MinoMafia --SideAdabana-- 5
真っ赤な夕焼けが印象的な日だった。
仕事を終えて家に帰り、靴を脱ぎ、廊下を歩いて、リビングのドアに手をかける。
ここでAZはこれが夢だと気づく。飽きるほど繰り返し、そしてその度に死にたくなってきた夢だ。
ドアを開けリビングに入ると、クラッカーが盛大に打ち鳴らされる。
誕生日おめでとう、と当時付き合っていた女性から笑顔で祝福される。
懐かしく、心地のいい空間。
このまま、ここに居たい。けれど、これ以上先に進んではいけないこともAZは夢ながら自覚していた。
部屋から逃げ出そうと