2月某日 分娩開始から子宮口8㎝まで
促進剤投与開始。バルーンはなし。
効くのかな、ドキドキ💕からの20分で「これは...!」ってほどの痛み到来。
母に腰をさすってもらう。
この時はまだ痛みよりプライドが勝っているので、肛門のことは触れない。
1時間もすると、叫び声が出るぐらい痛い。
「痛い...いたっ...うぅ〜」から、
「ふぅー!!(吸う音)ぶるぁぁぁ!!!(吐く音)イタイー!!!!」へ、
さらに「あぁーー!!!!わぁぁぁーーー!!!」しか出ないステージへ。
陣痛の合間は最初は夫がの頭がでかいからだ!(母が、それは父もデカイし...と夫をフォロー)とか、次は無痛で産む!(やんわりした病院批判)とか毒づいてたけど、だんだん「水...」しか言えなくなる。
スタッフさんが「はい、リラーックス!」「力抜いてー!」とか言うのを「バカ言ってんじゃねぇぇぇ!!!」と内心毒づくも、声にならない。
後から考えたら声になんなくてよかった。
痛みがプライドに勝ったころ、母に肛門の面倒を見ることを要請。
ごめんよ、介護する前に娘の肛門の面倒を見てもらうことになるなんて...。
最初はテニスボールを使ってもらってたけど、なんか違う。力が分散され過ぎている。
もっと、力を集中してほしい。卍解後の斬魄刀がコンパクトになるみたいに!!
重要なミッションなので、ぐったりしたいところを振り絞って「テニスボールじゃなくって、もっとピンポイントで力強く押してほしい。たぶん、指の側面で、120%の力でおして!」と指示。
やってもらうがなんか違う...。
「もっと120%ー!!!」と修造ばりに叫ぶも、母から「いや、無理だし」と冷静な返答。
後からわかったけど、スタッフさんは曲げた第二関節で押してたらしい。なるほどね!
やはりスタッフさんの技術はすごい。母もNSTの波形を読み取れるようになるなど、成長めざましいけど、やはり経験が足りない。
スタッフさんが部屋から出て行こうとすると、演歌のなかのオンナぐらい悲壮な声で「行かないでー!!!!」と絶叫、懇願。
今まで、こんなに誰かに必死にすがりつくことがあっただろうか。
なんだかんだで最後に頼れるのは己、次に金ぐらいに思っていた節のある私にとって、自分の行動がなかなかの衝撃。
相手がいないとできない結婚でさえ、最後は金にあかせて婚活すればなんとかなると思っていたぐらいの自分が...。
助産師とは、看護婦とは、すごい職業だ...。
11:30ぐらいに内診。スタッフさんが驚いたように「あれ!もう7-8センチ開いてる!順調だねー!昼過ぎには生まれるよ!」と言う。
「へー!昨日一晩で1センチなのに、もうそんなに⁉︎」と思う自分と、
「いや、あと2-3センチもありますやん...。あと1センチが長い人もいるらしいし、絶望」と悲観する自分と。
あんなに帝王切開でブルーになってたのに、「もう、切っていいです(涙)」と諦め宣言。しかし、「うーん、やるべき理由が弱いかな?赤ちゃん降りてきてるし、血圧だけは心配だけど、経膣でガンバロ♪」と励ますスタッフさん。
諦めたらそこで試合終了だけど、そこから粘れるのがアスリート、粘れないのが素人。
学生時代に部活に所属することすら億劫だった私が粘れるわけない。頼むから切ってくれ。