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大井川鐵道と地名の古民家宿での2泊3日旅

3年ぶりに、大井川鐵道に訪れることができました。

3年前の2021年は、単身でかつ降雪のなか、18きっぷ旅後半でヘトヘトになりながら、金谷⇄奥大井湖上のピストン旅でした。写真はこちらのnoteにて。

今回は贅沢にも、地名駅の目の前にある囲炉裏とランプの古民家宿 いにしえの風に2泊し、ゆっくり大井川を満喫しました。

大井川鐵道も、このお宿もまた最高でしたので、その辺りも書いていければと思います。(写真多めで、ちょっと長いです)

🚃 旅の全体像

  • 1日目:東京から快速で金谷にゆき、富士山静岡空港に寄ってから地名

  • 2日目:南アルプスあぷとラインで、千頭奥大井湖上駅間を往復

  • 3日目:地名から、森道市場に参加するため蒲郡へ行き、夜東京に帰る

普通・快速列車でゆっくり金谷へ

時間をたっぷり使った旅というのは、東京であわただしい毎日を送る私たちにとっては、貴重でかけがえのないものです。
新幹線を使えば2時間弱でつきますが、あえて快速列車で向かいました。何度も乗り継ぎ、4時間ほどで金谷に到着します。朝6時半に家を出て、10時半すぎに着きました。

本来の予定では、11時前の金谷発川根温泉笹間渡行きの大井川鐵道に乗るはずだったのですが・・・私とパートナーあわせて、現金3000円ほどしか所持していないことに気づきます。(当然、大井川鐵道は現金利用のみ)そのため、貴重な11時前の列車を諦め、まちの方まで歩いてお金を下ろすことになりました。

〜とほほ、大井川鐵道に行かれる皆様はぜひ現金のご用意を〜

それを逃すと、次は13:40に金谷から新金谷に行き、14時台の「SLかわね路」に乗って川根温泉にいくことになります。

SL乗車は予定していませんでしたので、「ある意味よいのでは」ということでそれまで待つことにしました。

事前予約が必要とのことで、念の為お電話。「全然空いております!」という元気なお姉さんの返答が、少しおもしろかったです。

丸ズームに揺られてあっという間に新金谷

金谷駅周辺を散歩し、富士山静岡空港にバスで行きお昼ご飯を食べ、そうこうしているとちょうど金谷発の丸ズームに乗車することができました。

21000系 丸ズーム
見えづらいですが、「川根温泉笹間渡」から「千頭」は川根本町 町営バスでの代行輸送となることが明記されていました

私たちが訪れたのは、2024/5/24〜26。
この記事を書いている2024/8/17現在も引き続き、2022年の台風被害により全線開通がまだできていません。まだ長い道のりになる、そんな状況のようです。

2022年の台風の被害により、川根温泉笹間渡~千頭間が現在も不通となっております。川根温泉笹間渡より先の千頭方面をご利用のお客様は、家山で川根本町町営バスにお乗り換えください。

運賃・時刻表 | 大井川鐵道【公式】
21000系の車内
新金谷駅

気分でSLかわね路に乗ってしまう

オレンジの瓦屋根がかわいい新金谷駅舎

金谷から新金谷は驚くほどあっという間に着きました。(所要時間5分)

新金谷、改めて降りるととても魅力的な駅です。

  • 1番ホームには、先ほどまで乗っていた21000系

  • 2番ホームのオレンジの車両が「SLかわね路」で我々が乗車した旧型の客車

  • 奥には、7200系の電車も見えます。

各地で活躍した車両が、大井川に集まり、再活躍している姿を見ると励まされます。

駅構内のカフェ(This is Cafe)でソフトクリームを買ってそうこうしていると、蒸気機関車のC10形8号機が接続されていました。

蒸気モクモク、C108

C10形8号機は、大井川鐵道のサイトによると、1930年(昭和4年)に製造されたとのことで驚きです。

大鉄で一番古い昭和5年製。C10形で唯一現存する機関車です。
1930(昭和5)年に川崎車両で製造されました。新小岩機関区に配置された後、各地を転々とし1961(昭和36)年に会津若松機関区で廃車となりましたが、1987(昭和62)年に宮古市で“SLリアス線”として復活。
1994(平成6)年4月24日に岩手県宮古市のラサ工業㈱より大井川鐵道へ入線し、1997(平成9)年10月14日に営業運転を開始しました。

