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フォロワーさんの小説を読むよ!(創作大賞感想)②

創作大賞の締切は7/23でしたが、応援期間はまだ続いておりますね。

というわけで、自分の作品UP後はしばし休息を取りまして、そして最近はフォロワー様の投稿作品を、主に小説とか物語系のものをメインに読ませて頂いてます。

そして感想を一言ですが書かせて頂いてるのですが、今回はその②になります。

ひとまずフォロワーさんご本人のページに飛んだりで「あっ、書いていらっしゃるな」と気づいて読ませて頂いた作品から順に。

ちなみにあまりネタバレにならないようにしていますし短めの感想となっておりますが「え、もっと詳しく(真顔)」と思われた作者様は個別に「この部分はどうでした…?」とか、気になるところなど聞いて頂けたら、それもたぶんお答えできるかと思います。

あと、私が創作大賞で書いた参加作品は↓のこれです。よろしければ…とは言うものの長編で14万字近いのであまり無理はなさらず…。



⑧早時期仮名子様

早時期仮名子様も複数の作品を投稿されていて、エッセイ部門・オールカテゴリ部門・小説部門と多岐に渡ります。すごい。小説部門は3作品ですが2作品は本編と続編、ということで、ここはこの本編+続編まとめての感想とさせて頂きます。

めんたい国民なので中野とか高円寺などの東京の名所にはあまり行ったことないんですが、そこ知ってたらもっとリアルに読めたのに…と個人的に残念だったり。でも関門海峡は分かります…!

たっちゃんさん自身の体に作業する時にレオが手を添えたり+のタトゥデザインを考える展開、レオがハサミで編み目を切る時にたっちゃんさんが手を添える展開、どっちもエロくて好きだなと。

性的なエロさ、というよりは「その人の大切な仕事や打ち込んでること、思い入れがあるものに他人が介在することを許す」ということに、エロみを感じるというか。相手への想いの自覚とか告白とか付き合うと決める前にそういう深いこともうお互い許してんじゃん?というのがエロいなと。

あと、リアルにその時期に福岡⇔山口を里帰り往復する身としては「福岡まで欲張ってはいけない…その花火大会の日のあの橋はマジ渋滞する、電車や新幹線もヤバい、飛行機正しいけど当然高いぞホテルも高いぞお盆だ(真顔)」という。笑。

レオが福岡行くのやめさせたのは本気で正解ですね。宿早めに取ったのも…実はタイミング次第でお昼寝もお菓子パーティーもできなくなるめちゃ危ない橋渡ってる…あぶなーい!まさに奇跡です!笑。我が家もすっきり次の日朝か花火終わった真夜中にしかあの橋通らないのです。ふたりがゆっくりしっかり時間を使えて心のやりとりできてよかった~!正直気が気じゃなかった。笑。

全体的に映像で見たい美しい描写が多かったですね。白い鳥が色鮮やかに染まるのと。飛ぶレシートと。海と空と。情景+心情描写が綺麗なお話です。あとご飯がえらい美味しそう。

これは作品の感想としては蛇足なのですが、私は今回の創作大賞の自作品で「これから死ぬキャラが、次の相手を作らせないため恋人に貞操帯をつける的な呪いをかける」みたいな話を書いたわけですが、こちらのお話は「呪い的になってしまったそれを全力をもって解放しようとする話」で。

作風・テイストも違うし全く逆のアプローチだったわけですが、同じく進路に悩むキャラや孤独施設育ちキャラ展開もあり、何だか不思議とテーマはどこか対になっているような感覚を、勝手ながら覚えたのでした。

⑨長﨑太一様

長﨑太一様のこの作品はオールカテゴリ部門での参加ですね。テイストはホラーだと思います。

虫のお話ですね。蝶タイプの。私も自作品でキモめ系の虫とか蝶型を書いていたわけですけど、それぞれの人にそれぞれの虫の描写があるのだなぁ…とほっこり拝読させて頂いたのでした。

冒頭の2月のサナギ、本当に何も出てこなかったんですかね…?実は何かふたりには見えないヤバいものが出てたとかないよね…?あと、この後主人公まで友人と同じようになるとか、そんなことないよね…?友人の中身はどこに飛んでいったの…友人もあの「腕がない緑の女」さんと同じように繁殖先でも探しに行ったのかな…。

そんな疑心暗鬼と嫌な方向の妄想が勝手にじわっと沸いてきますね。

中身がもうとっくになくて、脱け殻しかそこにないのが、余計にいけないよ…。

何だかすごい淡々とした語り口と、最後主人公が寝そべってみるところが、少し純文学テイストというか、「雰囲気ある」感じでいいなと。

今の世の令和の時代の大学生でも全然いいんですが、昭和初期や大正・明治あたりの少し過去の時代設定の大学生や旧帝大の学生、とかにしてもしっくりしそうな、昔の文豪みがある落ち着いた和風を感じる文体が、しみじみ「あはれなり」ってイメージです。


⑩久賀池知明様

久賀池知明様のこちらはホラー小説部門でのエントリーです。方言的に九州の熊本近辺想定かな(そっちに親戚いるので何となくそうかなと)。地震と水害と。

御粕會町(みはくえまち)、主に主人公の家系と、ある小学生の家系の闇。小学校を中心にこの地域で起こる水害・因習村系・土地の呪い系ホラーのお話です。

主人公はホラー小説を書きながらテレビのオカルト系の番組作りを担当、企画作りのために地元でネタ捜しをしたり小学生に取材したりしていて。それで自分の家系の闇と過去に踏み込んだり、小学校や川にまつわる怪談事件に巻き込まれたりします。

