったんです。幼稚園でも主人公をみんなが奪い合っている中で、僕は『木をやりたいです』って言ってたみたいで」
―それはみんなに譲ろうとかではなく?
「なんか、主役もかっこいいけど、木を一生懸命頑張ってるのもかっこいんじゃないかなあって思って」
―小さい頃から自発的にそう思ってたの?
「そうですね。もしかしたら、自分が目立ちたくないからかもしれないですけど。
僕がやりたいというよりかは誰かの活躍する場をサポートしたい。その方が動けるんですよ、からだが。あの人のためなら頑張れる、みたいな」
―原動力の中心は自分じゃない誰か。
「きっかけがあったんですよ。水俣のイベントを色々回ってたんですけど、色んな人たちと仲良くなって、お店を持たない、たとえば雑貨屋さんとかそういうものを作っている人たちと関わる機会が凄いあって、そのひとたちがアトリエとか、そういうちょっとした作業スペースとか持ちたいって言ったんです。
僕も一緒に、そのとき古着屋をやりたいって思ってたんで、回ってたんですけどどこも見つからなくて。貸してくれそうなところもあったけど結局断られて。ちょっとしたスペースなのに、貸してくれる人が一人もいないのがちょっと悔しくて。やりたい人がいるのに、その人たちが活動できる場がないのが。
じゃあ、僕が場所を作った方がいいでしょ、みたいな。それで場所を作りたいと思ってからそういう地域づくりとかコミュニティづくりに入るようになりましたね。」
―誰かをサポートしたい。誰かの引き立て役になるっていうのは、場所っていうのがキーになっているんですか?
「そうですね。場所づくりっていうのがキーになっていますね。やりたいけど、やれる場所がない。やりたいけど、やるきっかけがないとか。準備する時間がないとか。そういうのを聞いたときに、僕も出水とか水俣が好きだから、盛り上げたいから手伝いますって。そうやって、一緒に開催まで作り上げていく時間もその人との思い出にもなるし、何しろ自分が楽しいんで。何かを一緒に作り上げるっていうのが。その点でも、場所づくりをしたい」
―柏木さんにとって場所づくりとは?
「偶然が生み出される場所。
家と学校では決まった人としか会わないじゃないですか。職場もそうだし。でも、こういうイワシビルとか、カフェとかで出会った人って偶然、必然かもしれないですけど、運命的なものが僕はあると思ってて。
場所づくりっていうのは、決められた場所とかカフェじゃなくても、コミュニティっていうのが場所づくりだと思っていて、それこそイワシとわたしっていうこの活動自体も僕にとっては場所づくりだと思ってるんで。ここから何かつながることがあるんで」
―今、直近で踏み出そうとしている一歩はありますか?
「今は、地元から出ること。地元のことがしたいから一度出る。地元にいたら近すぎて見えない部分ってあると思うんで。九州から出てみようって。俯瞰して見るために外に出てみることですね」
―外に出て俯瞰してまた戻ってきたときに何がしたい?
「やることは一緒ですね。持って帰った技術を活用して出水にないもので出水にあるものを発揮したい。付加価値っていうのかな。外のものを持ってくるのは違うなって思ってるんで。地域密着型のカフェとか応援したいです」
「誰かのためなら動ける」という柏木さん。たくさんの人との出会い・ご縁が少しずつ点が線になっていっているんだと言います。新たな一歩を踏み出し始めた直紀さん、これからも応援しています。
撮影地:サンセットロード
阿久根新港にあるボードウォーク(板張りの遊歩道)。
日中に見る水平線広がる青い海も、夕日に染まっていく海も綺麗な穴場スポットです。
日本名松100選や日本の快水浴場100選に認定された阿久根大島も眺められます。
じぃっと夕日が沈むのを眺めるのにおすすめの場所です。
オフショット 撮影後記
今回も撮影の裏側をこそっとゆるっとご紹介します。
撮影は午前9時から。12月の港はまだ寒かった。ちょっとドキドキしながらスタート。
どんなに澄ました顔をして、ポーズをかっこよく決めても、ラベルの正面が見えるような持ち方を自然とする男。最初から最後まで気にかけてくださっていて、ありがたかったです。
がっつりと決めた後、「恥ずかしい~」って顔をくしゃっとさせているところも見逃しません。
なんかK-POPフェイスみたいじゃない?!!!と三人ではしゃぐ。
ちょうど身長とジャストサイズだったこの奇跡!!!
ジャストサイズ!!!とテンション上がった後とは思えないキメ。集中してます。メリハリが凄い。
ちなみにこの柵の縦幅も頭の大きさとほぼ一緒でした。
ここは座高がぴったり。ぴったり率高めの撮影です。
見返してみて思う、どうやってそこ行ったっけ写真。考えてなかったなあというような予想外の場所にもひょいと行くのは、もしかするとメンズの特徴かもしれません。
色がほしくて指定した浮き輪前。指定したもののここでどうポーズを撮ってもらうのがいいかは分からなかったので、任せました(おい)。
この日の撮影は曇天。わずかに出てきた日の光。見逃してなるものか。
「何のポーズですか?」と言われても何も答えられないポーズ。ポーズ名募集します。こう、片腕を頭の上にそして、顔へと添わすやつ。
醤油を顔の横に。そして全力で澄ましてもらう。どうして醤油を?という質問は駄目です。「恥ずかしい~」とシャッター切るたび少し照れてました。
絶妙な表情。何か悲しいことでもあったのかい?と声をかけたくなるこの表情。アテレコ添えるなら、皆さんなら何添えますか?
特産品ポスター撮る3秒前のような構図。右上には「鹿児島醤油」と筆文字で入ることでしょう。
魔女の宅急便のキキの肩に乗るジジみたいだなあって撮影風景を見て急に思ってしまいました。醤油だけど。醤油だけど…
何か魚いないかなあと覗いてみたものの魚は姿を見せず。うーん、残念。こういう港でたまにエイとか見るとテンション上がってしまう人、他にもいると思いたい。
彼女に撮られている感満載。彼が視線を向ける先はカメラのレンズではなくその先にいる彼女の瞳である、なんていう妄想が生まれました。
そこどうやって行ったっけシリーズ第2弾。どこでもひょいひょい。このとき、散歩にきたおじさまと少し雑談。おじさまのこれまでやってきたことが凄くて驚きました。
醤油と見つめ合うときって成分表見るとき以外で何がありますかね。
ひょひょいと移動して、いいポジションを探し座る。このとき角度が斜めっていたため「めっちゃ座りにくかった」そうです。
イワシとわたし定番の頭のせポーズ。いつもとは少し違う雰囲気。表情の作り方でしょうか。男性女性で違いがあるものだという気づき。面白いです。
以上!オフショットでした!
noteに載せきれなかった写真は、イワシとわたしのInstagramに毎日掲載していきますので、チェックしてみてくださいね!
柏木さんがモデルをした物語はこちら。ぜひご覧ください。