蒸気機関車C10形8号機 | 大井川鐵道【公式】

「現役バリバリですのよ」と言わんばかりのお姿を拝見できました。

今回の客車
ぼんやりしてしまった車内

昭和の香りが漂よう、すてきな客車です。
座席は温かみのあるブルー、天井には扇風機。窓はもちろん手動で開けることができます。

窓の外に広がる茶畑

窓の外を見たならば、茶畑が広がったり大井川が広がったり。静岡にいることを五感で感じさせます。

窓をあけて空気をたくさん吸いながら、川根温泉笹間渡駅に到着しました。

川根温泉笹間渡駅の駅名標

パートナー曰く、抜里から川根温泉を通過する際、全裸のオジサンが一生懸命SLに手を振っていたようです。(名物なのかな)

我々も、その川根温泉に向かいます。

川根温泉で新茶をいただく

川根温泉笹間渡駅から見た客車

広い休憩所もある、とっても心地のいい温泉でした。
2階のベランダが特に心地よく、ハーモニカを奏でるおじさまがいらっしゃって、大井川を見ながら新茶をいただき、それは天国のような場所でした。

このハーモニカのおじさまが、1階の給湯器で新茶が飲めることを教えてくれました。川根茶の新茶で身も心もほぐされます。

川根温泉の2階のベランダからは、大井川鐵道の線路が見えます

そして、大井川鐵道の全線開通についても伺ったところ、費用が想像以上にかかるから困難を極めているのだと、苦しい表情をされていました。

そこから、地名のお宿にゆく足がない私たちは、宿のお父様に迎えに来ていただきました。(本当にこれが有難かったです)

🍶 宿での夕食(1日目)

初日の夕食は、鮎の炉端焼き・焼き鳥・牡丹鍋・とろろ(自分達ですりすり)でした。
この宿でよかったと思うポイントがたくさんあるのですが、その中でも一番はお食事かもしれません。

朝食も夕食も、すべてのお食事は囲炉裏を囲んでとります。
どれも囲炉裏を活用したものとなっており、ゆっくりと静かな時間を過ごしながら美味しくいただけました。
お酒はビールなどに加え幾つか地酒もご用意されており、瓶ビールと日本酒300mlをいただきました。(別料金)

囲炉裏のある生活、いいなぁ

駅目の前なのに、静かな夜。当然、今はこの駅に停車する電車がないからなのですが。それにしても本当に静かです。虫の声や風の音だけが聞こえます。

千頭をぷらぷら

翌日も、宿のお父様のお言葉に甘えて、千頭駅まで送迎していただきました。

そしてさらにありがたいことに、先に奥大井湖上駅へ向かって我々を待っていてくれると言ってくれました。時速17kmの井川線だから、車の方が早いのよ。と淡々と仰る宿のお父様。
帰りに接岨峡温泉やカフェに下ろしていただきたいこともあったので、ここもお言葉に甘えまくりました。(本当にありがたいことです)

南アルプスアプトラインのアプト式列車
トーマスの仲間たち

千頭駅、やはり楽しいです。トーマスの仲間たちがいますし(リアル)、アプト式列車がキラキラとこちらを迎えてくれます。それぞれヘッドマークも可愛いです。

千頭駅の駅名標

「せんず」というひらがなの駅名標もキュートです。終わりが長くて丸っこい書体に思わず微笑んでしまいます。貴重な手書きの駅名標です。

早速列車に乗って、奥大井湖上駅へ向かいます。

アプト式列車で風を切る

千頭⇄接岨峡温泉

風をぐんぐん切りながらゆーっくりと急勾配を登っていきます。

奥泉駅を過ぎたあたりで見られる、泉大橋という鉄橋も圧巻です。

泉大橋

アプトいちしろ駅でのアプト式機関車連結作業は、みんなが外に出て見に行きます。そのためほとんど満員だった車内、一時からっぽに。

アプトいちしろでの機関車連結中の車内

ここから、日本の鉄道路線で最も急な区間をジリジリと登っていきます。
この日は、長島ダムは両方向から放水をしていました。

ダムにかかっている橋は、歩けるみたいです。両方向放水のときは飛沫を浴びれて、涼しいスポットとなっているみたいです。

長島ダム

奥大井湖上駅に降りたつ

千頭からの乗車時間は65分程とのことですが、驚くほどあっという間に奥大井湖上駅に着いてしまいます。やはりここで降りられるお客さんがかなり多かった印象です。

この駅はホームがぐーっと左右に湖のほうに伸びていて、本当に「湖上」であることを感じます。線路の下を覗けば、エメラルドグリーンの湖がよく見えます。

奥大井湖上駅のホームの足元は、スケスケ

改めて地図で俯瞰してみると、すごい地形です。このように橋と線路を引いた方々には感謝と尊敬の念しかありません。

奥大井湖上湖周辺地図

我々は湖上駅を楽しみつつ、お迎えの時間も考えて足早に展望所に向かいます。(少し迷った)

