稚拙

19さい

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「同窓会できんきらきんの髪をみてぼくのなかで彼女がしんだ」15首連作

回想を繰り返すたびに虚構へと消えゆく彼女はずっと十七 同窓会できんきらきんの髪をみてぼくのなかで彼女がしんだ 割り箸がとっても綺麗に割れたときあんたのことを思い出すなど 嬉しいも辛いも無邪気に忘れてく君は美しく、あるいは憎く とびこめず びゅんと特急前を過ぎ 髪の毛揺れる ぼくのため 祈りにも似たこの拙い希死念慮いつかのあかるいみらい夢みて リビングの造花に名前をつけてみた 次の日少しひらいてみえた 国道のバイクは うるさい うるさい が あいつにも事情があるの

    • 晩夏の散文

      ひっくり返った蝉は誇らしげ。自分がなんだか情けなくみえて背筋が伸びる。空は青い。 髪の毛の色が変わったあいつはアイスコーヒーにガムシロップ2ついれた。 6時のサイレン。少年たちはどこか名残惜しそうに、公園を出る。彼らの影が少し長くなる。 アイス、花火。映画的回想。形而上学的な彼女は生ぬるい風に乗ってふわふわと、どこかへ。 窓の外をみると街がだんだん大きくなっていく。自分の家が見えないか探してみたりする。 甘美なメロディが僕の日常の再開を知らせる。左手には故郷の銘菓、右

      • イメージの詩

        昨夏の一連の出来事に僕自身も状況として包含されている。形而上学的な彼女が僕に微笑みかける。 昨夏を巡る一連の映画的回想は僕のアドレセンスの消失を暗示し、それは日常性すらも脅かし、食い尽くす。 レジリエンス。 食い尽くされるものを補うかのように行動する。 僕が行う補填的行動の全てはあくまでも補填に過ぎずそれらが生み出すものの全てが単なる空虚であることは承知しているが、現在の僕は空虚すらも必要としている。 むしろ実体など必要なく、表象のみが必要なのかもしれない

      「同窓会できんきらきんの髪をみてぼくのなかで彼女がしんだ」15首連作