ヒプノセラピーで前世療法を受けてみた件③
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足に砂の感触があった。赤褐色の砂。
じんわり暖かい。周りは何もない。
砂漠みたいに砂が広がっている。
人はいないですか?と言われたけど、またしても無人だった。ただ、隣にオスのラクダを連れていた。
ラクダの名前はクが最初にでてきて、3文字くらい…と自分からいったのに、そのあと出てきたのはクラック(自分の名前わからないのにラクダの名前だけぼんやり出てきた)。
幼少期からずっと一緒。
目的を聞かれたけど、目的は特になくラクダにも乗らず手綱を緩く持って並んで歩いているみたいだった。
私はこんがり日焼けしていてガタイの良い10代後半〜20歳あたりの男。
ムキムキってすごい、筋肉って鎧みたいって思った。
あと、布を巻きつけたみたいな服を着てた。
足を進めると森が見えた。
真っ暗な森の中を進んでいくと湖があった。
湖に満月が映って綺麗だなって思った。
近くで布みたいな服を纏った背が低く腰の曲がった老齢の男性がいた。
寝床が必要なので話しかけてみましょうと言われた。
老人は一言二言話して指を差した。
会話はわからないけど、さっきと違って耳が聞こえないという感覚はなかった。
指を差した方に向かうと大きな木の根があり寝床にちょうど良さそうだと思った。
クラックが先に足を曲げてしゃがみ、私も寝た。
朝になって、木の葉の隙間から陽の光が見えた。
お腹空いてませんか、朝ごはんを買いに行きましょう、とセラピストに言われた。
湖の周りには水を汲んでいる人が数人いた。
綺麗で透き通っていて、飲み水を汲んでいるようだった。
知り合いもいない、本当にここはたまたま辿り着いた場所っぽい。
私の中で物を買う、という概念がなかった。
店があるような場所でもない。
湖の周りに草木が茂っていて、その中に一軒、木の家を見つけた。
ノックするとおばさんが出てきてなんと会話したかわからないけど、笑いながらパンをくれた。
おばさんの腕越しに家の中を覗き込むと昨日見た老人が食卓について朝ごはんを食べていた。
この人は老人の娘だろうか。
なぜか昨日会ったことをおばさんには話さず、目が合ってなんだか少し気まずい気持ちになったのを覚えている。
そのあとおばさんに何かを教えてもらって、その場所にいくと赤い木の実?果物がたくさん植っていて、もぎって食べた。甘酸っぱい味。
クラックにミルクあげたいですね。買いに行きましょう、と言われた。(買う、クラックがミルクを飲むイメージもないんだけどな、、)
少し歩くと木の屋台みたいなところがあって、ミルク売ってそうだけど人がいない、無人。
裏に回ると店のおじさんがいてミルクをもらうことができた。白いけど黄色っぽくて栄養価が高そう。そもそもこれミルクで合ってる?
戻るとクラックは目を覚ましていて私を無言でじっと見つめた。
ミルクの匂いを嗅ぐそぶりも見せず興味を示さなかった。いらないんだろうな。
クラックからは一切感情が伝わってこない。
ただ、私と目が合ったあとゆっくりと目をしばたかせるだけ。
離れることなくずっと隣で一定の温度を保ってそばにいていてくれる。
相棒ってこういう存在のことを言うのかもなと思った。
クラックの元に戻って、木陰でパンと赤い味とミルク(?)で朝食をとる。
無計画すぎてもう昼っぽいような気もしたけど。
この時代の私は養父に育てられていた。養父は牧草みたいなのの管理の仕事を1人でしている。
動物を多数飼っているわけではない。
養父とはすごく仲が良いわけではなく放任主義、あまり表情が変わらない人で、私の旅の話をいつも聞いてくれる。(聞かせてと頼まれるわけではなく、私が報告したいだけって感じ)
今いる場所は、養父からだいぶ離れた土地にいる。そして、なんとこの時代の私も働いてない!!
どんだけ社不なん。まあ私の天職はニートだと思っているけども(過去の魂と解釈一致????)