奥大井湖上湖展望所より駅を眺める

接岨峡温泉とstories cafe&book

その後、宿のお父様おすすめの地元の温泉・接岨峡温泉に連れて行ってくれました。

ローカルな温泉という感じでこじんまりしているものの、まったりできました。また湯質がとても気に入りました。とろとろのお湯です。

その後もさらに、お宿のお父様に教えていただいた古民家改修カフェのstories cafe&booksでお昼ご飯をいただきました。
テーブル席と、畳のお席があり、畳の方を選びました。当時は5月でしたが、早々に夏休みを実感したものです。実家に帰った気分でゆっくりできました。
手作りピザが最高、ビールや山羊ミルクとよくあいます。

stories cafe&books

地名で散歩したり、宿でゆっくりしたり

今回の旅はゆっくりしたかったので、午後早々に地名の宿に戻ってきました。

地名駅近くの踏切前

地名駅には現在電車がきませんので、念の為注意しつつ線路の真ん中にも足を踏み入れることができました。

地名駅近くの線路

こちらの駅名標も渋くて素敵です。
「じな」、恥ずかしながら最初は読めませんでした。じみょうとか、ちめいとか、色々と想像してしまいます。

地名駅の駅名標

地名駅からすぐの、日本一短いトンネルと呼ばれるトンネルも簡単にみに行くことができました。本当に短いです。かつてはケーブルが鉄道軌道上に通っていたようで、そこの落下物から守るために設けられたようです。

日本一短いトンネル

外は暑いので、大井川の方までぷらっと散歩をしたら、宿に戻ってきました。

宿は、とても素敵に改装されています。
地名駅を眺めながらお茶をいただける小さいカウンター席が用意されており、そこには鉄道ファンの心をくすぐるような、座席番号札が貼り付けてあったりします。

室内のカウンター席に座席番号札

🍶 宿での夕食(2日目)

2日目の夕食は、鮎の味噌焼き(自分たちでお腹に味噌を詰めます)・天ぷら・豚汁・ポテトサラダ(自分達ですりすり)でした。参加型なのが、楽しいです。
この日もお酒をいただき、気持ちよく眠りにつきました。

足早に地名を立つ

ここのお宿、朝食も最高なのです。最終日の朝食は、出汁茶漬けでした。
囲炉裏で熱しているのはお出汁です。そこに、焼きたての鮭や色々なトッピングを入れながらお茶漬けをいただきました。

最終日の朝食は、出汁茶漬け

ここで暮らしたい、、、と思ってしまうような、お宿でした。
静かで心地よい時間と、美味しいお食事をありがとうございました。
(送迎や、お店紹介もありがたかったです!)

囲炉裏とランプの古民家宿 いにしえの風

帰り道というのは、早いものです。
地名から現在電車は出ていないので、バスで家山まで向かい、そこから大井川鐵道に乗り換えます。

ゆったりし過ぎてお土産を買いそびれた私たちは、新金谷で降車して駅前のプラザロコのオープンと同時にお土産を購入しました。

その後、徒歩20分くらいで金谷駅に辿り着き、第2の目的地である森道市場の会場、蒲郡に向かいました。

おわりに

少し長文になってしまいました。写真も多く掲載したので、たいへんです。自分用の記録という意味も込めて、色々と載せてみました。

大井川鐵道についても、全線開通される日が近く来ることを祈るばかりです。できるかぎりの協力はしたいと思います。

この旅行後のニュースとして、今年の6月より鳥越さんが大井川鐵道の社長として就任されたとのことです。いすみ鉄道(私の地元の)の盛り上げに貢献され、その後えちごトキめき鉄道へ行かれ、お次は大井川鐵道!と驚かされたと同時に、とっても頼もしく嬉しい気持ちです。これからの大井川鐵道も楽しみです。またゆったりと大井川には訪れたいです。

長いnoteとなってしまいましたが、最後まで見てくださった方ありがとうございました。

皆さんの大井川の旅の思い出なんかも、ぜひお伺いできれば嬉しいです。

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