町の中は普通に田舎…な田んぼや住宅などのゾーンと、それに比べてやけに羽振りが良さそうな高級住宅地ゾーンがあり、格差~という雰囲気が見た目に出ている、そういう地域です。

幽霊や呪いが怖い、という話なんですが、やっぱり人間怖いというのがまずあって、因習に深く関連するキャラクターほど方言で会話し合って展開するのも、「その土地土着の人なんだな」という内輪的な不気味さを追加している気がします。

ただ、結局はみんなそれぞれ「自分の家族や孫、子供が大事で守りたい・取り戻したい・復讐したい」と必死になっていたり、逆に家族に人柱にされた子供がいたり、こう、「子供のその家からの守られ具合の格差」がそこにあるのが、冒頭の格差ある住宅事情とも連動している感じがします。

なので、最後のシーンはそっかぁ…と。そうなっちゃうかぁ…と。少し切ない終わりでした。地域の大人の皆様は命をもっていろいろ反省しましょうね…。


⑪愛世様

愛世様は恋愛小説部門での参加で、内容的には異世界令嬢・レティシアにまつわる恋物語となっております。まだまだ波乱万丈の先がありそうな物語のプロローグと1章目、というイメージです。

婚約者のエルウィンが、他の女子に恋心を抱いて浮気しておきながらも、レティシアへの独占欲だけは未だに強く持っているところが、「俺は浮気するけど、お前は俺のこと好きでいて当然だし、匂わせでも他の男と関わるのはダメ、俺のエスコート断ってよその男と並んでて笑顔で、俺は超ショックだよ」みたいなことを素で思ってそうなところが、女子目線的に「オアアア…ちょっと!この男さぁ…!(怒りにうち震え)」ってなりますね。

うん…絶対、ジャスミンとの方が幸せになれそうだよ、レティシア…。ジャスミンはエルウィンの浮気情報やエルウィンとレティシアの婚約関係を知っていたのか、それとも知らないけど彼女のことをお友達(今はまだ)として守ろうとしてくれたのか、それはまだ不明ですが。お兄さんのグレゴリーからエルウィンの浮気の噂こと、聞いたりしてたんだろうか。

でもレティシアもそのジャスミンの優しさを享受しながらも、やっぱりエルウィンに嫉妬とか執着されるとほの暗く嬉しかったりして…。

レティシアも少しいけない子なんですよね。題名の「緋色に堕ちた婚約者」はレティシア目線のアルウィンのことと思わせて、エルウィン目線のレティシアでもあるという。エルウィンの浮気相手のアメリアの髪の毛も、レティシアの浮気相手?の立場のジャスミンの瞳も、それぞれどちらも緋色なわけで。

先に浮気したのはエルウィンだけど、レティシアが現状ジャスミンに大きく安らぎを感じていることも、また事実…。

とても続きが波乱万丈な予感がありますね、ふふふ。この後、一体どのようなフィナーレに落ち着くのでしょうか。


⑫藻塩様

藻塩様の作品はアイドルのあり方とファンの関係が重要ポイントのホラー作品となっております。地下アイドルについての事前知識がなくても物語に入っていきやすく、全然大丈夫でした。

ホラーなんですが、セットリストとかチェキ会やライブの様子も描写があって、主人公の駆け出しのライター女子の桜町真央が最初は全く興味無しだったのに『ペガサス★しゅ~ず』というグループに段々と惹かれて美咲みつきちゃんという推しができる、という展開になっているので、そういう推し活的な雰囲気もしっかり味わえます。

ただホラーなので、しっかりと恨みと呪いはそこにありまして。アイドルが呪いの対象となる巫女であり、ライブ中の客のコールが祝詞・呪詛の役割を果たすというのがすごい良くて。

めちゃくちゃリズミカルかつテンポ良く他人呪っとるやんけ、あの人…!神ってる…!天才…!

でも、確かに、巫女のトランス状態的なものとライブのワァー!ってなる感じはすごく通じるものがあると思うので、リアルに感じました。

そういうところ、宗教っぽくアイドル信仰する敬虔な信者×アイドル偶像で、歴史における転びバテレン×歩き巫女の再現っぽい呪いでもあり…。

でもあの人は搾取側の領主の子孫でありながらも領主の被害者ポジにもなることで心の闇が深まって宗教にすがることになって、領主の子であり宗教者であり被害者という形になって。敬虔な信者過ぎたからこそ、アイドルとのコラボがはまってしまって呪い効果が抜群に出たんだな、って…。

そして重要人物かつ途中で亡くなってしまうドルオタ・小柳田氏なんですけど、家族や親戚の美形ぶりを考えると本来は「普通にちょっと寂しさを抱えた、めちゃイケメン」だった可能性さえあるのに、デュフ…って笑う肥満オタクになるほどに歪んでしまってて…。いや千鶴さんは「傷ついたのは私の方なんだけど?」って思ってるのかも知れないけどさ…。いや、彼がやったこと考えると全く同情するような人でもないんだけども…


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鰯野つみれ
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