それではこの時代であなたが大切な人と会った場面に行きましょう、セラピストに誘導させられる。
どうやって移動したかは覚えてないんだけど、私は大きな家にいて、その家には大きなテーブル以外に家具があまりなくて、窓は木か何かに覆われていて隙間から陽の光が少し漏れていた。
イメージは不健康で薄暗い部屋。
外にクラックを繋いでいるのは把握している。
目の前に高そうな衣服を身に纏った色白な女が泣いている。
私が泣かせたというより1人で気持ちが昂っているみたいで私は困惑していた。
彼女は私に「ここに住んでもいい」と言った。今世の私は、「上から目線な女だな!」と思ったけど、この時代の私は言葉通りに受け取り「ほー。住んで良いんだー」と楽観的に捉えていた。
この時代の私は、正直言って楽観的でアホっぽい男に思えた。
多少社交性があって、それでのらりくらりと色んな人に少しずつ助けてもらって、恵んでもらって生きてきた。
私は彼女に恋愛感情を抱いていなかったけど、なんだか求められているし私がいないと崩れてしまいそうに見えたので一緒にいることにした。
それに対して義務感はなく、そうすることが当たり前に思えた。
彼女には両親がいない。
でもお金はなぜかたんまりあって働かずに暮らしていけるみたい。(なぜなのか深掘りしようって気持ちが私にはないみたい?)
どこで出会ったかもわからないけれど彼女は唯一私には心を開けるらしく、私以外はいらないみたいだった。
贅沢は趣味ではないらしく、私も働かずに暮らしていけたけれど、金持ちらしい華美な洋装はせずシンプルで質の良いものを纏っていた。
彼女のセンスの中で生きることが居心地良いと感じていた。
旅をしていた頃と180度違う生活。
彼女を可哀想と思ったことはない。
深く知りたいと思って、語ることもない。
ただ医者にかかるわけでもないので寿命に関わる病気ではなくて心が追い詰められているように思えた。(躁鬱っていうより鬱っぽい)
日常を送るための最低限の会話をして、一定の距離を保って、お互い低い温度感で「一緒に生きていく人」という認識だった。(低電力モードの生活って感じ)
性的な関係はなく、今まで生き甲斐にしていた旅もやめて、ひたすら彼女と家にいた。
彼女を放って旅に出たい!!!みたいなフラストレーションもなかった。
旅をすることを目的にしていたわけではなく、私は知らない世界を見たくて歩き回っていただけで、その趣味のブームが去ったみたいだった。(前世でも飽き性なのかよ)
部屋は明かりが入るようにしたけど彼女が明るくなることはなかった。
陽の光で照らされた彼女の顔はいつも正気が無くて青白かった。
彼女とは会話がはずむことはないけど、会話をしなくても私が近くにいることだけが救いみたいに見えた。
その関係を私は感じ取っていて、それで良いと思った。
彼女の気持ちが昂ることはなくなったことで、自分の役割を全うしている気がして満足していたように思う。
セラピストが育ててくれたおじさんにもう一度会いに行ってみましょうと言った。
久々にクラックを連れて街を出た。
彼女は案の定着いてこなかった。(そもそも私は説明したのか?誘ったのか?)
おじさん元に辿り着く。
一緒に暮らす人ができたと話すと、おじさんは見たことのない優しい顔をした。
この人、こんな顔するんだ、と思った。
その顔を見たら私は正直な気持ちが溢れてきた。
私は、彼女を好きなわけではない、と気まずそうに引き攣り笑いで伝えた。(彼の頭の中では単純に好きじゃないけど自分がいないとダメになっちゃいそうな人でほっておけないんだよねーって楽観的。今世の私からしたら彼女も彼女だけど、自覚ないけど実質ヒモで必要とされているから離れないお前も重度の共依存だぞ?!この関係は病んでるぞ!って思った。)
そうぼやく私におじさんは「お前は好きではないとそう口ではいうけれど、本当は好きなんだよ」と優しい口調で言った。
すとんと腑に落ちたわけではないけれど、否定する気にはなれなかったのがなんかリアルだった。
そこから二十年後に行きましょう、と誘導させられる。
そこはいつもと変わらない彼女と暮らした家。
ただ、クラックとはもう一緒に暮らしていなかった。
元々一緒に旅をする相棒で繋ぎっぱなしなのを可哀想と思ったのか、おじさんの元へ渡したっぽい。(預けるんじゃなくて今生の別だと思っている)
一緒にいた彼女を数年前に看取って、私はなんとなく解放された気がしていた。
気持ちが明るくなっていた。
覆われていた闇がなくなってすっきりした感じ。(どんな言い草)
彼女とは結婚のような契りを交わさずただの同居人として一緒にいたみたい。
まだ全然動けるけど、もう旅に出ることは頭にないし、何かを始めるわけでもなく、私は1人で彼女のいない生活を予定を狂わすことなく淡々と続けた。
元々多く会話をしていたわけではないので、生活が激変することも寂しいと思うこともなかった。(家の中でも個々に生きてたんかな)
この生き方が身に染み付いてそのルーティンを辞めてまでしたいことが見つからないみたい。(閉鎖的に生きていたからでは?)
その生活を愛していたわけではないが、合っていたんだと思う。
そして、セラピストにこの人生で命を終える時に行きましょうと言われた。
私は彼女と暮らしたあの広い家で1人ベッドに横たわっている。
家族はもちろんいない。
日が差して白いベットシーツが発光しているようだった。
そろそろ死ぬんだろうと知っているけれど健やかな気持ちだった。
自由だった。
この時の自分から今の自分へのメッセージを受け取ってくださいと言われた。
語りかけるというより、彼の考えを読み取るような感じになった。
「自分がいないと潰れてしまいそうだから、必要とされたからと寄り添って生きてきたけど不自由だった。だけど、彼女を看取ったことを後悔していない。この生き方を間違えたとも思っていない。これは私の役割でそれをきちんと果たした。彼女のおかけで生涯働かずに何不自由なく暮らせた。その分苦しい思いはしなかったけど楽しい思いもなかった。」
セラピストが私の悩みに問いかける「人の求めることに合わせて、良い人でいることがiwashiさんの魂に幸せをもたらしたのでしょうか。不幸ではないと思っているもののそこに幸せはあったのでしょうか。何かを犠牲にして得るに値する人生だったのでしょうか。」
そう問われて、私はなんとも言えない気持ちになった。
この時代の私が最後に思い出したのは、この時代の始まりに見た、木陰の下で静かにまばたきをするクラックの横でパンをほおぼる自分だった。
私はクラックに乗ったことがない、ずっと一緒に並んで歩いてた。
おじさんの家に移ってから一度も会いに行ってない。
クラックの隣が自分が唯一安心できる場所だったのかもしれないと思った。
あまりに静かすぎるエンドだったからなのか、
ここでセラピストから提案が入る。
「この時代の他の世界線を見に行きましょう。いわしさんが彼女以外の女性と一生を過ごす明るい未来に」
私の意識は柔軟になっていて3カウントで風のように飛んでった(もうなんでもアリになっちゃってない???過去変ありなん???)
目を覚ますと私は広場にいた、旅の途中で立ち寄った街でクラックの横に立って紙のようなものを眺めている。
街は黄色い砂煙で空気が濁っていた。
私は布をくるんだみたいなラフな服装をしている。そこにゆるいウェーブぽい癖毛で茶っぽい髪色をして、私と似たような布の服を纏った女性が話しかけてきた。
同じような身分の人間だ。
私が覗き込んでた紙に書いてあることに関心があるらしい。
私は彼女と意気投合して、クラックと3人で旅をするようになった。
彼女は私と同様にクラックを乗り物扱いしないでくれた。それが嬉しかった。
彼女に対して恋愛っていう気持ちより仲間という意識が強かった。彼女もそうだったように思う。
カップル+1匹じゃなくて、マブダチ3人で旅をするって感じ。
延々といろんなところに行った。車がある時代ではなく、ほぼ徒歩移動で、旅にお金はかからない。
見たい景色を見たい時に見に行った。
そして私はまたしても働いていない(働け!!)
彼女は旅行から帰っては働きに出ていた。
私はこの生き方にも満足していた。
ただ「楽しい」という感情に身を浸す人生。
やりたいことだけをする人生。
自身が楽しいと思うものを同じ温度感で同じ角度で感じてくれる彼女が近くにいて、クラックは今まで通り、何の感情も出さず静かに隣にいる。
それが、ただただ幸せだった。(彼女は大変だったんじゃないのか…?)
そしてセラピストがこの人生の終わりへ誘導した。
私は歳をとって、昼間に彼女と同じベッドで寝ている。
前にみた人生と違って庶民的な家で変わらず布のような服を着ている。
手はしわくちゃで乾燥していた。
この人と一緒にいた時の方が長生きしたみたい。
どうやら私は彼女に看取られるらしい。
夫婦ではないが今でいう事実婚のようなもので性的な関係はやはりなかった。(筋トレで三大欲求を吹っ飛ばしてたのか??)
クラックはすでに亡くなっている。
彼女は昔よりふっくらしていて50代くらいに見えた。
彼女は私の隣でそっと寄り添いながら、私の頬を撫でて唐突に「楽しかったね」と言った。
これが最後の会話だと思った。
私は母という存在を知らないけれど守られているような、すごく温かい気持ちになって、しゃがれた声で「楽しかった」と答えた。
声は年老いているのに気持ちは幼い子供みたいだった。
その後、意識がなくなって真っ暗になった。
終わりを迎えたらしい。
苦しさはなかったけれど病だったのだろうか。(今も喉弱いけど関係ある?)
そして私はゆっくり現世に戻ってきた(私が戻って!!来た!!!🦸)
戻ってきた時、体調不良の時の倦怠感とは違う、初めて肉体を持ったみたいな体の重さがあって怠かった。
なぜか腕と足が筋肉痛になっていた。
頭が痛くてぼーっとしている。
この施術は、いったん宇宙に行って生まれなおす、みたいなものなので体の倦怠感は向こうに行けていた証拠なんだそう。
んー見えた…のか…?
想像が口から出ただけのような気もしてしまう…
文化的なことを考えると想像とかいつか見た記憶で補填してしまっているような気がした。
ちなみに、途中で鼻が痒くなったりしたけど、そっちに集中できる余裕がない程度には頭に何かが浮かんでいたので「催眠」にはかかっていたんじゃないかと思う。
面白いなあって思ったのは、
・最初に見たのは、自身が自然の一部だった頃かも?だいぶ昔?
・疲れると昔から木に触れる癖がある。辛かった時木に抱きついたことがある。(アイスランドではツリーハグをおすすめしてるらしいよ)→木に親しみがある
・自然に触れるだけで回復する、楽しいと思うタイプっぽい
・幸せを見にいくって指示だったのに、全然無視してたよね?それともこれが私の幸せMAX…?幸薄じゃねーか!
あまりに登場人物が少ない!もしやほとんどの人間に関心なかった?
関わりがなかったから覚えていなくて見えなかった?
・過去にいじめられたとか殺されたとかで人間と関わるのが苦手なのかと思ってたけど、元々群れる性質ではないのに人口の多い場所にいて疲れているだけっぽい??
・今世の私の朝食があの時見たものに似ている。(きな粉牛乳にいちごジャムをのっけた食パン)
・見てきた2つの世界はどちらも働いてない。なんなら2つ目は無自覚のヒモだったね
・お金があるだけでは幸せにはならない。でも不幸にもならない。
・仕事とか何かを成すために生まれてきたわけではなく、「楽しい」を追求したくて人間に生まれてきた。特に重い何かを背負っているわけではない。
→今の時代で一番自由に幅広く遊べるのが人間だから人として生まれてきたんじゃないか説。
クラック(今世でいうペットのような存在)は旅をしたけど自由ではなかったよねって話
・もし看取ってくれた彼女と会うことがあれば、それは「楽しい」を通して出会うことになる
でも、終盤の私、体力なくて楽しいも疲れるんだなー、楽しいも多少の無理しちゃうよなとか思っちゃってて、
楽観的なのに根暗だったw今と通ずるものあるw
年齢のせいもあるけど私のパートナーはクラックが良いって思っちゃった。
終始怠け者!!!!
ということで帰ってから3時間くらいPCに向かって打ち続けてみた。
見えたのか妄想なのかはわからない
一夏のちょっと不思議なお話でした。
note書く書く詐欺やめたいwww
スピからは以上です!
※ヒプノセラピーは精神疾患を持っていると「禁忌」になるからって断られる場合もあるよ。
主治医に相談の上だったらOKってところもあるから興味ある人は事前に確認しようね!
おまけ(ちょっと怖い話)
今世に戻ってくる時、見てきた世界と明らかに違うシーンが一瞬流れて、そこで私は複数名にボコられて右手縛られてグジャグジャに潰されてた。
あれなんだったの。
悪いことしたのは私っぽかった。
もうヒプノはやらないけどよっぽど見たくない凄惨な過去もあったんじゃないかと思う…
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